サードシートを撤去して作ったラゲッジスペースに3台の大型パワーアンプをインストールした義永さんのエクスプローラー。サウンド面はもちろん、カスタムデザインのクオリティにもこだわり大阪府のカーオーディオクラブとともに作り上げた渾身の一台だ。
3台のパワーアンプを斜めにマウントし
すべてのユニットをアピールすることに成功
エクスプローラーのサードシートを取り外して広いラゲッジスペースを確保した上で、ロックフォードのパワーアンプを3台ディスプレイして見せるオーディオインストールを完成させた義永さん。
一番のお気に入りとなったのはロックフォード・パワーシリーズのパワーアンプを斜めに配置した絶妙のレイアウト。ラゲッジ後方から見た際に3台のパワーアンプのトップパネルがすべて見えるように、やや後方に向けて傾ける設置スタイルとした。この工夫のおかげで、すべてのユニットがギャラリーの目に飛び込んでくる。
さらに周囲にはアルミ、メッシュ素材やアクリルを使ったデザイン処理を施し、ラゲッジスペースの中にパワーアンプが浮かんでいるような感覚に陥るギミックも施す。パワーアンプをデザインの一部に取り込んでオーディオカーならではの処理を施しているのもカスタムインストレーションならではの魅力だ。さらに間接照明を加えることでもパワーアンプ回りのスペースをショーアップ。電球色を使った上質なライティング処理で、ラゲッジを上質なおかつ煌びやかな空間へと仕上げている。
メッシュ素材やアルミを使った加工で
ラゲッジのデザインに硬質なイメージを表現
ラゲッジの後方には2発のサブウーファーをインストール。ユニットにはロックフォードのT2(12インチ)をチョイスし、ローエンドまで伸びる迫力と厚み満点の低音サウンドを響かせる。先に紹介したロックフォードのパワーアンプ・T2500-1dBでパワフルにドライブされ、躍動感あるサウンドがカギになっている。
ラゲッジ各部のデザイン処理はかなり手が込んでいる。先に紹介したパワーアンプ回りのメッシュ処理やアルミによるデザイン処理は他では見られないオリジナリティ豊かな作り込み。さらにラゲッジ全体にもアクリルを使った処理を施し、サブウーファー回りにもアクリルのフレームを設置するデザインを施した。またパネル面にはアルミとメッシュを使ったデザインを加えるなど、パワーアンプ回りのイメージをラゲッジ全面で用い、統一感あるカスタムデザインを完成させている。硬質な素材をうまく利用したメカニカルで重厚なアイデアがこのクルマのイメージとなった。
ロックフォードT5をチョイスした
フロントスピーカー群の取り付けにも注目
コクピットまわりにも手の込んだカスタムが施される。フロントスピーカーに選んだのはロックフォードのハイエンドモデルであるT5。ミッドレンジを加えて3ウェイ化を実施しているのもオーナーのこだわり。ドアにはアウターバッフルを組みドアの純正デザインとスマートに融合させているのも見どころ。さらにAピラーとドアミラー裏にミッドレンジ&ツイーターをインストールし、コクピットの純正デザインを大きく逸脱しない、スマートでまとまり感のあるインストールを実現した。
オーナーが望んだ「自然な取り付けデザイン」に合わせて純正内装と違和感なくマッチするインストールが随所に見られるコクピットまわりのフィニッシュとなった。
コンソール内にウォークマンを設置するスペースを設けたり、オーバーヘッド部分にヘリックスのダイレクターをビルトイン取り付けするなど、すべてのユニット&パーツをコクピットに溶け込ませるデザインでインストール。センス満点のデザインに加えて使い勝手も考えたレイアウトも工夫され、オーナーの望み通りのコクピットができ上がった。
スピーカーからパワーアンプまでをロックフォードで統一したこのクルマ。狙い通りのパワフルでクリアなサウンドを実現した。オーナーが最近気に入っている米津玄師などを心地良く聴くのにも絶好のシステムに仕上がった。もちろんラゲッジオープン時のインパクトも十分で、オーディオカーのもつ幅広い魅力を兼ね備えたカスタムオーディオが完成した。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》