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追求するほど楽しさ倍増! カーオーディオの“こだわりポイント”を大解説 Part6 ケーブル編 その4 ラインケーブルにこだわる!

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ラインケーブルの一例(オーディオテクニカ)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオをより深く楽しもうとするならば、さまざまな部分にこだわりを注ぐべきだ。当特集では、その1つ1つを解説してきた。現在は「ケーブル」をテーマに展開している。今回は特集の最終回として、「ラインケーブル」について考えていく。

「ラインケーブル」は1本でプラス電流とマイナス電流の両方を流せる!

さて、ケーブル編の第1回目で全般的な解説をする中で「ラインケーブル」に関しては多少詳しく触れたので、まずはそのおさらいをしておきたい。

「ラインケーブル」とは、パワーアンプで増幅する前の微弱な状態の音楽信号を伝送するためのケーブルだ。なお、メーカーによって呼び名が異なっている。「オーディオケーブル」、「RCAケーブル」、「インターコネクトケーブル」と呼ばれることもある。

ちなみに「RCAケーブル」の“RCA”とは、プラグのタイプの名称だ。「ラインケーブル」は他のケーブルと異なり、ケーブルの両端にプラグが装着され製品となっている場合がほとんどだ。で、そのプラグには本来さまざまなタイプがあるのだが、カーオーディオではこの“RCAタイプ”が使われることが圧倒的に多い。なぜなら、カーオーディオの各機器ではパワーアンプで増幅される前の音楽信号を入出力する端子が“RCA”タイプとなっていることがほとんどだからだ。なのでカーオーディオでは、「ラインケーブル」が「RCAケーブル」とも呼ばれることが多くなっている。

なおこの“RCAプラグ”は、中心に突起がありさらにその周囲に丸形の接点パーツが備えられている。なぜにこのような形となっているのかというと、「ラインケーブル」は1本のケーブルでプラス電流とマイナス電流の両方を伝送できるようになっているからだ。ケーブルを切断して中身を見ると、中央にプラス電流を流すための導体がありその周囲に絶縁隊を介してマイナス電流を通す導体が巻き付けられている。なのでプラグも、プラス電流用の接点とマイナス電流用の接点の両方が必要となる。中央の突起がプラス側の接点で、丸形の金属部分がマイナス側の接点だ。

ラインケーブルの一例(M&Mデザイン)。

「ラインケーブル」は構造が複雑な分、工夫が凝らされた高級品も多々存在!

このように「ラインケーブル」は、他のケーブルと比べて作りが複雑なので、製造上のこだわりポイントも多くなり、結果、超高級品も多々存在している。導体の素材にこだわりが注がれるのはもちろん、被膜の構造と素材、さらにはプラグの構造や素材にもさまざまな工夫が凝らされる。なので、他のケーブルと比べてエントリーモデルとハイグレードモデルとの価格差も、一層開きがちとなっている。

そのようにさまざまな工夫が凝らされるのは、そうすることで得られる結果も大きいからだ。「ラインケーブル」を流れる音楽信号は微弱な状態なので、伝送中の劣化もしやすく、さらには外来ノイズの影響も受けやすい。つまりよりデリケートなので手厚く保護する必要性も高い。ゆえに、工夫の余地も大きくあるのだ。

なので他のケーブルと同等に、あるいは他のケーブル以上に、チョイスにおいてもこだわりを注ぐべきでもある。

なお、運用上でもさまざまなこだわりポイントが存在している。先述したように、「ラインケーブル」を流れる音楽信号はか弱いので、引き回し作業にも細心の注意が必要となるのだ。

引き回しにおいての注意点としてまず挙げるべきは、「電源系の配線と並べないこと」だ。例えばパワーアンプのパワーケーブルと同じルートに通すことはできれば避けたい。またやむを得ず同ルートを通す場合には、それと束ねて引き回されることは滅多にない。同じルートを通すしかない場合でも、できるだけ間を開けて固定されることとなる。

ラインケーブルの一例(チェルノフケーブル)。

プロセッサーとパワーアンプとを“近接配置”させることもポイントの1つ!

また、「大きく曲げないこと」もセオリーだ。カーオーディオ・プロショップでワイヤリング作業が行われる場合には、ケーブル類をカーブさせるときにはできる限り緩やかに曲げるように注意が払われる。ケーブルに過度なストレスを与えると、電気の流れに良くない影響が出かねない。そして「ラインケーブル」では特に、そのような弊害が出やすい。

さらにもう1点、「機器を近接配置すること」も大切だ。メインユニットからパワーアンプまでの距離、またはプロセッサーからパワーアンプまでの距離が長くなると長いケーブルが必要となりコストがかさむ。また、伝送中のダメージも受けやすくなる。なのでそうなりにくいように、各機器が近くに取り付けられることが多くなっている。もちろんメインユニットはセンタークラスターパネル内にがあり、パワーアンプはトランクに積むしかないという場合にはある程度長い「ラインケーブル」を用いるしかないが、そうならないように敢えて小型のパワーアンプを選びシート下に設置するというのも1つの選択肢となる。場合によっては超小型のパワーアンプを選びグローブボックス内に設置する、という作戦が選択されることもある。

そしてプロセッサーを導入する場合には、それとパワーアンプを並べてインストールするのが基本形となる。プロセッサーとパワーアンプの両方をシート下に設置したり、また将来的に大型のパワーアンプを導入する予定があるのなら最初から両方ともトランクに積んでおくのも1つの手だ。そうすればプロセッサーを後から移動させずに済む。

とにもかくにも、ケーブルに何を使うか、どのように引き回すかも、音への影響が大きい。そこにも大いにこだわると、カーオーディオはもっと楽しくなる。参考にしてほしい。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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