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達人直伝! 音質向上のためのワンポイント・テクニック! Part5「“アウター化”で聴こえ方をガラリと変える!」

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“アウター化”の製作例(製作ショップ:サウンドエボリューション ログオン<千葉県>)。全 3 枚写真をすべて見る

“音を進化させること”も、カーオーディオを趣味とするときの醍醐味の1つだ。とはいえ、頻繁にスピーカーやパワーアンプを買い替えるわけにはいかない…。ならどうすれば良いのかと言うと、音を良くする“小ワザ”がさまざまあるので、それらをこつこと実践しよう。

当特集では、その具体的事例を紹介している。今回は、ドアスピーカーの取り付け方を見直すこと、すなわち“アウター化”にスポットを当てる。なお今回は、千葉県流山市の実力店、“サウンドエボリューション ログオン”の小溝さんに教えを請うた。参考になる話がたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

“アウター化”はハードルが高い。しかしこの良さを1度経験すると…。

最初に、“アウター化”とは何なのかを簡単に説明しておきたい。これはつまり、ミッドウーファーの取り付け面をドアの内張りパネル面まで立ち上げてスピーカーを見えるようにして取り付ける様式のことを指す。

さて、まずは“サウンドエボリューション ログオン”の小溝さんに、これの効果のほどを教えてもらった。

「効果は相当に大きいです。場合によっては、外部パワーアンプを導入する以上の進化が果たされることもあります。ただし、“アウター化”はコストもそれなりに掛かります。外部パワーアンプの導入と同等のご予算が必要となることも有り得ます。その意味でむしろ、“ワンポイント・テクニック”というよりは“機材の追加”に近いです。手軽な方法ではないことは確かです。

ちなみに最近は、“アウター化”を実行される方の数は以前と比べて減っています。コストが多く掛かることに加えて、車体のリセールのことを気にされる方も増えていますから。“アウター化”ではドアの内張りパネルをカットすることになりますので、元に戻そうとしたときにもまた、費用が多く掛かってしまいます。なので当店のお客様の中で“アウター化”を実行される方の割合は、1割を切っています。

しかし、1度“アウター化”を経験された方は、おクルマを乗り換えてもまた“アウター化”を実行されることが多いです。このことは、“アウター化”が効果的であることの証だと思います。“アウター化”の良さを味わってしまうと、“インナー”には戻り難いです。“アウター化”は、確実に音に効きます」

“アウター化”の製作例(製作ショップ:サウンドエボリューション ログオン<千葉県>)。

やり方はお店ごとでさまざま。各店ごとの経験とノウハウが注入されて実行される!

続いては、“アウター化”にはどのくらいの費用が掛かるのかを教えてもらった。

「ドア内部の状況や仕上げ方によっても変わってきますが、当店の場合は両ドアでおおよそ11万円くらいから、といったところでしょうか。

お店ごとでも工賃は大きく変わってくると思います。なぜなら、“アウター化”にはさまざまなやり方があるからです。専門店ごとの経験とノウハウによって、製作方法はまちまちです。そしてどのやり方が良いのかも、一概には言えないと思います。

なお、当店としてのベストなやり方は確立しています。長年の試行錯誤によって辿り着いた理論に基づいて製作しています。

ところで“アウター化”は少なくとも10万円を超えてしまうのが普通ですから、そのラインよりもリーズナブルなスピーカーに対して行われることはほぼありません。製品代以上に取り付けの見直し費用が掛かってしまうのは現実的ではありませんから。でも逆に、ハイグレードなスピーカーを使うのであれば、できれば“アウター化”に挑戦していただきたいとも思っています。そうすることでその製品のポテンシャルを一層引き出せるようになるからです。せっかく高級モデルを使うのですから、その良さを存分に楽しめないともったいないです。

ちなみに、“アウター化”が効果的である最大の理由は、“得られる情報量が増えるから”です。例えば、マスクをしているときと外しているときとでは声の通り方が変わります。スピーカーを内張りパネル内に収めているときと“アウター化”したときとでは、それと同じような違いが生まれます。もちろん“アウター化”をしない場合でも最大限高音質に仕上ますが、“アウター化”を行えばさらに良くなることもまた確かです」

“アウター化”の製作例(製作ショップ:サウンドエボリューション ログオン<千葉県>)。

デメリットを消しながら、最大の効果が得られるように施行!

さらには、“アウター化”の施工方法についても教えてもらった。

「当店では、鉄板に固定するベースバッフルを作りスピーカーを立ち上げる方法を採用しています。ただし、そのベースバッフルを2ピースにするかは一体式にするかはケースバイケースです。

また、内張りパネルをカットすることによりパネルの強度が落ちてしまいますので、それへの対策も必須だと考えています。なので内張りパネルの強度アップのためにさまざまな工夫を凝らします。

あと、合板を積層してベースバッフルを厚く作るとそれが筒状になりますので、スピーカーの裏側から放出される音エネルギーをスムーズに逃がせるかどうかもポイントになってきます。それを実践するにおいても注意点がさまざまあるのですが、基本的には奥側にいくにしたがって口径が大きくなるように作ることで、音エネルギーのヌケを良くします。というのもスピーカーの表と裏側の音はまさしく表裏一体です。なので、裏側の音のヌケが良くなると表側の音も良くなります。

さらにはどのような素材を使うかも、各店ごとで考え方が変わる部分です。金属と木材が併用されることもありますし、土台側を金属にするのか合板にするか、こういった違いも出てきますし。

当店の場合は、堅い合板を使うことが多いです。これまでいろいろな部材を試しましたが、机の天板に使われるくらいの堅い合板が音的にも耐久性的にも良いと考えています。

“アウター化”はハードルが高いアプローチではありますが、効果が大きいこともまた確かです。これ以上音を良くする手立てがないとなったときには、この手があることを思い出していただきたいですね。

ご来店いただけましたら、施工例の写真をお見せしながらさまざまなご提案ができると思います。ぜひお気軽にお越しください」

《text:太田祥三》

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