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「スロープ」を変えると「位相」が回る!?[詳説 プロセッサー活用術]第3章「クロスオーバー編」その16

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「クロスオーバー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 1 枚写真をすべて見る

カーオーディオでは、サウンドチューニング機能を搭載したメカである「プロセッサー」が活躍する。車内には音響的な不利要因がいくつかあり、それらへの対処が良い音を得るための鍵の1つとなるからだ。当連載では、その設定方法を解説している。

現在は、複数のスピーカーユニットで音楽を再生しようとするときに、それらの役割分担を設定する機能である「クロスオーバー」の扱い方を解説している。そしてここ数回にわたっては、「位相」の合わせ方を紹介している。今回は、その“微調整”の仕方を説明する。

さて、ツイーターとミッドウーファーに対して「クロスオーバー」をかけるとき、「クロスポイント」付近の帯域の音はツイーターからもミッドウーファーからも聴こえてくる。このように同じ音が複数のスピーカーから聴こえてくるときには、それらの音の「位相(音波のタイミング)」が揃わないとサウンドが上手く繫がらない。で、それを合わせるためには「位相切替スイッチ」を操作し、その「正・逆」を切り替えてサウンドの一体感が高い方を選択すれば良いのだが……。

しかしながら、「正・逆」を切り替えても聴こえ方に大きな変化が現れないこともある。そんなときには「スロープ」を変えてみると、状況を変えられる場合が多い。

ちなみに「位相切替スイッチ」の「正・逆」を切り替えると、「音波のタイミング」が180度入れ替わる。つまり「音波のタイミング」がひっくり返るというわけだ。しかしそもそも「位相」がどっち付かずの状態である場合には、ひっくり返したところでもどっち付かずの状態からは脱却できない。

なのでそんなときには「スロープ」を1段階変えてみよう。そうすると「音波のタイミング」が90度変化する。例えば仮設定でツイーターの「スロープ」を「マイナス12dB/oct」に設定していたら、それを「マイナス18dB/oct」へと1段階進めるとツイーターの位相が90度回るので、その状態にて「正・逆」を切り替えてみると音の迫って来る感じに明らかな違いが現れることがある。そうなったらしめたものだ。音の迫って来る感じが強い方に設定すれば「位相合わせ」を完了できる。

または、ツイーターの「スロープ」を「マイナス18dB/oct」に仮設定してあった場合には、それを「マイナス12dB/oct」に戻してみよう。その上で音を聴きながら「位相切替スイッチ」の「正・逆」を切り替えてみよう。

なお「スロープ」の変更は、ツイーターかミッドウーファーのどちらかで行えばOKだ。そこのところはお忘れなきように。

今回は以上だ。次回は「位相」が合ったあとの「クロスオーバー」の整え方を説明していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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