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追求するほど楽しさ倍増! カーオーディオの“こだわりポイント”を大解説 Part5 サブウーファー編 その2 “手軽さ”と“高音質”を両得!

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“大型・薄型”のパワードサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX70DA)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオをより深く楽しもうとすればするほど、さまざまな部分にこだわりたくなる。当特集ではその1つ1つを解説している。現在はサブウーファーの導入に関する事項を掘り下げている。今回は、“手軽さ”と“高音質”の両方を同時に得る方法について説明していく。

もう1ランク上の重低音を得たいと思うのなら…。

前回は主に、“小型・薄型”のパワードサブウーファーを導入することについて解説した。そこで説明したとおり、“手軽さ”にこだわるのなら、“小型・薄型”のパワードサブウーファーがアドバンテージを発揮する。ただし、より重く深い低音を得たいと思う場合、“小型・薄型”のパワードサブウーファーでは物足りなさを覚えることもある。

なぜならば“小型・薄型”のパワードサブウーフアーは構造上サブウーファーユニットの振動板のストローク量が少ないので、どうしても震わせられる空気の量が少なめにならざるを得ない。結果、体の芯に響くような重低音の再生はあまり得意ではなかったり、最低音までをスムーズに鳴らしにくい場合も少なからずある。なので、そのような重低音を得たいと思うのならやはり、振動板をしっかりとストロークさせられるタイプのサブウーファーを使った方が有利だ。

とはいえ、単体のサブウーファーユニットを用いる方法の実行は簡単ではない。サブウーファーボックスとパワーアンプを別途用意しなくてはならず、コストも手間も掛かりがちとなるからだ。

しかし、本格的な低音をより少ないコストと手間で手にする方法もないわけではない。その具体策を1つ1つ紹介していこう。

まずは、「“大型・薄型”のパワードサブウーファー”を導入する」という作戦が有り得ている。例えばカロッツェリアの『TS-WX70DA』(税抜価格:3万9000円)がその好例だ。当機は薄型ではあるものの筐体が大きい。ゆえにシート下への装着は不可能だが、その分より迫力のある低音を出しやすくなっている。

なお、筐体の上に荷物を置くことが可能なので、積載性への影響度も実はそれほど大きくない。リーズナブルな“小型・薄型”のパワードサブウーファーより価格は少々高くはなるが、低音の鳴り方にこだわるのなら、このようなタイプの製品にもぜひご注目を。

“大型”のパワードサブウーファーの一例(ケンウッド・KSC-SW40)。

“大型”のパワードサブウーファーも実は、積載性への影響は限定的!?

続いては2つ目の選択肢を紹介しよう。それは「“大型”のパワードサブウーファーを導入する」という作戦だ。例えばケンウッドの『KSC-SW40』(税抜価格:4万円)がそれに該当する。

なお当機は、ボックスが大きくサブウーファーユニットもしっかりとストロークするタイプのモデルなのだが、サブウーファーユニットを下向きにしても設置できる「ダウンファイヤリング方式」が採用されているので、本機の上に荷物を載せられる。

ちなみに下向きに設置した場合、サブウーファーユニットから放たれた音はトランクフロアにて反射するので、それによる低音の増強効果も得られる。つまり「ダウンファイヤリング方式」は、音質性能的にも利がある。なお当方式が採用されたモデルは他にもいくつかあるので、興味があれば探してみよう。

で、当機は、“大型”とは言ってもボックスの厚みは15cmしかない。なのでタテにして置いたときでもトランクの積載性への影響は実は、案外限定的だ。

このように“大型”のパワードサブウーファーのボックスは、ある程度薄く作られている場合が多い。他では例えばカロッツェリアの『TS-WX1010A』(税抜価格:3万円)では、横幅は45cmあるもののボックスの厚みは下側が23.8cmで上側は19.1cmだ。

また当機の場合は、価格的にもリーズナブルだ。“小型・薄型”の製品の中にも当機よりも価格的にハイグレードなモデルは多くある。低音の鳴り方と低コストの両得を目指そうとするときには、“大型”のパワードサブウーファーにも注目しよう。

既製サブウーファーボックスの一例(イースサウンドシステム・ASB-100L)。

パワードサブウーファーではなくても、質とコストを両得できる作戦が存在!?

さらには、「パワードサブウーファーからパワーアンプを取り除いたタイプの製品を使う」という選択肢も存在している。ちなみにそういったタイプの製品は、ボックスサブウーファーとかコンプリートウーファーボックスと呼ばれているのだが、低音の鳴り方とコストにこだわろうとするときには、このようなタイプの製品にも妙味が出てくる。

というのも、このタイプの製品も導入コストを抑え目にできる場合が案外多い。外部パワーアンプを別途用意しなくてはならないのでその部分でコストアップすることになるのだが、最近はリーズナブルな外部パワーアンプの中にも性能的にあなどれないモデルは多く、特にサブウーファーのドライブに向いたD級パワーアンプの中にコストパフォーマンスに優れたモデルが増えている。そのようなモデルをチョイスすれば、コスト的なハードルをある程度は下げられる。

また、4chパワーアンプを導入してフロントスピーカーも併せて外部パワーアンプで鳴らす、というような方法を選択するのもアリだ。この際なのでシステム全体の底上げを合理的に実行しても面白い。

そして最後にもう1つ、別のアプローチを紹介しておこう。それは、「既製のサブウーファーボックスを活用する」という方法だ。これはつまり、単体のユニットサブウーファーを購入する際の選択肢となるのだが、そのときにそれに組み合わせるボックスをワンオフするのではなく出来合いの箱を用いると、総コストの縮小化を図れる。

ところで、既製のボックスも実用上十分な性能が確保されているのだが、実は後からの物理的なチューニングも実行可能だ。例えばボックスの各面にボードを貼り合わせて強度を上げたり、固定方法を見直すことでも鳴り方を変えられたりもする。お手軽なだけでなく、後からいろいろと工夫を凝らして一層音を成長させることも可能だ。このような楽しみ方があることも、ぜひ覚えておいていただきたい。

さて次回も、サブウーファーを使う際のこだわりポイントの解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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