2012年5月よりデリバリーが開始された、アコースティックマテリアルブランド『StP』(エスティーピー)。日本初上陸より約半年が経過し、日に日に注目度が上昇している。
そんな折、11月中旬、StP社セールス & テクニカルディレクターのアンドリュー・シュチコフ氏が来日しているというニュースがマイカーライフ編集部に飛び込んできた。さっそくインタビュー取材を敢行、さらには施工実験まで行ってきた。『StP』のスゴさの秘密は何なのか…。4週にわたってレポートをお届けしていく。
インタビューの掲載に先立ち、まずは『StP』とはそもそもどのようなブランドなのか、というところからおさらいしておきたい。
ロシアのメーカーであること。自動車分野に向けたアコースティックマテリアル(防振材や吸音材、断熱材等)を集中して研究開発しているメーカーであること。設立は1996年、前身は1979年から始められたソ連軍用規格に向けての研究開発機関であること。これらが当初から発表されていた『StP』についての概要だ。
以上の事実関係に中には、『StP』が相当な実力ブランドあることが集約されている。まずは、製品の研究開発も自社で行っている、ということが1つめのポイント。しかも、自動車分野に関する開発を集中的に行っているブランドである、ということが2つめのポイントだ。これらから『StP』が、カー用の素材開発に真剣に、そしてプライドを持って取り組んでいるブランドである、ということが伺い知れる。
そして最大のポイントは、そもそも『StP』はソ連の国家的機関であった、というところ。1991年のソ連崩壊により、国家的技術が民生用に生かされることになった、というのが『StP』の設立ストーリー。技術力の高さ、人材の確かさに、疑いを持つ余地はない。
確かなバックボーンに裏打ちされた『StP』の製品群。ラインナップは幅広い。これは、『StP』がさまざまな素材に対してノウハウを持っていることの証明でもある。ひと口にクルマの制振、防音といっても、施工場所によってアプローチを変えるべきであり、また、抑えたい振動や騒音のタイプによっても、素材を変えて臨んだほうがベターだ。『StP』ならそれが可能だ。さらには、『StP』の製品の多くは、素材を複合的に用いている。これにより、それぞれの製品が発揮する効果をより確実にし、そして、総合的な効果を得ようとしているのだ。これも、高性能な製品に仕上げるためのこだわりだ。
バックボーンをみても、ラインナップが幅広いことをみても、『StP』が伝統と信頼のブランドであることが良くわかる。
次回は、アンドリュー氏へのインタビューを通して、『StP』のスゴさを、より具体的に解説していこうと思う。乞うご期待。
《text:太田祥三》