カーオーディオを趣味とする方々に、その製品選定の段階から楽しんでいただこうと、当コーナーを連載している。今週からは新章に突入し、「ケーブル」にスポットを当てて展開していく。第1回目となる当回は、「タイプ解説」をお贈りする。
早速、本題に入りたい。カーオーディオで使われるケーブルは、主に3タイプがある。1つが「パワーケーブル(電源ケーブル)」、2つ目が「スピーカーケーブル」、そして3つ目が「ラインケーブル(RCAケーブル、オーディオケーブル)」、以上だ。1つ目と2つ目に関しては、それぞれが何のためのものかが分かりやすいと思う。「パワーケーブル」とは文字どおり、ユニットにパワー(電源)を供給するためのケーブルだ。そして「スピーカーケーブル」とは、パワーアンプとスピーカーとを繋ぐケーブルである。
そして3つ目の「ラインケーブル」とは、メインユニットとパワーアンプ間、またはメインユニットとDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)間、さらにはDSPとパワーアンプ間を繋ぐケーブルだ。つまり、パワーアンプで増幅される前の微弱な音楽信号を伝送するためのケーブルである。
なお、各ケーブルごとで構造が異なっていることもあり、それぞれを他のパートに流用することは通常はNGだ。ちなみに、もっとも構造がシンプルなのが「パワーケーブル」だ。大抵のモデルは、導体を被膜でくるんだ1本ごとで製品化されている。「スピーカーケーブル」はもう少し複雑で、かつ、タイプ違いも存在している。基本的には、“プラス”用と“マイナス”用の2本1組でできている。その2本が並行状態になっているものと、ひねってあるものとがあり、さらには4芯タイプのものまである。
「ラインケケーブル」も2本1組となっていることが多いが、こちらでは、Lch用とRch用のケーブルが対になっていて、1本ごとで“プラス”側の導体と“マイナス”側の導体とが一体化されている。そしてケーブルの両端に“プラグ”が装着された状態で完成形となっている場合がほとんどだ。
以上が、ざっとしたタイプ解説だ。
今週はここまでとさせていただく。次週からは、それぞれのケーブルのトレンド分析を開始する。お楽しみに。
《text:太田祥三》