現代カーオーディオでは、音を極めようとするときには「サウンドチューニング機能」を使いこなせるか否かもポイントとなる。なおその設定はプロに任せた方が無難だが、それと並行して自分でやっても楽しめる。当連載では、そのやり方を解説している。
現在は、「サウンドチューニング」が上手くなるための総合的なコツや心得を説明している。今回は、設定順序について解説する。
さて、高機能な「プロセッサー」には以下のような3つの機能が搭載されている。「クロスオーバー」「タイムアライメント」「イコライザー」、これらだ。
で、この3つはどのような順序で設定していく良いのかというと…。
さまざまな考え方があるので一概には言えないが、以下の順序で行うとやりやすいはずだ。
まずは「タイムアライメント」を仮設定しよう。リスナーから各スピーカーまでの距離を測り、その実測値を入力すれば仮設定を完了できる。そして各スピーカーの音量バランスもある程度整える。
そしてその次には「クロスオーバー」を煮詰めたい。そうすると「位相」も整えられる。そしてその上でもう1度「タイムアライメント」に戻り、同機能を煮詰めよう。
で、「イコライザー」はその後に行いたい。その理由は以下のとおりだ。
まず、「タイムアライメント」の設定では各スピーカーとリスナーとの距離を擬似的に等しくすることが目指されるわけだが、それを行うのと同時に各スピーカーの音量バランスを整えることも必要となる。「イコライザー」は、その設定が終わった後からやった方が上手くいきやすい。まずは大枠の音量バランスが整った後から操作した方が良いからだ。逆に「イコライザー」から先に設定すると、細部を煮詰めた後から大枠を整えるという形になる。この図式はあまり良くない。
「クロスオーバー」でも各スピーカーが放つ音のバランスを整えることがキモとなるので、「イコライザー」の設定はそれが終わってからやった方が良い。ここでも大枠を整えることの方を優先すべきだからだ。
なお、「イコライザー」の設定をした後にも、「タイムアライメント」と「クロスオーバー」の設定も再確認したい。「イコライザー」の設定が、他の設定に影響を及ぼすこともあるからだ。
今回は以上だ。次回も「サウンドチューニング」の上達法について説明する。お楽しみに。
《text:太田祥三》