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“Bluetooth”がカーオーディオの楽しみ方を変えた!? カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 4・アクセサリー編 第3回

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「Bluetooth」に対応した「FMトランスミッター」の一例(ケンウッド・CAX-BT20)。全 6 枚写真をすべて見る

カーオーディオを近寄りがたい存在にしている数々の専門用語。当連載では、それらを1つ1つ説明しながらカーオーディオの面白さを伝えようと試みている。今回は、車内で音楽を楽しむ際にも不可欠なものとなっている「Bluetooth」について解説していく。

カーディオでも「Bluetooth」は、もはや必須機能!

「Bluetooth(ブルートゥース)」は今や、生活の中のさまざまなシーンで活用されている。カーオーディオでも同様だ。カーオーディオではズバリ、スマホアプリの音楽を楽しもうとするときの必須機能となりつつある。

ということで、「Bluetooth」はすでに多くのドライバーに使われているのだが、これが何なのかを改めて解説しておこうと思う。そしてさらには、これを活用した便利な「アクセサリー」があるので、そちらも併せて紹介していく。

さてこれが何なのを簡単に言うなら、以下のとおりだ。「Bluetooth」とは、「デジタル機器が近距離で連携するための無線通信技術」だ。ただしWi-Fiのようにネットワークを築けるものではなく、基本的に1対1のやり取りで使われることを特徴としている。そしてリモコンの電波のように一方通行ではなく、相互通信であることも特長だ。

で、先述したようにカーオーディオでは、「Bluetooth」はメインユニットとスマートフォン等の外部音楽プレーヤーとのやり取りに使われている。ちなみにこれがメインユニットに搭載されるようになったのは2000年代の後半頃からだ(当初は「Bluetooth」ユニットが別体となっている場合もあった)。iPodが普及した以降、携帯音楽プレーヤー等を車内でも楽しみたいというニーズが伸長し、それらとメインユニットとを繋ぐ1つの手段として徐々に対応が進んでいったのだ。

ちなみに「Bluetooth」にはバージョンがあり、世代によってできることが変わってきた。そして、音楽データをやり取りする場合の音質性能も、世代によって進化してきた。つまり当初は、音質的には有線接続と比べて劣勢だったがその部分も年月の経過とともに良化し、結果、カーオーディオでの普及率も高まっていく。そして今では音質面でのビハインドはほぼなく、中にはハイレゾ音源の送信までも行えるものまで登場している。そしてその存在感は、今後もますます高まっていくはずだ。

「Bluetooth」接続されているときのメインユニットの表示例(カロッツェリア・DMH-SF700)。

「Bluetooth」接続なら、音楽系アプリの主要操作を車載機側でも実行可能に!

続いては、カーオーディオにおいて「Bluetooth」が使いやすいポイントを紹介していこう。まずは、スマホをワイヤレスで繋げられることが利点なのだが、その接続作業を都度行わなくて良いことも大きなメリットとなっている。最初の1度は「ペアリング」作業が必要だが、それさえしておけば、クルマに乗り込めば即、接続が完了される。しかもスマホはポケットに入れたままでOKだ。

そして相互通信なので、スマホ内のアプリの主要な操作を車載機側でも行える。ここのところも大きな利点だ。例えば「AUX端子(外部音声入力端子)」とスマホのヘッドフォン端子とを「ピンケーブル(ケーブルの両端にピンジャックが備えられているケーブル)」で接続する場合には、選曲等の操作はスマホ側で行うしかない。となると走行中の操作はほぼ不可能だ。

しかし「Bluetooth」接続の場合は曲送り等を車載機側で行える。結果、ステアリングリモコンが使える場合も多く、そうであれば運転中でも曲送り等を手元を見ずして行える。

ちなみにiPhoneについてはほとんどのメインユニットが、「USBケーブル」にて接続する場合、ミュージックアプリの主要操作を車載機側でも行える。しかし、「ミュージックアプリ」以外の例えば「ストリーミングアプリ」は、そのような使い方ができない。なぜならば車載機はiPhoneの「ミュージックアプリ」をiPodとして認識しているにすぎないからだ。車載機におけるiPhone連携はつまりは、iPod連携なのである。ゆえに「ストリーミングアプリ」はUSB接続では連携しないのだ。

しかし「Bluetooth」接続では、「ストリーミングアプリ」も相互通信できる。利便性はすこぶる高い。

「Bluetooth」に対応した「FMトランスミッター」の一例(オーディオテクニカ・AT-FMR5BT)。

愛用のメインユニットが「Bluetooth」に対応していない場合には…。

かくして今や、車載機器の「Bluetooth」対応率はかなり高まっている。かつては上級機にしか搭載されていなかったが、今やベーシック機にも対応が広がっている。ただし、現在でもすべての機種が対応しているわけではないので、例えばAV一体型ナビを買い換えようとする際に「Bluetooth」接続を望むのなら、特にベーシック機を物色する際には対応の可否の確認はマストだ。

なお、もしも愛用のAV一体型ナビが「Bluetooth」に対応していない場合、この際ならば最新の機種に買い替えるのも1つの手だ。最新機種であれば廉価なモデルでも「Bluetooth」に対応しているばかりかその他の部分でも使い勝手が高まっている。例えば5年くらい前の機種と比べて画面がキレイになっていたり、操作レスポンスが速くなっていたりする。地図が古くなっている場合にはなおさら、最新機種に換えるとドライブの快適性が一気に高まる。

また、「Bluetooth」の利点のみを簡単に加えられる「アクセサリー」を導入するのもアリだ。例えばケンウッドでは、「Bluetooth」に対応した「FMトランスミッター」をリリースしている。「FMトランスミッター」とは、スマホ等の外部機器の音楽信号を入力しそれをFM電波でメインユニットに送信するアイテムだ。つまり、メインユニットに外部音声入力端子が備わっていなくても外部機器の音楽を聴けるようになる。

ちなみに「FMトランスミッター」は、メインユニットに「AUX端子」や「USB端子」の装備が進み一時期使われる機会が減ったのだが、「Bluetooth」時代となり再び用いられるようになってきた。ケンウッドのアイテムのような「Bluetooth」に対応するモデルが登場し、そうであればメインユニットが「Bluetooth」メカを搭載していなくてもスマホのワイヤレス接続が可能となる。スマホとこれが「Bluetooth」で繋がり、これとメインユニットがFM電波で繋がるからだ。

さらにはオーディオテクニカも「Bluetooth」に対応した「FMトランスミッター」をリリースしている。なお同社のモデルは、スマホアプリの主要操作を本体で直感的に操作できることも特長としている。これも「Bluetooth」だからこその機能だ。さらに外部音声出力端子も備えているので、音にこだわる場合には本体とメインユニットを有線接続しても良い。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオにおいての専門用語解説を続行する。乞うご期待。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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