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今さら訊けない“カーオーディオ”の素朴な疑問 Part4「ケーブル編」その2「ケーブルにはタイプ違いがある!?」

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ラインケーブルの一例(M&Mデザイン)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムの構築に興味を抱きつつも“分かりにくさ”を感じ二の足を踏んでいるという方々に向けて、疑問を解決していただくための解説を展開している当特集。今回は前回に引き続き、ケーブルについて説明していく。

カーオーディオで使われるケーブルは、主には3タイプがある!

当回は、ケーブルには「タイプ違い」があることを解説していく。ホームオーディオでもカーオーディオでも、使用箇所ごとで仕様の異なるケーブルが使い分けられている。

で、カーオーディオで用いられているケーブルは、主には3タイプがある。1つが「パワーケーブル(電源ケーブル)」で、2つ目が「ラインケーブル」、3つ目が「スピーカーケーブル、以上だ。

それぞれの特徴を説明していこう。まずは「パワーケーブル」から。仕様的にはこれがもっともシンプルだ。他のケーブルは2本1組になっていたりもするがこれは1本単位で成立している。構造も簡素である場合が多い。導体とそれを包む被膜とで構成されていてその他の要素が盛り込まれることは少ない。

なお「パワーケーブル」は一部キット化されている場合もあるが、基本的には切り売りされる。価格はメートル単位で定まっていることが多い。

ところで例えば小学校のときに理科の実験で使った豆電球のコードは、プラスとマイナスの2本の線が備わっていたはずだ。しかし、カーオーディオの「パワーケーブル」は1本ごとで配線される。

その理由は以下のとおりだ。クルマでは電気配線を簡略化できるように、マイナス側の電気はボディを流れてバッテリーに戻っていく。なので例えばパワーアンプの配線をする際には、バッテリーから引っ張ってくるケーブルはプラス側の1本だけで良い。そしてマイナス側はパワーアンプのそばのボディの金属部分に接続すればOKなのだ。

ちなみに「パワーケーブル」は、ケーブルの先端に何らかの端子が装着されて使われる場合が多い。バッテリーと接続する側にはバッテリーに接続しやすい端子が使われ、ボディに接続する部分にも、ボディにネジで共締めしやすい端子が装着されることとなる。

ラインケーブルの一例(オーディオテクニカ)。

「ラインケーブル」では、パワーアンプで増幅する前のデリケートな音楽信号が伝送される。

続いては「ラインケーブル」について説明していく。これはつまりは微弱な状態の音楽信号を伝送するためのケーブルだ。使用箇所は例えばメインユニットからパワーアンプ間とか、プロセッサーからパワーアンプ間等で使われる。

ちなみに、「ラインケーブル」はメーカーごとで呼び名が違っていたりする。そうである理由は定かではないが、他では「オーディオケーブル」とか「インターコネクトケーブル」と呼ばれることもある。

またカーオーディオの「ラインケーブル」は“RCA”タイプのプラグが装着されている場合がほとんどなので、「RCAケーブル」と呼ばれることも結構多い。

で、「RCAケーブル」はここで挙げている3つの中で、もっとも構造が複雑だ。大抵2本1組みとなっていて(Lchの音楽信号とRchの信号の両方を伝送するため)、1本ごとでプラス線とマイナス線のそれぞれが合体されて完成品となっている。そして先述したとおり両端にはプラグも装着済みだ。

なおそのプラグが装着されて完成品となっていることにより、基本的には切り売りはされない。そのかわり、長さ違いがさまざま用意されている。とはいえ、長さ違いのバリエーションはそれほど細かくはない。1m刻みとかそれに準じた設定となっていることが多い。

また「ラインケーブル」は、エントリーモデルと高級品との価格差が特に大きい。なぜなら、コストを掛ければ掛けるほど音に効くからだ。なにせ中を通る信号は微弱な状態であるので外来ノイズの影響を受けやすい。ゆえに、その対策を盛り込むほどに効果も如実に現れる。結果、手が込んだ、そして高級素材が使われた超ハイグレードモデルも作られることとなるのだ。

スピーカーケーブルの一例(M&Mデザイン)。

「スピーカーケーブル」は左右で長さを揃えるのが基本だが、片側が余ってしまう場合には…。

最後に「スピーカーケーブル」について説明していく。まずこれは、パワーアンプとスピーカーを結ぶケーブルだ。つまりパワーアンプで増幅し終わった電気的にハイレベルな音楽信号を伝送するためのものである。

構造的には「パワーケーブル」ほどではないがそこそこにシンプルだ。プラス線とマイナス線とが2本1組となっていてその点では「パワーケーブル」よりも複雑だが、1本1本の構造は「パワーケーブル」と大きくは変わらない。

なおタイプ違いが存在している。プラスとマイナスの2本のケーブルが並行状態になっているものと、2本が寄り合わされているもの(ツイスト型)、そして4芯タイプの3つがある。で、それぞれで音的な特長もあるとも言われているが、グレードによっても変わってくるので一概には言い難い。

ところで「スピーカーケーブル」は、左右のスピーカーに対してそれぞれ個別に配線することになるのだが、左右の長さは同一にするのが基本だ。ただしパワーアンプの設置場所によっては、ケーブルの長さを左右で同じにするとどちらかが多く余ってしまう場合も出てくる。そのときはどうすれば良いのかと言うと…。

これについては意見の分かれるところでもある。余らせるよりは短くした方が総合的に弊害が少ないという意見もあれば、片側が余ったとしても同一にした方が音的に有利という意見もある。

ただ、余らせる(長さを左右で揃える)場合には、余った部分の処理には気を付けるべきということは事実だろう。特にくるくると丸めておくのは避けた方が良いとされている。このようにするとその部分がコイルの状態になるので音に悪影響が出かねない。そうではなく、ゆったりと蛇行させるようにしておくのがセオリーとされている。

今回は以上だ。次回も素朴な疑問を解決するための解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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