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マルチウェイスピーカーを使う場合の必須機能!?「サウンドチューニング」実践講座 Part3 クロスオーバー編 その1

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「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。全 6 枚写真をすべて見る

クルマの中で良い音を楽しもうと思ったときには、サウンドチューニング機能を適切に設定できるか否かもポイントとなる。なお音調整は、プロに任せた方が確実だ。しかしそれと並行して自分でやってみても楽しめる。

当連載ではそれを推奨し、チューニング機能の扱い方をガイドしている。

さて、今回からは新章に突入し、「クロスオーバー」機能の操作方法を説明していく。

まずは、当機能が何なのかを解説していこう。当機能はすなわち、音楽信号の帯域分割を行うための機能だ。もしも低音から高音までを1つのスピーカーユニットだけで再生できるのであれば、当機能は必要ない。しかし例えばフロント2ウェイスピーカーのように高音再生をツイーターに担わせて中低音再生をミッドウーファーに担わせる場合には、当機能が必要となる。当機能によってフルレンジの音楽信号を高音と中低音とに分割し、そして分割されたそれぞれの信号をツイーターとミッドウーファーへと送り込む。そうすることで各スピーカーが得意な仕事に専念でき、結果、音楽をスムーズに再生できるようになるのだ。

ところでスピーカーを購入すると多くの場合、「パッシブクロスオーバーネットワーク」なるパーツが付属している。これもまた音楽信号を帯域分割するための装置だ。しかし現代カーオーディオではこれが使われないケースも多くなっている。これはパワーアンプの後段に置かれるのだが、それよりもパワーアンプの前段に「プロセッサー」を置いてその中で帯域分割を行った方が、音楽信号をより緻密にコントロールできるようになるからだ。ツイーター用の信号とミッドウーファー用の信号をあらかじめ分割できれば、他のサウンドチューニング機能をそれぞれに対して個別に運用できる。この点が重んじられて、パワーアンプの前段にて「クロスオーバー」機能が運用されることが多くなっている。

また、カーオーディオではスピーカーの取り付けコンディションが搭載するクルマごとで都度異なる。なので、信号の帯域分割のさせ方も、搭載車種の状況に合わせて設定した方が良い結果が得られやすくなる。そうすることで、スピーカーの性能を最大限引き出せるようになるのだ。それもあって「パッシブクロスオーバーネットワーク」ではなく、「プロセッサー」にて「クロスオーバー」がかけられることが多くなっているのだ。

今回は以上だ。次回以降は「クロスオーバー」機能を操作する上で理解しておくべき専門用語の意味を解説していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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