ラゲッジ全面を使ったオーディオボードを作った赤平さんのタンク。薄型サブウーファーとエアサスタンクをビルトイしたボックス形状のカスタムは見どころ満点。差し色にブルーを使うなどオーナーの好みと愛知県のLEROY(ルロワ)のセンスが光る作りだ。
ラゲッジいっぱいに作られたボックスに
サブウーファーとエアサスタンクをビルトイン
ボーカルの声質アップとクリアなサウンドを目指して愛車のタンクにオーディオのシステムアップを加えることにした赤平さん。フロントの3ウェイ化に加えて質の高い低音を作再生するためにラゲッジにはサブウーファーをインストールすることにした。
ただし、ラゲッジにはエアサスタンクを共存させる必要もあったため高さを抑えたオーディオボードを組むことを計画する。そうしてでき上がったのが今回のラゲッジ。リアシートのシートバックよりも低くして後方視界を確保。しかし下段にはエアサスのタンク、その上部にはエンクロージャーを組んでJLオーディオのサブウーファーをインストールした。ラゲッジの高さを抑えるためにウーファー選びにはこだわり、JLオーディオの薄型のモデルに行き着いた。
ブルーの人工スエードを効果的に使ったデザインが美しいボックス。レザー、アクリルを組み合わせて使う手の込んだ処理が施され、オーディオユニットはサブウーファーのみなのにも関わらず、変化に富んだデザインに仕上げているのも見どころだ。
JLオーディオの薄型サブウファーを選び
ラゲッジ・インストールのアイキャッチとした
サブウーファーに選んだのはJLオーディオのTW3シリーズ。薄型サブウーファーを得意としている同社がラインアップするミドルクラスのサブウーファーで取り付けサイズの浅さに加えてエンクロージャー容量も抑えられるモデルとなってるのが魅力。オーナーの望みであるラゲッジのオーディオボードの高さ方向への出幅を抑えるためにも、絶好のスペックを持ったモデルだった。
ラゲッジに作り付けたボックスのトップ面にバッフルを設けてサブウーファーをインストール。ボックス内はそのままエンクロージャーとし、下段のエアサスタンクのスペースとうまく共存させる構造としている。十分なエンクロージャーを作り付けることで余裕のある低音を再生する環境を完成させた。
さらに下段にはIDEALブランドのエアサスタンクをビルトインする。これもオーナーのお気に入りのパーツでもあるので、ラゲッジをカスタムするならば見せたかったアイテム。ボックス後方にデザイン処理された開口部を設けてタンクを見せつけている。アウトラインにはブルーの人工スエードを使ったトリム処理を施し存在感を押し出しているのも見どころだ。
アクリルやブルーの人工スエードを使い
インストールデザインに立体感を追加
ラゲッジのオーディオボードは細部を見るとかなり手の込んだデザイン処理が施されている。まずは各ウォール面にピタリと沿わせるようにデザインされたボックス形状は非常に計算されたもの。リアシートのシートバックとラゲッジの両サイドウォールにフィットする構造としているのもムダが無い。
表面はレザー仕上げとされるが、サブウーファーのバッフル面やエアサスの周囲、アクリルパネルの周囲などのアイキャッチにブルーの人工スエードを使った処理を施すのも見どころ。
さらにサブウーファーのバッフル周囲やエアサスタンクの開口部などにはアクリルを使ったアウトライン処理も施している。エアサスタンク部分などはレザー/ブルーの人工スエード/アクリルといった三段構成のパネル面を作ることで奥行き感を表現しているのもこだわりポイントだろう。
サブウーファーをインストールしたトップ面は荷物を積載できるように保護パネルを用意しているのも独特。ここまでのカスタム処理を施しながら普段使いも決しておろそかにしていないところもプロショップ&オーナーのこだわりのひとつ。ゲートを閉めてしまえばラゲッジスペースを遠慮無くラゲッジとして使える構造とした。
カスタム処理を施すことでリアゲート・オープン時のアピール度を高めた赤平さんのタンク。次回の後編ではワンオフしたセンターコンソールやブラムの3ウェイをインストールしたコクピットまわりのカスタムについて紹介して行くこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》