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中音には“楽曲構成音”が集中! ここのあしらい方で聴こえ方はどう変わる!?「サウンドチューニング」実践講座 Part2 イコライザー編 その10

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「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 5 枚写真をすべて見る

車室内空間は実は、音響的なコンディションがあまりよろしくない。しかし「サウンドチューニング機能」を活用するとその弊害への対処が可能となる。当連載では、その活用の仕方をガイドしている。今回も前回に引き続き、「イコライザー」設定のコツを解説していく。

ところで「イコライザー」は、周波数特性の乱れを整えるための機能でもあるのだが、音に味付けを加えることもできる。現在は、その具体的なテクニックを紹介している。

今回は、「中音域」のコントロールテクニックを紹介していく。「中音域」とは、お胸ね200Hzから2kHzあたりまでの帯域のことを指す場合が多い。

で、その中の800Hzあたりまでの帯域は、楽曲を構成する重要な帯域だ。というのも、主役を張るボーカルや、和音を演奏したりソロを取ったりする楽器の「基音」がたくさん含まれているからだ。

ちなみに「基音」とは、音程を決める成分のことを指す。そしてその「基音」に「倍音」と呼ばれる成分が乗って各楽器ならではの音色が作り出される。なお「倍音」は、「基音」の周波数に対して整数倍の周波数となっている。なので、「倍音」が多く響くのはもう少し上の音域となる。

さて、「中音域」の中にある「イコライザー」の各バンドのツマミを操作すると、音は以下のように変化する。まず、その中でも低い帯域(大体250Hzあたりから500Hzあたりまで)のバンドは、音楽全体の「厚み」への影響が大きい。そしてそこから上の帯域(500Hzあたりから1kHzあたりまで)は、音の明るさに与える影響が大きい。

というわけで「中音域」にあるバンドは、上げると量感が出たり張りが出たりする。あるいは、サウンドにパンチが効いてくる。逆に下げると量感が少なくなり、引っ込んだような音になりがちだ。

なお特に250Hzから少し上の帯域は、上げることで弦楽器の厚みが増してくる。逆に下げ気味にするとこもった感じが取れることもある。このあたりはシステムの完成度や、そして音源によっても変化の仕方が変わってくることもあるので、音をよく聴きながら好みに合わせて調整しよう。

また500Hz付近の帯域は、声や楽器の基本となる音が特に集中するので、上げると力強さが増してくる。

あと、800Hzから1.5kHzあたりまでの音域は、上げる方向で操作するとボーカルやメロディ楽器の臨場感が高まったり、ライブ音源ならば拍手や歓声を引き立てる効果も発揮する。

ただし、これらの効果が欲しいからといってすべてのバンドをむやみに上げるのはNGだ。そして部分的に上げるにしても、上げる幅は控えめにした方が良い。もともとの音との乖離を少なくできる。

あるいは、引き上げたいバンドの前後のバンドを下げてみると、上げることで得られる効果が現れることもある。このように“下げる”操作も積極的に使いたい。

今回は以上だ。次回は「高音域」の調整方法について解説していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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