8インチミッドバスを用いたフロント3ウェイを構築した石川さんのリーフnismo。DSPアンプを中心としたシステムで省エネを目指すのもリーフとの親和性を考えて。静岡県のレジェーラがコンパクトなデザインで実用性も兼ね備えたインストールを手がけた。
リーフに似つかわしい省電力のシステムと
省スペースでまとめたユニット設置がみどころ
リーフnismoに乗り換えたのきっかけにして新しいシステムへのチャレンジをはじめたオーナーの石川さん。フロントステージは前編でお伝えしたとおりフォーカル・ユートピアMを使った3ウェイシステムを投入した。ユートピアMによる好みのサウンドがひとつ目のテーマだったわけだが、もうひとつのテーマがEVであるリーフに合わせた“電力消費の少ない”オーディオシステムだった。
そのそのため消費電力の大きな大型のパワーアンプはあえて使わず、ワンボディでDSPとパワーアンプを同時に利用できるヘリックスのDSPアンプであるP-SIX DSP MkIIをチョイス。そもそもユートピアMは能率も高いためこのDSPアンプで十分にドライブできることもシステムセレクトの理由のひとつとなった。DSPによるサウンドコントロールとフロントスピーカーのドライブを担当する。さらにサブウーファー用のパワーアンプとしてはカロッツェリアのデジタルアンプであるPRS-D800を用いるなど徹底した省エネを実践。
各ユニット類の取り付けはスペース効率を考慮して助手席下&後席足もとスペースを使っているのが特徴。ヘリックスのDSPアンプであるP-SIX DSP MkIIはシート下にビルトイン、さらに後席のフロアにはかさ上げのパネルをワンオフしてその下にPRSのパワーアンプを設置。ラゲッジにはサブウーファーのみを設置し、積載性も犠牲にしないオーナーの狙い通りのインストールとなった。
ハイクオリティなDAPの採用に加えて
ケーブルを厳選して高音質な伝送環境を整備
音楽プレイヤーには主にDAPとナビを用いている。高音質音源を利用する場合にはFiioのM11PRO SSを接続して再生している。同モデルは高品質なDAPであり、オーナーもお気に入りのサウンドを奏でるプレイヤーでもある。ケーブルにはM&Mデザインの最上級モデルとなるコルサを採用するなど、信号の伝送系にまで気を配る徹底した高音質設計を施した。
センターコンソール前部にはマウントをワンオフしてヘリックスの操作部であるダイレクターをビルトインする。ボリューム操作やソース切り替えなどを行うダイレクターは操作頻度も高いためアクセスしやすい場所への設置が求められる。周囲のパネルは純正内装のトリムと合わせて表面処理されインテリアに溶け込むデザインとしている。あからさまに異物感のあるインストールは避け、スマートな取り付けを目指したスタイルが見どころだ。
今後はオーディオプレイヤーをDAPから車載モデルに変更することも検討中。再生環境に関してはこれからもオーナーの望みにマッチするサウンドとスタイルを追求していく予定だ。
ラゲッジにシンプルに組むサブウーファー
脱着可能なエンクロージャーで積載性を確保
フロントスピーカーにはフォーカルのユートピアMを採用したこのクルマ。8インチのミッドバスを使った3ウェイシステムである点も他ではめったに見られない個性派システムであることは前編でもお伝えしたとおり。そんな8インチミッドバスの低音を補っているのが同じくユートピアMのサブウーファーだ。
エンクロージャーを組んでラゲッジに設置するスタイルはシンプル。作り付けてしまうのでは無くポン載せのスタイルとしているのもラゲッジスペースの有効活用を狙ったオーナーならでは。さらに配線を簡単に脱着できるようにしているため大きな荷物を積み込む際にはエンクロージャーごとクルマから降ろせる。
8インチ・ミッドバスによる分厚い中低音に加えて、サブウーファーの重低音を加えることでオーナーお気に入りの厚みと力強さのある低音を奏でることに成功した。もともとは高域の伸びに魅力を感じたユートピアMだが、インストールした今では低音の心地良さもオーナーのお気に入りポイントになっている。
サブウーファーのパワーアンプの強化も次なるメニューとして検討中のオーナー。オリジナリティ溢れるシステムの投入や、こだわりのあるユニットセレクトなど、ベテランらしいシステム組みを今後も楽しみつつじっくりと進めていく予定だ。
《text:土田康弘》