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最新のカーオーディオ市場のトレンドが分かる!? 『CAOTY2018』分析 Part5

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“ロックフォード・フォズゲート”や“グラウンドゼロ”といった欧米の人気カーオーディオブランドの製品を多数正規輸入している“イース・コーポレーション”。同社が発表した『CAOTY2018』のランキング分析をお届けしている。

なお同社が取り扱いを行っているブランドの総数は、約30社にも上っている。それらの実売数ランキングであるこの結果を解析することで、現在のカーオーディオ市場のトレンドまでもが見えてくる。

今回はその最終回として、以下の5部門について解説していく。

【CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー) 2018】
http://www.escorp.jp/special/caoty2018

定番モデルが順調な売り上げを記録した『パワードサブウーファー部門』。

ロックフォード・フォズゲート JPS-100-8

まずは『パワードサブウーファー部門』から見ていこう。

当部門では、定番モデルが安定的に支持された。ベスト5までが前回の『CAOTY2017』とまったく同一の結果となっているのだ。

詳細は以下のとおり。第1位に輝いたのは“ロックフォード・フォズゲート”の『JPS-100-8』(税込価格:4万8600円)だ。この順位を得たのはなんと7年連続。『CAOTY』が創設されて以来、1度もその順位を他に譲っていない。

当機が支持されているポイントは、基本性能が高いこと(ボディが屈強でありパワーアンプがパワフルなので音が良い)、そして77mmという薄型ゆえのインストール性の高さ、そしてウーファーグリルの内側にLEDを搭載する等ルックスにも磨きが掛けられていること、これらが総合的に評価され、人気を落とすことなく毎年売れ続けているというわけだ。

そしてこれに続く第2位、第3位には、“イース・コーポレーション”がプロデュースするオリジナルブランド、“ミューディメンション”の2モデルがラインクイン。第2位には8インチモデルの『Black Box X8』(税込価格:4万1040円)が、第3位には10インチモデルの『Black Box X10』(税込価格:4万9680円)が、それぞれ順位をキープした。

“ミューディメンション”のこれら2機種も、長きにわたって人気を集め続けている名機だ。音に真摯に向き合い、かつリーズナブルであることにこだわって開発されていて、結果、低価格でありながらも満足度高く仕上げられている。

今後もこれら3機種は、パワードサブウーファーの代表的なモデルとして、市場全体の中でも存在感を放ち続けるに違いない。

“ロックフォード”が圧倒的な強さを誇った『コンプリートウーファーボックス部門』。

ロックフォード・フォズゲート R1-1X10

続いては、『コンプリートウーファーボックス部門』の動向を分析する。

ところで“コンプリートウーファーボックス”とは、ユニットサブーウーファーとサブウーファーボックスが一体化した状態で製品化されているものだ。ゆえにボックスをワンオフする必要がなく、低音増強を画策したとき、単体ユニットサブウーファーを導入するアプローチよりも手軽にそれを行える。なので主に、エントリーユーザーから支持される製品カテゴリーとなっている。

で、ランキングの結果を見てみると…。ここでは特に、“ロックフォード・フォズゲート”が圧倒的な強さを発揮した。第1位から第7位までを、同社の製品が独占したのだ。

内訳をみていこう。まずベスト4は、『CAOTY2017』と製品の顔ぶれが同一。第1位には前回と同様に『R1-1X10』(税込価格:2万8080円)が入り、それ以降は、プライムシリーズの12インチモデル『R1-1X12』(税込価格:3万2400円)、パンチシリーズの10インチモデル『P1-1×10』(税込価格:4万3200円)、同シリーズの12インチモデル『P1-1×12』(税込価格:4万8600円)と続いた。きれいに価格順で並んでいる(前回は、第2位がパンチシリーズの12インチ、第3位がプライムシリーズの12インチ)。

“手軽”がキーワードである製品カテゴリーだけに、リーズナブルなモデルから売れていくという結果となった。

そしてその後も“ロックフォード”の上級モデルが続き、ようやく第8位に“グラウンドゼロ”の『GZIB 300XBR』が入っている。ちなみに前回第5位に食い込んでいた『GZIB 300BR』は、モデルチェンジが成されたことにより姿を消し、それに変わる新機種が第8位と第9位にランクインした。2019年はこれらも通年で売られるわけなので、ランキングを上げることは確実だろう。“ロックフォード”の牙城をどこまで切り崩せるのか…。『CAOTY2019』の結果が発表されるのが今から楽しみだ。

上級機から売れていく傾向を見せた『車種別スピーカーキット部門』。

ロックフォード・フォズゲート T3-BMW1

次いでは、『CAOTY2018』から新設された部門、『車種別スピーカーキット部門』について見ていこう。

ところで昨今は、車種専用モデルへの注目度がますます高まっている。それを受けて各メーカーとも車種専用モデルを積極的にリリースしていて、競争も激化しつつある。

そんな中で新設成った当部門だが、今回は、「“BMW専用モデル”に絞ってのランキング」とのことである。そして対象となったブランドは、“ロックフォード・フォズゲート”と“グラウンドゼロ”。ではその中身をチェックしていこう。

