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達人直伝! 音質向上のためのワンポイント・テクニック! Part1「メインユニットにひと工夫!」

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ハイエンドメインユニットの装着例(ダイヤトーンサウンドナビ<ダイヤトーンデモカー>)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムのサウンドクオリティを「今よりもう1ランク上げたい」、そう思ったときのワンポイント・テクニックを伝授する新たな連載を開始する。主要なユニットを換えることなく行えるお手軽なワザの数々を、毎回テーマを絞って紹介していく。

なお当連載は、全国の有名カーオーディオ・プロショップに取材し、構成する。第1回目となる当回では、埼玉県川口市の人気店、“東京車楽”の木村さんに教えを請うた。さて、その具体的内容とは…。

メインユニットにも“バッ直”が効く!?

今回は、今使っているメインユニットの性能をさらに引き出すためのワザを公開する。“東京車楽”の木村さんは最初に、以下のような方法を教えてくれた。

「まずは、“バッ直”をお薦めしたいと思います。“バッ直”とは、プラス電源を車両のメインバッテリーから直接引き込む配線方法で、外部パワーアンプを導入する際にはほぼ必ず行われる手法なのですが、メインユニットに対して実行しても好結果が得られます。

内蔵パワーアンプで鳴らしている場合には、特に効果を発揮します。内蔵パワーアンプは外部パワーアンプと比べて出力は小さいながらも、役割は同一です。それなりに電気を必要としますし、その電気の量と質が音に影響を与えることも同様です。

“バッ直”で得られるメリットは、主には2つあります。1つは安定的に電気を供給できること、もう1つはきれいな電気を得られることです。ちなみに純正の配線をそのまま使う場合には、メインユニットの裏のカプラーから常時電源を取ることになるのですが、そこに来ている電源ケーブルはその先で他の電装品と配線を共用しています。なので他の電装品が電気を多く使うときには多少なりとも供給量に影響が出ますし、他の電装品から発せられる電気的なノイズを拾ってしまうことも有り得ます。

しかしバッテリーとダイレクトに繋げば、他の電装品の影響を切り離せられます。大元のバッテリーは同じですから根本は変わらないとはいえ、状況をシンプル化できることは確かで、それによって得られる利点は小さくありません」

カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ。

“バッ直”を行う際には、マイナス側の配線も見直すと一層効果的!

“バッ直”のメリットについてさらに詳しく教えてもらった。

「より良いケーブルを使えるようになることも、“バッ直”によって得られるメリットです。純正の電源線は細く、そして質もあまり良くありません。しかし“バッ直”を行えば、メインユニットの消費電力量に見合う太さが確保されたケーブルを使えますし、質の良いものを選べます。

なお当店ではメインユニットの“バッ直”を行う際には、マイナス側の配線もやり直します。プラス側の配線に使ったケーブルと同等のケーブルに交換し、さらにボディアースするポイントも見直します。そうすることでプラス側の配線との電位差をなくせますから。“バッ直”では、マイナス側の配線の交換もセットだと考えています」

さらには、こんなテクニックも教えてもらえた。

「キャパシターの導入も有効だと思います。これも外部パワーアンプを使う際の音質向上策として一般的に行われていることですが、メインユニットに対して実行しても確実に効果を発揮します。

効果が得られるメカニズムは以下のとおりです。キャパシターを導入すると、メインユニットの内蔵パワーアンプが瞬間的に多くの電気を必要とするときに、必要な電力量を迅速に補えます。

結果、ツイーターはより繊細に動けるようになるので情報量が増え、ミッドウーファーもしっかり動けて確実に止まるようになりますから、中低音の解像度も上がります。メインユニットとスピーカーのそれぞれのポテンシャルを、一層引き出せるようになるんです」

カロッツェリア・車種専用10V型サイバーナビ。

キャパシターはメインユニットの近くに設置すベシ!

キャパシターの取り付け方についても教えてもらった。

「キャパシターは、メインユニットの近くに設置するほど効果を発揮しやすいです。瞬間的な電気の不足を補うためのものですから、遠くに設置すると十分な効果が望めなくなってしまいます。

ただし、メインユニットのすぐ裏側に取り付けるのは困難です。メインユニットに用いるキャパシターは小型のモデルで良いとはいえ、それを設置するスペースがない場合がほとんどです。となるとベストな場所は、センタークラスターパネルの下側のセンターコンソールと繋がっているあたりになると思います。その周辺でスペースを見つけて、他の機器とぶつからないようにしっかりと固定します」

その他のテクニックについても教えてもらった。

「その他では、端子やギボシをより良いものに変更するのもアリだと思います。高音質がうたわれているショートパーツもいろいろと存在しています。“バッ直”を行う際に、パワーケーブルの端子に通電性の良いものを使ったり、メインユニットのスピーカー出力とスピーカーケーブルとを繋ぐギボシにより良質なものを用いても、少なからず高音質化が果たせると思います。

あと外部パワーアンプを使う場合には、RCAハーネスを高音質なものに交換するという作戦も有効だと思います。ハイエンドメインユニットの各モデルに専用の高音質RCAハーネスがケーブルメーカーからリリースされています。ラインケーブルを良いものに交換するのでしたらそのときに、RCAハーネスも合わせて交換するとベストです。

ご来店いただけましたら、他にもさまざまな音質向上プランをご提案できると思います。お気軽にお越しください」

このように、メインユニットはそのままでそこからもう1ランク音質向上を果たせる方法がさまざまある。当記事を参考に、ぜひともトライを♪

《text:太田祥三》

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