ショップのデモカーと同じBMW320dをベースに選んでハイエンドなオーディオユニットを詰め込んだ千葉さん。岩手県のサウンドフリークスがそれまでの経験値やインストールテクニックを注ぎ込んで作り上げた一台。高音質&デザイン性が見どころのクルマだ。
トランクルーム内をボディ同色の
ブルーを使ってカラーコーディネート
オーディオコンペでも優れた成績を上げている岩手県のサウンドフリークスで愛車のオーディオインストールをお任せした千葉さん。良い音のクルマを作るというテーマから、まずはベース車両選びからスタートしている。結果的に同ショップのデモカーとしても実績のあったBMW330dを愛車として選んだのはインストール後のサウンドが想像できるから。間違いの無いベース車選びからオーディオ高音質化のインストールがスタートした。
インストール面で見どころとなったのはトランクルームだ。ベテランのオーナーはユニットのセレクトにも精通しているので、トランクルームに納められているユニット群は、好みのサウンドを作るためにはほぼ一択で選び出したシステムデザインだった。トランクルーム内でメインユニットとしてフロアに鎮座するのはブラックスのMX4 PRO×2台。ボディ色と同じブルーを基調として使ったボードをワンオフし、アクリルパネルでプロテクトする処理を実施。パワーアンプのブラックボディとブルーのパネル面とのコントラストが美しい。
トランクルーム前面ウォールを使ったDSPやレギュレーターのインストールも含め、トランク内の2面をフルに使い切るインストールを施し見せる効果も満点。トランクリッドを開けた際のインパクトも十二分だ。高音質であることはもちろんだが、インストールデザインで見せるという狙いもしっかりと叶えている。
ブラックスのハイエンドアンプや
高音質DSPをシステムに組み込む
トランクルームにはハイファイユーザー御用達のブランド&ユニットがズラリと並んでいる。フロアには先にも紹介した通りブラックスのハイエンド・パワーアンプであるMX4 PROを2台横に並べてインストール。フロント3ウェイ+サブウーファーのスピーカー・システムを強力&繊細にドライブする。
またフロアでは収まりきらないユニット群をフロア下に隠すのでは無く、前面ウォールにインストールし、しっかりとショーアップしたデザインを施しているのもこのクルマの見どころ。ウォールの中央部にインストールされているのはブラックスDSPだ。ハイエンドなシステムでは定番化しつつある高音質なDSPだ。この手の単体DSPとしてはかなりの大型のユニットながら、ウォールにビルトインする姿は逆に存在感がありウォールのアイキャッチにもなっている。またブルーのパネル面とブラックのユニットというコントラストはフロアとも共通で、トランクルーム全体のイメージ統一にも役立っている。
その両サイドにインストールされているのはオーディオテクニカのパワーレギュレーター。電源の強化にも抜かりは無く、十分な電力供給をサポートしパワーアンプのドライブ能力を最大限に引き出している。このパーツもフェイスパネルをブラックとしているため、図らずもデザイン的な統一感に寄与しているのも巧みなインストールバランスと言える。
ブルーのパネル処理やアクリル使いなど
統一感とテーマを持たせたデザインが光る
トランクルームの基本的なデザインコンセプトはボディ同色となるブルー系のボードを使ったベースデザインと、ユニットをインストールしたすべての面をアクリルでプロテクトした処理だ。質感の高いインストールはオーナーのお気に入りとなっている。またパワーアンプやDSPの取り付けスタイルやレイアウトもでき上がったときにオーナーが注目したポイントだ。
そんなブルーのパネルをくり抜くスタイルで各ユニットがビルトインされている構造。またパネルには凹凸が彫り込まれて広いパネル面に適度な変化を与えている。さらにパネル面は積層構造としているのも見どころ。ベースとなるブルーのパネルの上層にグレーのアウトラインを施し、その上にアクリルを積層するという構造を取っている。カーペット素材のトランクフロアとの境界線をグレーのラインで明確化している手法もインストールデザインの妙のひとつだ。
ショップデモカーを参考にして最高峰のサウンドを手に入れることに加えて、クルマの内外装と融合するインストールデザインを施した千葉さんのBMW。後編の次回はZRスピーカーラボのスピーカー群をインストールしたフロントステージを紹介していくこことしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》