ピタリと決まった定位を生み出すサウンドに加えてグリーンを基調としたインストールデザインを愛車のBMW M4に投入した塩川さん。ラゲッジの作り込みは手数も多くデザイン性の高さも抜群。岩手県のサウンドフリークスが技術の粋を集めた作りを完成させた。
スポーティーモデル好きなオーナーが目指した
高音質+圧巻デザインのオーディオインストール
とにかく走りの良いクルマが好きで、セリカ(ST205)をメインカーとして乗っていた頃(今も所有している)にオーディオシステムを組み始めたのが塩川さんにとっての本格オーディオのスタートだった。その後は現在メインカーとして乗るBMW M4を手に入れ、さらに本格的なオーディオを組むことにした。
走りに負けない高音質を目指してシステムデザイン&インストールされたM4は、どこを見てもハイエンドでデザイン性も豊か。最初に注目したのはラゲッジだ。ビシビシ決まる確かな定位を引き出したくてRSオーディオのスピーカーをブラックスのパワーアンプでドライブするシステムを投入。
一方、デザイン面で見どころとなったのはラゲッジスペースだ。フラットに組まれたラゲッジのオーディオボードには手の込んだデザイン処理が施されている。同時に大量のユニット群が詰め込まれているのが見て取れる。アクリルを使ったフロアへのインストールはホワイト系の人工スエードをベースパネルに、周辺にはグリーンの人工スエードを使ったコンビネーションを施した。アクリル&イルミを使った見せるデザインもしっかり込められた絶品のインストールとなった。
パワーアンプやDSPなどをフロアにビルトイン
間接照明を使った処理で美しくショーアップ
フロアにインストールされているユニット群はブラックボディが多く(パワーアンプ、DSP、キャパシター、サブウーファーなど)、ベースパネルのホワイトカラーとのカラーコンビネーションも鮮やか。周囲のグリーンとのコントラストも美しい。
ボードの前方にはブラックスのハイエンドパワーアンプであるMX4PRO・2台を左右シンメトリーなデザインでインストール。さらにボードの手前側にはブラックスDSPをビルトインしている。こちらもホワイトのベースパネルにブラックボディが映えるデザイン。また中央部にはカロッツェリアのサブウーファー・TS-W1000RSをインストールする。トップパネルのアクリルをハニカム状に開口させることで音抜けの良さとデザイン性を両立させているのも独特。
ボードの外周部分にはフロアパネルを照らし出すように間接照明が仕込まれているのも見どころ。ホワイトパネルがイルミを柔らかく反射して、ボード全体を柔らい光のシャワーで浮かび上がらせているのが美しい。さらにサブウーファーのグリル部に向かって左右から伸びるフレーム裏にも間接照明を設置。デザイン的&イルミ効果でフロアのボードにアクセントを与える処理になっている。
サイドウォールにまでデザイン処理を加え
ユニット群をすべて見せるデザインを実現
このクルマのラゲッジでの見どころはフラットに組まれたフロアだけに止まらない。大量のユニット群を納めるためにフロアだけではスペースが足りずサイドウォールまでも活用しているのももうひとつの見どころとなっている。右サイドにはオーディオテクニカのパワーレギュレーターをビルトイン。ここも周囲をグリーンの人工スエードで処理、ユニットの取り付け面をホワイトで処理するコンビネーションを見せる。間接照明も導入して見せる効果も満点だ。
さらに左サイドのウォール面はさらに手が込んでいる。こちらはオーディオプレイヤーとして用いるカナリーノ12Vをフロア側にビルトイン。その奥にはオーディオテクニカのDACも埋め込み設置されている。そのいずれのユニットもフェイスパネルを見せるようにインストールしている。これだけ大量のユニットをフロア下などに隠すことなくデザインの一部に取り入れているのは圧巻だ。
後編ではラゲッジスペースに負けず劣らぬデザイン処理を込めたコクピットまわりのインストールを見ていくこととしよう。ラゲッジでもテーマカラーとなったグリーンを使ったデザインがコクピットでも美しく決まっている。高音質なのはもちろん、上質で見せる効果満点のインストールを込めた塩川さんのM4。後編もこうご期待。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》