カーオーディオの面白さや奥深さを明らかにすべく、機器の取り付けにまつわるセオリー等々を解説している当シリーズ。まずは「メインユニット」に関連した項目に焦点を当てている。今回は、トヨタ純正ディスプレイオーディオに外部機器を接続する方法について説明する。
さて、前の記事でも解説したとおり、トヨタ車の純正ディスプレイオーディオにはメリットがありつつも、不満を持たれることも少なからずあるようだ。不満になり得るポイントは2つある。スマホナビアプリの使い心地と映像系コンテンツが楽しみにくこと、この2点だ。で、今回は、後者の不満を解消する方法を説明していく。
なお、このような不満が出る理由は以下のとおりだ。トヨタの純正ディスプレイオーディオはApple CarPlayとandroidautoに対応していることが特徴なので、対応スマホアプリを車内で便利に使い倒せる。しかしApple CarPlayとandroidautoは映像系のアプリ(ナビアプリ以外)には対応していない。その上、HDMI端子はおろかアナログの外部入力端子も持っていない。純正オプションの地デジチューナーやCD/DVDプレーヤーは接続できるが、その接続は専用配線で行うので汎用性はない。なので、スマホ以外の外部機器は接続できないのだ。
しかし、それを可能とするアイテムがいくつか存在している。例えば、データシステムからは『ビデオ入力キット』(写真)がリリースされている。
これはつまり、純正オプションの地デジチューナーやCD/DVDプレーヤーを接続するための仕組みを利用して汎用の外部入力端子を設定するというものだ。なお端子はアナログのRCA端子なので、スマホのミラーリングを行いたい場合には別途『HDMI変換アダプター』を併用しよう。そうすれば他のデジタル機器も繋げられる。
ちなみに『ビデオ入力キット』は、走行中でも同乗者が映像系コンテンツを観られるようにするためのアイテムである『TVキット』を同梱するモデルとしないモデルとがある。すでに『TVキット』を使っているのなら、非同梱モデルを選ぼう。
ところで取り付けは、配線類はカプラーオンなのでその点においては難易度は高くない。ただし、純正ディスプレイオーディオの裏側にアクセスするスキルは必要になる。そのような作業に慣れていない場合には、購入から設置までをカーオーディオ・プロショップで行おう。プロショップなら難なく取り付けられる。
今回は以上だ。次回は、映像系コンテンツを楽しむためのもう1つの“奥の手”を紹介する。お楽しみに。
《text:太田祥三》