“初代王者”の栄誉を得たのは、“ロックフォード”の『T3-BMW1』(税込価格:11万8800円、主な適合車種:BMW1シリーズ、BMW3シリーズ他)。そしてそれに続く第2位には、グラウンドゼロの『GZCS 100BMW-A』(税込価格:5万4000円、主な適合車種:BMW1シリーズ、BMW2シリーズ、BMW3シリーズ他)が名を連ねた。

ドイツ車でありながらも、アメリカンブランドである“ロックフォード”のしかも高額製品の方が順位が上だったというところは興味深い。ハイグレードなモデルの方が好まれた、という傾向が垣間見られる。

第3位と第4位を見ても同様な傾向が伺える。サブウーファーキットがランクインしているのだが、ここでは“グラウンドゼロ”の『GZCS 200BMW-SW』(税込価格: 7万3440円 )が第3位を獲得し、第4位には“ロックフォード”の『T3-BMW-SUB』(税込価格:6万3720円)が続いている。サブウーファーキットについても、より高額なモデルの方が人気を博す形となっている。

今後はさらに製品数が増加するであろう“車種専用スピーカー”。それに即して当『車種別スピーカーキット部門』がどのように発展していくかにも注目したい。

『フルデジタルサウンド』が好調をキープした『シグナルプロセッサー部門』。

クラリオン Z3

今度は、『シグナルプロセッサー部門』を分析していく。

第1位という栄冠に輝いたのは、“クラリオン”の『フルデジタルサウンド Z3』(税込価格:13万5000円)だ。世界で唯一、“クラリオン”だけが可能としている「デジタル音源を1度もアナログ信号に変換することなくスピーカーを駆動できるシステム」である『フルデジタルサウンド』。なので、基本的にはシステム全体を『フルデジタルサウンド』のモデルで固めなければならず、いわば“完結”したシステムであるわけだ。そうでありながらも汎用機を相手にこの順位を得ているあたりは至極あっぱれだ。2018年も順調に愛用者を増やしたようだ。

ちなみに2018年には、新型ツィーター『Z2H』を登場させ進化を果たした当シリーズ。今後の展開にも期待が集まる。

それに続く第2位には、“グラウンドゼロ”の『GZDSP 6-8X』(税込価格:8万1000円)が入り、第3位には“ロックフォード”の『DSR1』(税込価格:8万4240円)が続いた。それぞれリーズナブルかつ、個性も放つ優秀機だ。『GZDSP 6-8X』では“ハイレゾ音源”への対応力が光り、『DSR1』では超小型であることが最大のストロングポイントとなっている。2019年もこれらの人気が継続することは間違いない。

逆に、“レインボウ”の『DSP1.8 + WiFi Module』(税込価格:16万2000円)が第3位から第8位へと大きく順位を落としてしまった。当機もWi-Fiでのストリーミング & サウンドチューニングが可能というこれならではの特長を備えているのだが、よりリーズナブルなモデルに人気を奪われる格好となった。魅力的なモデルであることは確かなので、2019年の巻き返しは有り得るはずだ。

新設成った『DSP搭載パワーアンプ部門』の第1位に輝いたのは…。

グラウンドゼロ GZDSP 4.80AMP

そして最後に、『DSP搭載パワーアンプ部門』を見ていこう。

ところで昨今、当ジャンルに該当するモデルのリリース速度が加速していて、“イース・コーポレーション”の取り扱いブランドからも注目モデルが続々と登場し始めている。だからこそ『CAOTY2018』より当部門が新設されたというわけだ。

とはいえ、今回は2ブランドのみでのランキングとなっている。第1位が“グラウンドゼロ”の『GZDSP 4.80AMP』(税込価格:10万8000円)、そしてそれに“JLオーディオ”の『VXiシリーズ』の各モデルが続いた。

ちなみに、このタイプの製品は通常“パワーアンプ内蔵DSP”と呼ばれることが多い。にも関わらず当部門名が『DSP搭載パワーアンプ部門』と命名されているのは、この『VXiシリーズ』の各機がランキングの中心となっているからだろう。『VXiシリーズ』の各モデルは、内蔵されているDSPが高性能であることは事実ながらも、主体はあくまでもパワーアンプ。“JLオーディオ”のパワーアンプラインナップ中の旗艦シリーズである。この独特のコンセプトを持つ当シリーズが、2019年、さらなる浸透力を発揮できるか否か…。そのあたりについても今後注目して見守りたい。

ところで、2019年の1月からは、“ミューディメンション”からリーズナブルにして高性能な注目機『DSP-680AMP』(税込価格:8万3160円)が新登場している。次回の『CAOTY2019』では当機が上位に食い込んでくるのは必至だ。今後どこまで装着車両が増えるのか、動向を注視したい。

さて、この『CAOTY2018』。カーオーディオユニットを新たに手にしようと思ったとき、予算に応じた対象部門のランキングを覗いてみると、購入計画の検討材料が多々得られる。どのようなモデルが存在し、何が人気になっているのか、さらには各機の特長までもが一目瞭然で確認できる。また、市場動向を俯瞰することも可能だ。お時間があれば各部門のランキングチェックをぜひに。参考になることウケアイだ。

《text:太田祥三》

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