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“スロープ”って、どんな意味?「サウンドチューニング」実践講座 Part3 クロスオーバー編 その4

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ツイーターの「ハイパスフィルター」の「スロープ」を、マイナス6dB/uctにセットした設定画面(ロックフォード フォズゲート・パーフェクトチューン)。全 8 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムの最終的なサウンドクオリティの良し悪しは、音調整が上手くいくか否かによってもガラリと変わる。当連載では、それを自ら行おうとする場合のコツをさまざま解説している。現在は「クロスオーバー」という機能について説明している。

さて、これまでは「クロスオーバー」とはどのような機能なのかを、そしてこれを扱うにおいて知っておくべき用語を解説してきた。で、前回は「クロスポイント」と「カットオフ周波数」、これらの意味を紹介したのだが、今回はこれに関連するもう1つ重要な別の用語について説明していく。その用語とは「スロープ」だ。

その言葉の意味を説明する前にまず、「クロスポイント」と「カットオフ周波数」について簡単におさらいしておきたい。これらは音楽信号の帯域分割(クロスオーバー)を行う際の、「担当範囲の下限(もしくは上限)」を表す言葉だ。

例えばツイーターとミッドウーファー間に「クロスオーバー」をかける際に、ツイーターには3kHzから上の帯域を担当させミッドウーファーには3kHzから下の帯域を担当させる設定にしたときには、「クロスポイントは3kHz」、ということになる。なおこの状態のことは、「ツイーターとミッドウーファーのカットオフ周波数はそれぞれ3kHz」、とも言い表せる。

ところで前回の記事の中で説明したように、状況によってはツイーターの「カットオフ周波数」を4kHzに、ミッドウーファーの「カットオフ周波数」を3.15kHzに、というようそれぞれの数値を変えて設定されることもある。となるとこの場合は、4kHzから3.15kHzまでの音はなくなってしまうのかというと、そうはならない。

その理由は以下のとおりだ。例えばツイーターの「カットオフ周波数」を4kHzに設定した場合、4kHzから下の帯域の音がばっさりと切り取られるわけではないのだ。ではどうなっているのかというと、「音程が下がるにつれて徐々に減衰していく」、このようなカットのされ方が成されることとなる。なのでツイーターの「カットオフ周波数」を4kHzに設定しても、そのカットラインよりも下の帯域の音もツイーターから聴こえてくる。

で、この“減衰率”のことが「スロープ」と呼ばれている。そして「クロスオーバー」では減衰のさせ方も設定できる(一部、固定されている場合もある)。

なお「スロープ」の単位は「dB/oct」で、読み方は「ディービーオクト」だ。「dB」とは音圧の単位で「oct」とは「オクターブ」のことを意味する。なので例えばツイーターの「スロープ」を「マイナス6dB/oct」に設定した場合、これはつまり”1オクターブ音程が下がるにしたがって音圧が6dBずつ下がっていく“減衰率”、ということになる。

今回は以上だ。次回も「クロスオーバー」機能を使う上で知っておくべき用語の解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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