カーオーディオを趣味とするなら、製品選びの段階からこれを満喫すべきだ。当コーナーでは、そのときに参考としていただけるような情報の提供を目指し、ユニット選びの“傾向と対策”を解説している。現在は「ケーブル編」をお届けしている。
今週からはテーマを「スピーカーケーブル」に変えてお贈りする。
さて、これまで解説してきたとおり、「ラインケーブル」はエントリーモデルから超ハイエンドケーブルまでの価格差が相当に大きい。しかしながら「スピーカーケーブル」の場合は、トップエンドモデルの価格は「ラインケーブル」ほどではない、というメーカーの方が多い傾向にある。一部、かなりの高額製品も存在しているものの、全体的な傾向としては、「ラインケーブル」よりも価格は低めだ。
特に、最エントリークラスともなると、確実に「ラインケーブル」より手頃だ。1mあたり数100円というモデルから用意しているブランドも多々ある。「スピーカーケーブル」の場合はプラグを付属しないので、その分のコストがかからないからということでもあるのだが、ともかく「スピーカーケーブル」のエントリーモデルは手頃感が高い。
ところで、高級品になればなるほど太くなる傾向があるのだが、ある程度の太さを超えると、車内からドア内部へと引き回すのが相当に困難になる。場合によっては、狭いところを通す部分にだけ細いケーブルが継ぎ足して使われたり、ドアを加工するという荒ワザが用いられることもある。だが、引き回しの工賃を低めに抑えたいと思ったら、難なく通せる太さのケーブルを選んだ方がいいだろう。
また、ホームオーディオ用の高級ケーブルが使われるケースもあるが、「スピーカーケーブル」の場合は特に、“カー用”のケーブルを使った方が無難だ。耐熱対策がされているかどうか、ここが非常に重要となるのだ。
というのも「ラインケーブル」の場合には、トランク内でカーペット等の上で引き回し作業が完結することもあり、こういったケースでは高熱にさらされる心配は低く目なのだが、「スピーカーケーブル」はフロアの鉄板の上で引き回されることが多い。フロアの鉄板はかなりの高温になりがちだ。何らかの対策を講じればまだ良いが、基本的にはあまりおすすめはできない。ご注意を。
今回はここまでとさせていただく。次回も「スピーカーケーブル」のトレンド解説を続行する。お楽しみに。
《text:太田祥三》