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サブウーファーを鳴らすときの「クロスポイント」はどう決める?「サウンドチューニング」実践講座 Part3 クロスオーバー編 その6

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「クロスオーバー」の設定画面の一例(ロックフォード フォズゲート・パーフェクトチューン)。全 9 枚写真をすべて見る

カーオーディオの最終的な音の良し悪しに大きな影響を及ぼす「サウンドチューニング」。そのオペレーションはプロに任せた方が確実だが、それと並行して自ら実践しても楽しめる。当連載ではそれを推奨し、その操作方法をレクチャーしている。

今回からは、サブウーファーを導入する際の「クロスオーバー」の設定方法を紹介していく。

さて、サブウーファーを鳴らそうとするときには、ドアスピーカーとサブウーファーのそれぞれに再生帯域の役割分担をさせるべきだ。そうしないと、重低音がドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくるので、ドアスピーカーの音とサブウーファーの音との一体感を出しにくくなる。それぞれの音が主張してしまうので、それぞれのスピーカーの存在感が高まってしまうからだ。

さらにいうと、ドアスピーカーは重低音の再生能力が高くないので、ローエンドまで鳴らそうとすると濁った重低音を出しがちだ。また重低音ほどドア内部の鉄板を振動させやすく、鉄板がビビりやすくなる。その観点でも、ドアスピーカーには低い帯域まで担当させない方がベターなのだ。

これらが、ドアスピーカーとサブウーファーとに役割分担をさせたい理由だ。

では「クロスおーバー」の設定方法を解説していこう。まずは「クロスポイント」(役割分担の境目)から決めたい。ちなみに、その値は60Hzくらいから80Hzくらいの間に設定されることが多い。

なお、60Hzから80Hzというとその差はわずかに20Hzだが、この20Hzの差は案外大きい。なので、もろもろの状況を鑑みながらこの範囲内のどのあたりに設定するかは慎重に決定するべきだ。

ちなみに、もしもドアスピーカーの低音再生能力が高くかつドア内部のデッドニングを手厚くやってある場合には、「クロスポイント」は低めに設定されることが多い。逆に、ドアスピーカーの低音再生能力が低くかつデッドニングを手厚く行っていない場合には、「クロスポイント」は高めに設定されることが多くなる。

とはいえ、「低音の前方定位」(サブウーファーの音も目の前から聴こえてくる状態)の実現を目指そうとする場合には、できることならサブウーファーの担当範囲は狭い方が良いとされることが多い。そうした方がフロントスピーカーの音とサブウーファーの音が繋がりやすくなる。というのも、サブウーファーの担当範囲が広くなると、音階を伴う楽器の音もある程度聴こえてくるようになるので、サブウーファーの存在感が強まってくる。なので「前方定位」がしにくくなるのだ。

ただし、サブウーファーの音を体で感じたいという場合にはむしろ、サブウーファーに広い帯域を持たせたりもする。大音量でビートの効いた音楽を楽しみたい場合には、敢えて「クロスポイント」を高めに設定するのはアリだ。

今回は以上だ。次回は「クロスポイント」の決め方についてさらに詳しく説明する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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