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最新のカーオーディオ市場のトレンドが分かる!? 『CAOTY2018』分析 Part3

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“イース・コーポレーション”が発表した、同社取り扱い製品の実売数ランキングである『CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー)2018』。その結果分析リポートの第3弾をお届けする。今回は2chパワーアンプと4chパワーアンプの各部門について見ていく。

ちなみに“イース・コーポレーション”が正規輸入している海外人気カーオーディオブランドの数は、約30社にも上っている。それらの人気の動向を解析することで、現在のカーオーディオ市場のトレンドをも浮き彫りにしようと試みている。さて、パワーアンプについてはどのようなユーザーニーズの変化が見られたのか…。じっくりとお読みいただきたい。

【CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー) 2018】
http://www.escorp.jp/special/caoty2018

定番モデルが好調に売れた『2chパワーアンプ6万円未満部門』。


ロックフォード・フォズゲート R150X2

まずは『2chパワーアンプ6万円未満部門』の結果から紹介していこう。当部門は、ランキングを構成する顔ぶれに大きな変化はなく、順位の変動も少なめだった。

第1位に輝いたのは、“ロックフォード・フォズゲート”の『R150X2』(税込価格:2万8080円)。第2位以下に大差をつけて6年連続でその栄誉を得ている。そして第2位には“グラウンドゼロ”の『GZIA 2235HPX-II』(税込価格:3万4560円)が、昨年に続き今年もその地位をキープした。

第3位と第4位は入れ替わっている。ともに“ロックフォード”のモデルで価格もほとんど変わらない『P300X2』(税込価格:5万6160円)が第3位となり、『PBR300X2』(税込価格:5万8320円)がそれに続いた。ここ数年、超小型アンプが人気を博す傾向が顕著だったのだが、今回ここではそれが少々人気を落とす結果となった。超小型パワーアンプの人気動向にも変化が生まれ始めている、ということなのか否か…。この点については他部門の結果も見ながら結論づけたい。

顔ぶれも順位も変動が大きかった『2chパワーアンプ6万円以上部門』。


グラウンドゼロ GZHA 2400XII

続いては『2chパワーアンプ6万円以上部門』の結果を見ていく。こちらはなかなかに動きがあり、見どころが多い。

ただし、第1位は昨年と同じく“グラウンドゼロ”の『GZHA 2400XII』(税込価格:7万9920円)。“グラウンドゼロ”の人気はもはや不動だ。総合的には“ロックフォード”との差はなかなか埋まらないものの、それに続くセカンドブランドという地歩は確実に固まっている。

で、第2位以下の顔ぶれと順位がガラリと変化している。変動を生んだことには2つの要因が考えられる。1つは、「“ロックフォード”の人気ライン『パワーシリーズ』の2chモデル『T600-2』と『T400-2』が終売となってしまったから」だ。特に『T600-2』は、昨年こそ第1位を譲ったものの長年トップの座を守り続けていた人気機種。それがなくなったことで同ブランドの他モデルへとニーズが流れ、『P500X2』(税込価格:7万8840円)が2ランクアップして第2位に、『T400X2ad』(税込価格:8万6400円)が4ランクアップして第3位に躍り出る結果となったと思われる。なお後者は、従来の『パワーシリーズ』とは一線を画すラインに属する機種ではあるが、品番の“T”の文字が示すとおりこちらも『パワーシリーズ』のモデルである。であるので当機が、従来の『パワーシリーズ』人気を引き継ぐ機種の本命だと思うのだが、果たして…。

オーディオウェーブ・Aspire Pro JDP

そして、ランクの変動を生んだもう1つの要因とは「スーパーハイエンドモデルが売り上げを伸ばしたから」である。なんと第4位には“オーディオウェーブ”の『Aspire Pro JDP』(税込価格:70万2000円)が食い込んだ。さらに第8位に同『Aspire Pro CA JDP』が、第10位には“グラウンドゼロ”の『GZPA Reference 2PURE』が入っている。ともに税込価格で80万円オーバー、70万円オーバーの高額モデルだ。さて、2019年も“スーパーハイエンド”の攻勢が続くのか。この点にも興味が尽きない。

人気モデルが好調な売れ行きをキープした4chパワーアンプ6万円未満部門』。


グラウンドゼロ・GZIA 4115HPX-II

次いでは『4chパワーアンプ6万円未満部門』について見ていこう。

ところで当部門では、全体的に製品数が少なくなりつつある傾向も伺える。メインユニットの内蔵パワーアンプの性能が上がっていることもあり(特にハイエンドメインユニットにおいて)、リーズナブルなパワーアンプに対するニーズが、少なからず落ち込みつつあるのかもしれない。

