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『ダイヤトーンサウンドナビ』なら変幻自在に楽しめる!?「外部パワーアンプ」、貴方ならどう使う? Part9

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『ダイヤトーンサウンドナビ』の装着例(ダイヤトーン・デモカー)。全 7 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムの音質アップを追求していくと、最後は「外部パワーアンプ」に行き着く。当特集では、その理由から活用術、そして選び方までを多角的に解説している。今回は、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』を使う場合について考えていく。

『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、他ではできないことが可能に!?

『ダイヤトーンサウンドナビ』をシステムの核に据えると実は、他のメインユニットとはひと味違った「外部パワーアンプシステム」を構築できる。なぜなら当機には、他にはない機能が搭載されているからだ。

他にはない機能とは、「マルチウェイ・タイムアライメント」だ。まずはこれがどのような機能なのかを説明していこう。基本的な成り立ちは通常の「タイムアライメント」と同様だ。クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄る。ゆえに、各スピーカーから発せられる音の到達タイミングがズレてステレオの再現性が落ちがちだ。しかし「タイムアライメント」を用いれば、そのような不利要因を払拭できる。

というのも、これを活用すると近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、不揃いだった各スピーカーの音の到達タイミングを揃えられるのだ。つまり、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せる。

ただし、左右のツイーターと左右のミッドウーファーという計4つのスピーカーを個別制御しようとするきには、「マルチアンプシステム」の構築が前提となる。「マルチアンプシステム」とは当特集の以前の記事の中で説明したとおり、1つ1つのスピーカーユニットに対して「パワーアンプ」の1chずつをあてがうシステムのことを指す。このようなシステムレイアウトを構築できれば各スピーカーの信号を個別に伝送できるので、各信号の個別制御が可能となるのだ。しかし、フロント2ウェイスピーカーを鳴らすのに「4chパワーアンプ」または「2chパワーアンプ」が2台必要となる。つまり、システムの大型化は避けられない…。

『ダイヤトーンサウンドナビ』の「マルチウェイ・タイムアライメント」の設定画面。

『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、個別に制御した信号を同一回線で伝送可能!

対して『ダイヤトーンサウンドナビ』の「マルチウェイ・タイムアライメントでは、ツイーターとミッドウーファーの信号を個別制御した後でも、それぞれの音楽信号を同一回線で伝送できる。なので、必ずしも「マルチアンプシステム」を構築しなくても良いのだ。「パワーアンプ」の同一ch内でツイーターとミッドウーファーの信号を一緒くたに増幅しても、その後信号の帯域分割を行う装置である「パッシブクロスオーバーネットワーク」で信号を高音と中低音とに2分割すると、それぞれの信号が個別に制御された状態をキープしている。

かくしてこのようなスペシャル機能が備えられている『ダイヤトーンサウンドナビ』では、さまざまな「外部パワーアンプシステム」の構築が可能となる。まずは「2chパワーアンプ」1台のみで、詳細なサウンドチューニングを行える本格的な「外部パワーアンプシステム」を組める。

その際には、“ミニマム”な「外部パワーアンプシステム」を目指しても面白い。「2chパワーアンプ」が1台だけあれば良いので、その利を活かして超小型モデルを選定すると、コンパクトにシステムを仕上げられる。その場合に狙い目となるのは「D級パワーアンプ」だ。「D級パワーアンプ」の中には、高音質でなおかつ小さなモデルがさまざまあるからだ。

中にはグローブボックス内にインストールできるほど小さな機種もある。それを使えば取り付け費用もそれほどかからない。しかも『ダイヤトーンサウンドナビ』と「外部パワーアンプ」とを近接配置できるので、両者を繋ぐ「ラインケーブル」も短くて済む。その分のコストも削減できるし、逆により高級な「ラインケーブル」も手にしやすくなる。「ラインケーブル」は長さによって価格が結構変動する。短いモデルで良いのなら、高級品にも手を出しやすくなる。

三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ

「4chパワーアンプ」1台で、システム発展させていくのもアリ!

または、“一点豪華主義的システム”の構築も可能だ。フロント2ウェイスピーカーを「マルチアンプシステム」にて鳴らす場合には「4chパワーアンプ」が必要となるわけだが、「マルチウェイ・タイムアライメント」を活用する場合には「2chパワーアンプ」があれば良いので、より高級な「外部パワーアンプ」を手にしやすくなる。例えば、「外部パワーアンプ」に注げる予算が20万円あったとしよう。その20万円で「4chパワーアンプ」を買った場合、そのモデルの1chあたりの価格は5万円だが、「2chパワーアンプ」ならば1chあたりが10万円のモデルを手にできる。この5万円の違いは性能差として如実に現れる。

また、「4chパワーアンプ」を導入して、それにて「フロント2ウェイ+サブウーファー」システムを組んでも良い。普通、「4chパワーアンプ」1台でフロントスピーカーとサブウーファーの両方を鳴らそうとすれば「マルチアンプシステム」は組めない。つまりツイーターとミッドウーファーの個別制御は不可能だ。しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』なら「4chパワーアンプ」1台でフロントスピーカーとサブウーファーの両方を鳴らす場合でも、フロントスピーカーのマルチ制御を行える。

そしてその後にサブウーファー用の「パワーアンプ」を別途用意して、すでにある「4chパワーアンプ」でフロントスピーカーを「マルチアンプシステム」で鳴らすスタイルへとバージョンアップさせても良い。そうするとスピーカーのドライブ能力が上がるので、同じ「4chパワーアンプ」のままでもう1ランク上のサウンドを楽しめる。

というわけで『ダイヤトーンサウンドナビ』では、システム構築法の選択肢が広がる。合理的に仕上げても緻密な音調整を行えるので手応えあるサウンドを楽しめる。また、通常の「マルチアンプシステム」を組んでも良い。さらには段階を踏みながら両方を楽しむのもアリだ。より深く、システム構築の妙を満喫できる。

さて次回は、国産ハイエンドカーオーディオブランド、ビーウィズの製品を使った「外部パワーアンプシステム」について解説する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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