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追求するほど楽しさ倍増! カーオーディオの“こだわりポイント”を大解説 Part5 サブウーファー編 その3 “ボックス”にこだわる!

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ユニットサブウーファーの一例(フォーカル・E 30 KX)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオにはこだわるべきポイントが多々ある。当特集では、それらを1つ1つクローズアップし研究している。現在は「サブウーファー」を導入しようとするときの追求すべきポイントを掘り下げている。今回は、“サブウーファーボックス”について考察する。

まずは「箱載せタイプ」か「埋め込みタイプ」かを決めるベシ!

カーオーディオでは、超低音の再生を担当するサブウーファーが活躍する。なぜなら、ドアスピーカーはサイズ的に低音再生能力に限界があり、さらには走行して発生する“ロードノイズ”によっても低音が聴こえにくくなるからだ。

で、これまではそのサブウーファーをより手軽に導入する方法について考えてきたが、今回からはより本格的な導入方法について考察していく。

本格的な導入方法とは、「ユニットサブウーファーを使う」というものだ。ユニットサブウーファーとは、スピーカーユニットが単体で売られているもののことを指す。つまり、これにて超低音を再生しようとするときには、この他にサブウーファーボックスとパワーアンプを別途用意する必要がある。

ゆえに導入の難易度は高くなるのだが、得られる満足度も相応に高まる。どんな箱を用意しどんなパワーアンプを組み合わせるかにこだわれるので、理想と思い描く超低音を手にしやすくなる。そこが、ユニットサブウーファーを使う醍醐味だ。

さて、まず今回はサブウーファーボックスに関するこだわりポイントを解説していこうと思う。

最初に、搭載スタイルについて説明したい。サブウーファーボックスは、搭載スタイル的に2タイプに分類できる。1つは「箱載せタイプ」でもう1つは「埋め込みタイプ」だ。どのようなボックスを用意すべきかを検討する際には第一に、そのどちらにするかを考えよう。

ちなみに、比較的にコストが掛かりにくいのは前者だ。しかし、トランクの積載性に影響が出ることが不利点となる。対して後者はコストは掛かりがちにはなるもの、すっきりとした取り付けが行える。

ユニットサブウーファーの搭載例(ダイヤトーンデモカー)。

「シールド型」のボックスでは、締まった低音を出しやすい!?

搭載スタイルを考えた次には、構造について考えよう。実をいうとサブウーファーボックスにはさまざまな構造が有り得ているのだが、現代カーオーディオでは以下の2つのうちのどちらかがセレクトされることがほとんどだ。1つは「シールド型」でもう1つが「バスレフ型」だ。

それぞれにはどのような特徴があるのかを説明していこう。まず「シールド型」とは、ボックスが密閉式になっているもののことを指す。つまり当タイプのボックスでは、サブウーファーを取り付けた後には箱の中の空気は外部の空気と完全に遮断されることとなる。結果、サブウーファーユニットの裏側から放たれる音を、ボックス内に完全に閉じ込められる。

そして、内部の空気のサスペンション的な効果も大きくなる。なので箱を設計する際には、そのサスペンション効果をどの程度活用するかを考える必要性が生じる。小さめの箱に仕上げるとよりサスペンションが効いて振動板を止めやすくので、締まった低音を出しやすくなる。ただし、サスペンション効果が大き過ぎるとそれが負担となるので、そこのところは使用するサブウーファーユニットの特性を見ながらほど良いところを見つけ出したい。逆に大きめに作るとゆったりと鳴らせるようになるので、伸びやかな低音を出しやすくなる。

なお「シールド型」は、比較的にボックスをコンパクトに仕上げやすい。そして比較的に設計的な難易度も高くない。この2つの利点が好感されて、「シールド型」の方が選ばれることが多くなっている。主流はこちらだ。

ユニットサブウーファーの一例(モレル・ウルティモSC)。

「バスレフ型」のボックスでは、超低音の増強が可能!?

対して「バスレフ型」とは、ポートとかダクトと呼ばれる穴が空いていて、そこからサブウーファーユニットの裏側から発せられる音を放出するような仕組みが取られているもののことを指す。なお裏側から発せられる音をそのまま出すと表側の音との“打ち消し合い(キャンセリング)”が起こってしまうので、位相を反転してから放出されることとなる。

位相とは、「音波のタイミング」だとイメージしてほしい。表側の音波が0度を起点としていたとしたら、その瞬間の裏側の音波は180度ズレたところが起点となる。このように表側の音と裏側の音は、音波として常に真逆の関係になっている。そしてこの音波として真逆の音が空気中で交じり合うと、互いを打ち消し合ってしまうのだ。しかし位相を反転させてから放出すると(音波のタイミングを同一にしてから放出すると)、打ち消し合いが起こらないばかりか低音の増強も行える。

なお表側に放出させる音の周波数は、設計上でコントロールできる。つまり、超低音の増強の仕方を変えられる。ここのところが「バスレフ型」の最大の利点と言って良い。狙った音を出しやすくなるのだ。

また「バスレフ型」は、「シールド型」と比べるとエアサスペンションの効き目は緩やかになるので、その分伸びやかな低音を出しやすくもなる。ただし、設計の難易度は高まる。つまり失敗する可能性も少なからず高くなる。

また、ボックスが大型化する傾向もある。ユニットサブウーファーのカタログを見るとボックスの推奨容量が記載されていることが多いが、「シールド型」よりも「バスレフ型」の推奨容量の方が大きくなるのが一般的だ。ゆえに、トランクルームの積載性への影響も大きくなる。この点は、不利要因として捉えられることが多い。

というようなそれぞれの特徴を鑑みて、どちらのタイプにするのかを総合的に検討しよう。そこのところをあれこれと悩むところもまた、ユニットサブウーファーを使うときの楽しみどころだ。

今回は以上だ。次回もユニットサブウーファーを用いる際のこだわりポイントの解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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