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追求するほど楽しさ倍増! カーオーディオの“こだわりポイント”を大解説 Part4 外部パワーアンプ編 その1 こだわるべき理由とは?

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外部パワーアンプの一例(シンフォニ/クワトロリゴ)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオにはこだわるべきポイントがさまざまある。そしてそれぞれにこだわればこだわるほど楽しさも増していく。当特集ではその1つ1つを深掘りしている。今回からは「外部パワーアンプ編」に突入し、まずはこれにこだわるべき理由を解説する。

メインユニットに内蔵されているパワーアンプには、高性能を望めない!?

外部パワーアンプは、必ずしも導入しなければならないものではない。なぜなら、純正でも市販品でもほとんどのカーオーディオメインユニットにはパワーアンプが内蔵されているからだ。それを使えば音は出せる。しかし、音にこだわろうとする多くのカーオーディオ愛好家は、最終的にはなんらかの「外部パワーアンプ」の導入に踏み切る。その理由はズバリ、「より良いサウンドを得るため」だ。

つまり、メインユニットに内蔵されているパワーアンプよりも外部パワーアンプの方がおしなべて高性能だ。なのでそれをを使った方がより良い音を得られやすくなる。さて、外部パワーアンプの方が高性能であるその理由は何なのかと言うと…。

それは、「外部パワーアンプは“制約”が少ないから」だ。対して内蔵パワーアンプにはより厳しい制約が課せられている。制約とは主には2つある。1つが「スペース的な制約」で、もう1つが「コスト的な制約」だ。

というのもパワーアンプは基本的に、性能を上げようとすると筐体が大きくなっていく(一部、筐体が大きくなりにくいタイプもある)。しかしメインユニットに内蔵されているパワーアンプは大きくできない。市販メインユニットのサイズは1DINもしくは2DINだ。純正のメインユニットも概ねそのくらいの大きさだ。そもそも小さい。

しかもそのスペースの中にさまざまなメカを詰め込まなくてはならない。ゆえにパワーアンプに割り当てられるスペースはごくわずかだ。なので大きなパーツは使えないし入れられる数も限られる。ゆえに高性能なパワーアンプに仕上げにくくなる。

そして、パワーアンプのパーツばかりにコストを掛けられるはずもない。さらに言えば、多くの機種はリーズナブルに仕上げないと価格競争を勝ち残れないので、上級パーツをおごれない。こうしてメインユニットの内蔵パワーアンプの性能は頭打ちになりがちとなる…。

外部パワーアンプの一例(モレル)。

外部パワーアンプなら、瞬間的に多くの出力が必要なときでも余裕で対応!

対して外部パワーアンプはある程度大きく作れるし、他のメカを持たないのでパワーアンプのためだけにコストを掛けられる。その結果がどのように音に効いてくるのかと言うと…。

まずはパワーに違いが出る。パワーと性能は正比例するものではないが、内蔵パワーアンプと外部パワーアンプとではパワーの違いは相当に大きく、その差は音にもそれなりに影響する。

例えば、クルマのエンジンを思い浮かべてほしい。ハイパワーなエンジンは高速走行時にも余裕がある。なので追い越しをしようとするときにはそこからの加速も可能だ。しかし軽カーでは、高速走行時にはそもそも目一杯の走りとなり、追い越しをしようとしても加速が鈍い。

パワーアンプでもそれと似たようなことが起こる。出力が小さな内蔵パワーアンプでは、大きな音量で聴いているときには余裕がなく、瞬間的に大きなパワーが必要になってもそれに対応し難い。結果、演奏の抑揚を音楽性高く再現しづらい。しかし外部パワーアンプは、大きな音量で聴いているときでも余力があるので、瞬間的に大きなパワーが必要になってもそれに素早く対応できる。ゆえにより音楽性高く楽曲を再生できる。

そして外部パワーアンプなら、解像度高く演奏を再現できる。つまり、よりきめ細やかな表現が可能となる。結果、各楽器の音の分離も良好になり、1音1音の粒立ちも良くなる。そして全体の鮮度感も高まる。

外部パワーアンプの一例(プラグアンドプレイ)。

外部パワーアンプを使うと、サウンドステージの見通しも良くなる!

外部パワーアンプはさらに、S/Nも良好だ。S/Nとは、音楽信号(シグナル)とノイズの比率を表すスペックだ。

で、ハイグレードなパワーアンプほど信号に含まれるノイズ量が少なくなるので、サウンドステージの見通しが良くなる。なので上級モデルでは音と音との間にある空間までも感じ取れたり、無音のときの静寂感も高くなる。

また外部パワーアンプは、スピーカーの振動板を動かす力とそれを止める力も高い。そうであると振動板が機敏に動くので、音の滲みが少なくなる。結果、音楽の切れ味が上がりビート感も高まる。つまり、ノリが良くなる。

そして外部パワーアンプを使って再生すると、音色も豊かになる。音源どおりに音色が濃くなり、さらには各機ごとの特長も現れ、クールに音楽が再現されたり、しっとりと楽曲が表現されたりもする。なのでモデルによる持ち味も楽しめるようにもなる。

このように外部パワーアンプは、「スペース的な制約」と「コスト的な制約」から解き放たれることにより、より高性能なパーツをより多く使え、かくしスペックも上がり、充実したサウンドを聴ける。というわけなので、より手応えあるシステムを完成させたいと思ったら、外部パワーアンプを使わない手はない。そしてそのチョイスにおいてこだわりを発揮することで、システム構築をより深く楽しめる。

今回は以上だ。次回以降も外部パワーアンプを導入する際の楽しさについて解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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