カーオーディオでは、「サウンドチューニング機能」の操作も楽しむべきポイントの1つとなり得る。本命の設定はプロに任せるとしても並行して自分でもトライしてみると、より深くカーオーディオライフを満喫できる。当連載ではその実践テクニックを紹介している。
現在は「クロスオーバー」機能をフィーチャーしていて、前回からはドアスピーカー(ミッドウーファー)とサブウーファー間の「クロスオーバー」の設定方法の説明を開始した。
で、まずは「クロスポイント」(ドアスピーカーとサブウーファーそれぞれの役割分担の境目)を設定したい。なので前回は、その概要を解説した。
それに引き続いて今回は、実際の設定方法を紹介していく。なお、ドアスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」設定をするにあたってのポイントはズバリ、「ドアスピーカーの限界の見極め」だ。
そうである理由は以下のとおりだ。前回も説明したとおり、サブウーファーの鳴らし方にはいろいろな考え方があるのだが、重低音をフロントスピーカーの音と上手く繋げて重低音も目の前から聴こえてくるようにすることを目指す場合には、サブウーファーの担当帯域は狭い方が有利とされることが多い。
なのでできることならドアスピーカーには、可能な限り低い帯域までを担当させたい。ゆえにまずは、ドアスピーカーがどこまで低い音を鳴らせるのかを見極める必要があるのだ。そうして限界点を見つけ出し、その少し上あたりに「クロスポイント」を設定すればOK、というわけだ。
見極め作業は、以下のように実行する。最初にサブウーファーの音をミュートし(サブウーファーは鳴らない状態にして)、その上でドアスピーカーの「クロスポイント」を徐々に下げていく。
なおその際には、いつも聴いている曲をいつもの音量で鳴らすことがコツとなる(低音がしっかり録音されている音源が望ましい)。そうして低音に注目して聴き、「低音が濁り始めるポイント」と「ドア内部の鉄板がビビり始めるポイント」、この両方を探ろう。
で、低音が濁るかドア内部の鉄板がビビるかしたら、それは「下げ過ぎ」だ。そのどちらも発生しないギリギリのポイントを見つけ出したい。
ただし、内部の鉄板がビビり始めるのが100Hzより上であった場合には、むしろドア内部の「デッドニング」を先に行うべきだろう。取り敢えずはビビるのを多少がまんしながら高めのところに「クロスポイント」を設定せざるを得ないが、デッドニングを行ったら再び「クロスポイント」を設定し直そう。
ちなみに「クロスポイント」のお薦めの値は前回も記したとおり、大体80Hzから60Hzあたりの間だ。その中で、できるだけ低いところに設定できるとベストだ。
今回は以上だ。次回はこれに続く設定方法を解説していく。お楽しみに。
《text:太田祥三》