数あるスピーカーの中からそのサウンドの惚れ込んで選んだのがDLSのスカンジナビア。コクピットには上質な3ウェイユニットをサウンド&デザイン性を考慮して取り付ける。大阪府のサウンドステーション オートステーション K2が美しい仕上げを実施した。
中高域ユニット群をAピラーにインストール
手の込んだ加工でスマートなスタイルを実現
前編ではラゲッジルームにフラットにインストールされたパワーアンプなどを紹介したが、後編の今回はフロントステージについて紹介して行くこととしよう。
スピーカーとして鳴神さんが選んだのはDLS・スカンジナビアの3ウェイ。ナチュラルサウンドが好みだというオーナーが気に入って選んだのがこのスピーカーだ。自然さと共にカチッとしたタイトな部分も併せ持っているのがお気に入りポイントだという。
取り付けで見どころとなったのはツイーターとミッドレンジをAピラーにインストールした点だろう。かなり手の込んだ加工を施しているので見どころとなった。まずはピラーの付け根側を大きく盛り上げる加工を施した上でミッドレンジを無理なくビルトイン。コーン型の75mm口径のミッドレンジながら、取り付け角度もしっかりと計算され、ツイーターとのコンビネーションも絶好に仕上げた。またミッドレンジの上部にはツイーターをビルトインする。こちらは印象的なプロテクションをうまく利用したデザインで、ピラーの存在感もきっちりアピール。オーディオカーらしいかなり手の込んだAピラーが完成した。
ファイバーグラスの振動板を強調する
グレーのバッフルとのコントラストが鮮明
自然なサウンドとタイトさを兼ね備えたサウンドに惚れ込んだオーナーがセレクトしたDLSのスカンジナビア。ミッドバスはドアにアウターバッフルで取り付けられている。
アウターバッフルのデザインはサウンドを最優先にした機能的な作り込みなのが特徴。ドア前方下部にフラットなスペースを作り、ここにやや広めのバッフルを確保するスタイル。バッフル面はグレーの人工スエードを使ってフィニッシュされ、ファイバーグラスのダーク色の振動板を採用するDLS・スカンジナビア165をグレーのバッフル面が浮かび上がらせ、見せる要素を盛り込んだ。
ドア後方はポケットをそのまま使えるように設計したのも見どころ。純正ラインに合わせるようにバッフルのアウトラインを作り込み、ピタッと純正ドアデザインに沿わせるフォルムとしている。その結果、インテリアのデザインに溶け込み、ドア形状のスマートさも際立つ作りだ。レザー処理されたバッフル外周部分も内張り形状と融合させるスマートなデザインなのがさすがの作り込みとなった。
音楽再生の使い勝手を考慮して
車載メディアプレイヤーをチョイス
オーナーは主な音楽プレイヤーとしてオーディオテクニカの車載のハイレゾ・メディアプレイヤーであるAT-HRP5をチョイスした。車載モデルであることから車内での使いやすさを優先して選んだプレイヤーだ。メニュー操作はディスプレイオーディオにHDMIを介して出力しているので操作性の良さもオーナーのお気に入り、メニュー画面もクリアで美しい。高音質である点はもとより車内での使いやすさにこだわったプレイヤー環境を整えた。
一方のサウンド面だが、ハイエンドシステムを経験してきたオーナーにとっても及第点で音にも満足感が高いという。曲の保存用にはSSDを用いて読み出しのスピード&クオリティを高めている。
またDSPとして用いるヘリックスのDSP-PRO Mk2の操作部としてダイレクターを装備するが、取り付け位置にこだわったのもオーナーのリクエスト。設置したのはセンターコンソールの下部。パネル面を加工してビルトイン設置しているのでスマート。周辺パネルもワンオフして取り付け面のデザイン性を追求しつつ、ダイレクターの操作性を高めたのもオーナーの望み通り。オーナーがコクピットまわりの自慢のインストールポイントとしてダイレクターの取り付けを選んでいるのも頷ける仕上がりとなった。
今後も進化を続ける鳴神さんのインプレッサ。この音に満足すること無く、さらに上のサウンドを目指したシステムアップを続ける予定だ。次なるターゲットはパワーアンプの変更。サウンド面&インストール面の次なる進化が楽しみだ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》