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まずはツイーターの能力の限界を見極めるベシ![詳説 プロセッサー活用術]第3章「クロスオーバー編」その12

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「ツイーター」の取り付け位置の一例。全 1 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムの最終的な音質を上げるためには、サウンドチューニング機能を搭載した「プロセッサー」を使いこなせるか否かもカギとなる。なおその設定はプロに任せた方が安心だが、自分でやっても楽しめる。当連載では、その操作方法を解説している。

現在は、マルチウェイスピーカーの再生範囲の割り振りを決める機能である「クロスオーバー」の設定方法を紹介している。前回は、2ウェイスピーカーを使う際に「クロスオーバー」設定が必要となる理由を説明したが、それに引き続いて今回からは、その設定手順をお教えしていく。

ところでここでは、「ツイーターに可能な限り広い帯域を担当させる」という考え方に即した設定方法を解説していく。

なお「クロスオーバー」の設定においてはいろいろな考え方があるので、どれがベストなのかは一概には言えないが、この考え方にもメリットがある。それは主には2つある。1つは、「目の前から聴こえてくる情報が増えること」だ。ミッドウーファーは足元に付いているので、そこから多くの情報を得るよりも、高い位置、さらには自分と正対できるスピーカーからたくさんの情報を得られた方がサウンドステージが目の前で展開しやすくなる。

そして2つ目の利点は「ミッドウーファーの負担を減らせること」だ。2ウェイではどうしてもミッドウーファーは広い範囲を受け持つこととなるが、ミッドウーファーは高音の再生はあまり得意ではない。なので可能なかぎり高域側の担当範囲は狭めたい。そうした方が良い仕事を遂行しやすくなる。

とはいっても、ツイーターに無理をさせるのはNGだ。なのでまずはツイーターがスムーズに再生できる低域側の限界を見極める作業を行おう。そしてそこを把握して、それ以上の仕事はさせないように設定したい。

では、どうやってツイーターの再生能力を見極めれば良いのかというと……。

まずは助手席側のスピーカーと運転席側のミッドウーファーはミュートして、運転席側のツイーターからしか音が出ないようにする。そして「スロープ」は仮で、マイナス12dB/octかマイナス18dB/octに設定しておく。その上で、ツイーターの「カットオフ周波数(再生範囲の下限)」を徐々に下げながら、ツイーターが発する音に耳を傾ける。

なお、大きく下げすぎるとツイーターが破損してしまうので、くれぐれもご注意を。なので設定作業を開始する前に取説等で付属のパッシブクロスオーバーネットワークの「クロスポイント」を確認しておこう。そこを超えて「カットオフ周波数」を下げる場合には注意が必要だ。そこからは大きく下げない方が安全だ。

今回はここまでとさせていただく。次回は、どのようにツイーターの能力の限界を見極めれば良いのかを説明する。次回の当記事も、お読み逃しのなきように。

《text:太田祥三》

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