アクセスランキング

最新のカーオーディオ市場のトレンドが分かる!? 『CAOTY2018』分析 Part1

カーオーディオカーオーディオ特集記事

CAOTY2018全 9 枚写真をすべて見る

“ロックフォード・フォズゲート”や“グラウンドゼロ”、“JLオーディオ”といった欧米の人気カーオーディオブランドの製品を多数ディストリビュートしているイース・コーポレーションから、今年も『CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー)2018』が発表された。

『CAOTY』とは、同社が取り扱っている製品の12月から翌年の11月までの年間実売数をもとに導き出されるランキングだ。部門数はなんと『28』にも及んでいる。1社での売り上げランキングではあるが、約30ものブランドを取り扱っている同社のデータだけあって内容は至って濃い。そこからカーオーディオ市場全体の動向をも読み取れる。

当サイトではこれから計5回にわたり、その結果の分析をお伝えしていく。2018年はどのようなタイプの製品が、どんなブランドが人気を博したのかを詳細に解き明かしていく。

【CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー) 2018】
http://www.escorp.jp/special/caoty2018

リーズナブルな“コアキシャル”スピーカーがひしめく激戦区で気を吐いたのは…。


ロックフォード・フォズゲート R165X3

まずは、『スピーカー2万円未満部門』(価格は“税込”で分類されている)の結果からみていこう。

なおスピーカーの最エントリー部門である当部門では、ランクインした製品すべてが“コアキシャル”タイプ。国産モデルには1万円台の“セパレート2ウェイ”スピーカーもいくつか存在しているが、輸入モデルでは1万円台のスピーカーの多くが“コアキシャル”タイプとなっているからだ。“コアキシャル”スピーカーは取り付け性が高く、取り付け費用も含めたトータルのコストを抑えられる。低予算でスピーカー交換を行おうと思ったら、海外ブランドの“コアキシャル”モデルに注目すると選択肢がぐっと広がる。

さて、ランキングの中身をみると…。当部門は、実力アメリカンブランドの“ロックフォード・フォズゲート”と、ドイツ発の気鋭ブランド“グラウンドゼロ”、この2ブランドのみでランキングが形成されている。

その中でトップに輝いたのは、“ロックフォード・フォズゲート”の『R165X3』(税込価格:1万1880円)。堂々5年連続でNo.1の座を射止めた。同ブランドからは16.5cm口径のモデルがもう1製品ランクインしているが(第3位、『P1675』、税込価格:1万7280円)、よりリーズナブルなモデルの方が人気を博すという結果となった。

グラウンドゼロ GZIF 4001FX

それ以外の顔ぶれは『CAOTY2017』の結果と大きく変わっていないのだが、目立って大躍進を遂げたのは第4位に食い込んだ“グラウンドゼロ”の『GZIF 4001FX』(税込価格:1万1880円)。前回の第7位からの3ランクアップを果たしている。同シリーズの16.5cmモデルより上回ったというところも興味深い。10cm口径スピーカーの需要が伸びているということを表している結果とも推測できる。なお当機は取り付け奥行き寸法が際立って短い。取り回しの良さも人気を得る原動力となっているようだ。

順位の変動が激しく、トップも交代。顔ぶれの変化も大きい『スピーカー2万円以上3万円未満部門』。


ロックフォード・フォズゲート T1675

続いては、『スピーカー2万円以上3万円未満部門』についてみていく。

当部門は比較的に順位の変動が激しく、激戦区であることが垣間見られる。まず、第1位と第2位の入れ替わりが起きている。栄えあるトップの座をゲットしたのは、“ロックフォード・フォズゲート”の16.5cmコアキシャルスピーカー『T1675』(税込価格:2万5920円)、そして首位の座を譲ったモデルが同じく“ロックフォード・フォズゲート”の16.5cmセパレート2ウェイスピーカー『R1675-S』(税込価格:2万1600円)。今回は、リーズナブルな“セパレート2ウェイ”よりも、上級“コアキシャル”モデルの方が人気を博した、という結果となった。