とはいえ、人気モデルは好調な売れ行きを持続している。“グラウンドゼロ”の『GZIA 4115HPX-II』(税込価格:3万6720円)が“ロックフォード”の人気モデルとのガチな闘いを制して、前回に引き続き第1位の栄冠に輝いた。

そしてそれに続いたのが“ロックフォード”の2機種だ。第2位に『PBR300X4』(税込価格:5万8320円)が、第3位に『R300X4』(税込価格:4万6440円)がそれぞれ入った。なお、『2chパワーアンプ6万円未満部門』の解説で、超小型アンプの人気に陰りが出つつある可能性について言及したが、『2chパワーアンプ6万円以上部門』の『T400X2ad』もしかり、ここでも『PBR300X4』が順位を上げているわけで、超小型アンプ人気がまだまだ勢いを失っていないことが確認できた。

それ以降では、“ヴァイブオーディオ”のモデルが3機種ランクインを果たしているところが注目点。同社はリーズナブルな製品開発にもこだわりを持っているブランドだ。今後も、手軽にカーオーディオを楽しみたいと思うユーザーにとっての頼れるブランドとしても、存在感を放ち続けるに違いない。

“ロックフォード”が勢いを復活させる形となった『4chパワーアンプ6万円以上10万円未満部門』。


ロックフォード T400-4

次いでは、『4chパワーアンプ6万円以上10万円未満部門』の結果を見ていこう。

当部門では、上位に目立った動きがあった。前回まで3年連続で第1位を守っていた“グラウンドゼロ”の『GZHA 4200XII』(税込価格:6万6960円)が2ランクダウンを喫し、“ロックフォード”の2モデルの後塵を拝する形となっている。

代わって第1位の座を奪取したのは“ロックフォード”の『T400-4』(税込価格:8万6400円)。そして第2位に同『T400X4ad』(税込価格:8万6400円)が続いている。なおこの結果が生まれたことには、『パワーシリーズ』の2chモデルが終売となったことも無関係ではなさそうだ。“ロックフォード”ファンのニーズが、少なからずこれら2機種にも流れているに違いない。

そしてそれ以外では、超小型パワーアンプの健闘も目立っている。第4位に“JLオーディオ”の『MX280/4』が1ランク順位を上げて食い込み、第5位に“グラウンドゼロ”の『GZRA Micro Four』が1ランク順位を下げながらも入線。そして第7位にも小型を特長とするモデル、“グラウンドゼロ”の『GZRA Mini Four』がランクインした。超小型 & 小型モデルの勢いは、ここでも弱まっていなかった。

終売となった『GZPA Reference 4XS』が最後、光を放った『4chパワーアンプ10万円以上部門』。


ロックフォード・フォズゲート T600-4

最後は、『4chパワーアンプ10万円以上部門』を見ていく。

当部門は、多少の入れ替わりはありつつもランキングを形成する顔ぶれには大きな変化は見られなかった。第1位から第7位までの7機種はいずれも、前回も第7位までにランクインしていたモデルだ。

第1位に輝いたのは、“ロックフォード”の『T600-4』(税抜価格:12万9600円)。第2位以下に大差をつけての7年連続での戴冠となっている。当機のみが別次元にいる、という様相を呈している。

このように全体的には動きが少なかったのだが、なんと第2位には意外なモデルが名を連ねた。前回の第6位からの大ジャンプアップを果たし、“グラウンドゼロ”の『GZPA Reference 4XS』(税込価格:31万8060円)が食い込んだのだ。

グラウンドゼロ GZPA 4SQ

ただし、今後当機を新たに手にすることは叶わない。昨年の終盤に販売終了となってしまったからだ。手頃な“Reference”パワーアンプとして人気が高かっただけに、終売を惜しむ声が各所から聞こえてきた。なお、当機の後継機、『GZPA 4SQ』(税込価格:26万4600円)はすでに日本上陸を果たしている。“Reference”の称号は外れたがその分価格が手頃となった当機が、『GZPA Reference 4XS』の人気を受け継げるのか否か…。この点も2019年の注目ポイントの1つだろう。

今回はここまでとさせていただく。次回は、サブウーファーの各部門のランキング分析をお届けする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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