ホームオーディオの音を車内で再現することをテーマにした須田山さん。超ド級のパワーアンプをシステムに組み込んで、追求するサウンドをレクサスRXで表現することにした。青森県のingraphがサウンド&インストール面で全面バックアップを果たしている。
ホームオーディオで体感した空間表現を
車内で再現するためにハイエンドシステムを投入
レベルの高いオーディオシステムを追求し続けてきた須田山さん。このクルマを作る際に掲げたテーマは「ホームオーディオを聴いているような空間」を車内に再現することだった。
オーナーはホームオーディオにも造詣が深く、マジコやソナス・ファベールなどの数々の一流ホームオーディオにも触れ、ホームでとびきりの高音質を体感してきた。
そんな経験を生かしてお気に入りの音の傾向をカーオーディオにフィードバックするべく作り上げたのがレクサスRXだった。音の空間表現を大切にしてステージ感を高めるのが狙い。また繊細でありつつ図太いサウンドを聴かせるスピーカーをはじめとしたシステムデザインにも注力した。
インストール面で見どころとなったのはラゲッジだ。クワトロリゴの超ド級パワーアンプであるデシデリオを2台インストール(ミッドバス、ミッドレンジを駆動)、さらにプレステジオ(ツイーターを駆動)、ヘリテージツー(サブウーファーを駆動)をインストール。特にラゲッジをかさ上げしてラゲッジにフラットインストールされるデシデリオとプレステジオの存在感は圧巻。あえてこれらのパワーアンプが映えるようにデザインしたのもこだわりだった。
超ド級のパワーアンプが燦然と輝くラゲッジ
極上サウンドに加えてデザイン性の高さも抜群
ラゲッジのデザインの中心となっているのは間違いなくクワトロリゴの超ハイエンド・パワーアンプであるデシデリオだ。ラゲッジ前方のスペースをボディ幅いっぱいに使って2台を横に並べてレイアウト。音の良さはもちろん、オーナーが気に入ったのはその音色、そしてツヤのある高品質な音だった。また工芸品を思わせるイタリアン・デザインでラゲッジを華やかにショーアップしているのも見どころ。オーナーが言う「パワーアンプが映えるラゲッジデザインをオーダーした」というだけに、そのインストールスタイルは圧巻だ。
またツイーター用に用意されるのはクワトロリゴのハイエンドなA級アンプであるプレステジオ。こちらもユニットのデザインを美しく見せるようにインストールされているのが特徴。虚飾を排してパワーアンプの造形の美しさをストレートに見せるシンプルなインストールデザインが印象的な取り付けだ。
ラゲッジのもうひとつのアイキャッチになっているのはサブウーファーで、ラゲッジの右後方にフラットに組まれる。ユニットにはグラウンドゼロのハイエンド・サブウーファーであるリファレンス250をチョイス。フロントスピーカーに選んだZRスピーカーラボのユニット群とのコンビネーションも絶好の仕上がりとなった。
ブラウン系の人工スエードを用いて
上質でデザイン性豊かなラゲッジを完成させた
ラゲッジ全体をかさ上げして大量のユニット群をインストールしたオーディオボード。パネル面にはブラウン系の人工スエードを使った落ち着いたデザインで大人のムードを漂わせている。また周囲はグレーのカーペットで仕上げることで純正との融合を図り、ここまでの大がかりなインストールながらインテリアに美しく溶け込ませているのもさすがの仕上がりと言えるだろう。
インストールには細部まで気を配った作り込みが施されているが、中でもオーナーがお気に入りなのがエンブレム処理。ラゲッジ左手前にインストールされているプレステジオの脇に設置されるエンブレムにはクワトロリゴのブランドロゴとオーナーのネームプレートがダブルネームで表記されている。ヘアライン仕上げのプレートはラゲッジのデザイン性を盛り上げるのにも一役買っている。
ホームオーディオの音に匹敵する高音質を車内で再現することを狙った須田山さんのレクサスRX。ユニット群、インストールの両面で最上級を狙い、完成度の高い一台を作り上げた。次回の後編では音の根幹となるフロントスピーカー周辺のインストールを中心に紹介していくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》