高音質はもちろん自分なりのテーマを持ってインストールや音調整を実施してきたゆういちさん。今回、愛車のプリウスで実践したのは外部アンプならではのサウンドの再現だった。静岡県のレジェーラが手がけたインストールも見事に決まった。
バッテリーからの距離を最短にするため
パワーアンプの設置場所をシート下に集中
以前はあえて内蔵アンプを使って高音質を狙うという実験的なシステムを試していたゆういちさん。今回のプリウスのシステムでは外部アンプを積極的に使用して、外部アンプでしか出せない音を追求するのがテーマとなった。
インストール面で見どころとなったのはすべてのパワーアンプをフロントシート(運転席&助手席)の下に納め点だろう。オーナーに理由を聞いたところ「エンジンルームのバッテリーからの距離を最短にすることでパフォーマンスをフルに発揮したい」とのこと。さらに大径のパワーケーブルを用いて電源部のロスは徹底して低減させる作戦を実践している。
フロント3ウェイ用に用いるのはARCオーディオのARC1000.6。助手席シート下に二段構造のアンプラックを組み、フロア側にARCのパワーアンプをインストールしている。しかもこの位置には純正ダクトが通っているのでパワーアンプを斜めに設置することで純正機能を損なわない作りとする。さらにラックの上段にはオーディオテクニカのDACであるAT-HRD500とプラグ&プレイDSPをインストール。複数のユニットをコンパクトにまとめてインストールしている。
一方の運転席下にはサブウーファーをドライブするグラウンドゼロのGZUA4.150 SQ-PLUSをインストール。こちらはスペース的にも余裕があり、シート下の形状に合わせてピタリとセットしている。
グランドゼロのアンプをブリッジ接続し
サブウーファーをパワフルにドライブ
サブウーファーにはカロッツェリアのTS-W252PRSをチョイス。ラゲッジにエンクロージャーを設置して十分な容量で設計している。先にも紹介したグラウンドゼロのパワーアンプをブリッジ接続してパワフルにドライブする。余裕のパワーでサブウーファーを駆動することで豊かな低音を再生している。
後編で紹介するフロントスピーカーにはモレルのマキシモ3ウェイをチョイスしているが、サウンド面での統一感を考えてもオーナーのフィーリングに合ったセレクトとなった。
さらに外部アンプの音を引き出すというテーマからもサブウーファーの鳴りっぷりを存分に引き出してくれるグラウンドゼロのパワーアンプとのコンビネーションは狙い通りだったと言えるだろう。
単体DSPやDACなどをシート下に
凝縮インストールするコンパクト設計
プロセッサーに用いたのはプラグ&プレイDSP。ビーウィズのサブ・ブランドであるプラグ&プレイの単体DSPであるこのモデル、8チャンネルのラインレベル出力を備えるシステム汎用性の高いDSPだ。先ほども紹介した通り、本体は助手席下に作り付けたラックに設置。本体もコンパクトなのでこのような取り付けが可能になった。小型のコントローラーはダッシュまわりに設置し、メインボリュームやソース切り替えなどをコントロールできるシステムとした。
また音楽ソースはサイバーナビに加えてウォークマンのA55を用いる。ウォークマンによるデジタル音源からサイバーナビ(通信利用)を使ったストリーミングまで、使い勝手の良い現代流の音源管理をしているのもオーナーのこだわりポイントのひとつだ。
オーディオのインストールに確たるテーマを持って製作しているオーナー。その都度サウンドの完成度を確認しながら少しずつレベルアップを図っているという。後編ではこだわりのチョイスを実施したフロントスピーカー群を見ていくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》