そして当部門でも“グラウンドゼロ”の健闘が目立っている。第4位には、前回の第9位から一挙に5ランクアップを果たした『GZIC 400FX』(税込価格:2万5920円)が食い込み、第6位と第9位にも同ブランドの製品がランクインを果たしている。なお、第4位となった『GZIC 400FX』もミッドウーファーが10cm。この口径が適合するクルマには“グラウンドゼロ”のモデルが選ばれることが多かったというわけだ。興味深い現象と言えそうだ。

ヴァイブ・オーディオ SLICK6C-V7

他では、前回ランク外だった“ヴァイブ・オーディオ”の16cm2ウェイセパレートスピーカー『SLICK6C-V7』(税込価格:2万1600円)が堂々第5位にランクインしたことに注目したい。同ブランドの16.5cm2ウェイセパレートスピーカー『BLACKAIR6C-V2』(税込価格:2万3760円)が終売となり、それに変わって躍進した格好となっている。なお、中位より下位では、ニューモデルの台頭も含め顔ぶれの変化が大きい。このことからも、当部門が激戦区であることが伺い知れる。

“ロックフォード”と“グラウンドゼロ”の人気が堅調。そこに“JLオーディオ”が絡む。


ロックフォード・フォズゲート P1675-S

次いでは『スピーカー3万円以上4万円未満部門』をみていく。

当部門では、ベスト2が前回と同一という結果となっている。第1位に輝いたのは“ロックフォード・フォズゲート”の16.5cm2ウェイセパレートスピーカー『P1675-S』(税抜価格:3万5640円)。なんと7年連続でその座を死守した。つまりは『CAOTY』が創設されて以来、1度もトップの座を譲っていない。エントリースピーカーの中の大定番モデルとしてロングセラーを継続中、というわけだ。

そして第2位が今回も“グラウンドゼロ”の『GZIC 650FX』(税込価格:3万240円)。“グラウンドゼロ”が日本において不動の地位を確保していることをここでも再認識できるのだが、同時に、“ロックフォード・フォズゲート”は別格という事実も浮き彫りとなっている。それを上回ることは“グラウンドゼロ”であっても難しい。

JLオーディオ C1-650

続いての第3位には、“JLオーディオ”の16.5cm2ウェイセパレートスピーカー『C1-650』(税込価格:3万2400円)がランクイン。発売開始が2017年の9月ということもあり前回はランクインしつつも下位にとどまったが、今回は順当に結果を出した。“ロックフォード”と“グラウンドゼロ”には及ばないものの、“JLオーディオ”の人気も堅調だ。なお同ブランドの製品は、ベスト10の下位にて2モデルがランク外からの入賞を果たしている。じわりじわりと“JLオーディオ”が攻勢をかけていることを読み取れる。

“ロックフォード”製品が不在の激戦区。さまざまなブランドのモデルがひしめき合う。


グラウンドゼロ GZRC 165AL-IV

最後に『スピーカー4万円以上6万円未満部門』について見ていく。

当部門では、各部門で圧倒的な強さを誇る“ロックフォード・フォズゲート”の製品が部門分けの妙で数が少なく、結果、“群雄割拠”的な様相を呈することとなっている。順位の入れ替わりも激しい。第1位から第8位までのモデルはいずれも前回もランクインしていたのだが、1つとして同一ランクをキープしたモデルはない。

そんな中で第1位に輝いたのは、“グラウンドゼロ”の16.5cm2ウェイセパレートスピーカー『GZRC 165AL-IV』(税抜価格:4万1040円)。前回は、発売開始時期が2017年の4月で集計対象期間が短かったこともあり第2位に甘んじたのだが、今回はそのビハインドがなくなり、貫禄の第1位に輝くことと相成った。

JLオーディオ C2-650

それに続く第2位を得たのは、“JLオーディオ”の『C2-650』(税込価格:4万8600円)。前回の第5位からの躍進を果たした。ここまでに紹介した他部門でも“JLオーディオ”の成績アップが見て取れていたが、ここでも同様の傾向が見られている。

2018年、“JLオーディオ”からはスピーカーとパワーアンプのトップエンドモデルが相次いで発売開始されたのだが、それによりブランド全体に対する注目度が引き上げられた、ということだろう。2019年、同ブランドのさらなる躍進があるのか否か、注目して見守りたい。

今回のレポートは以上だ。次回は、スピーカーの残り5部門のランク分析をお届けする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

編集部ピックアップ

TOP