カーオーディオライフをより楽しんでいただこうと、製品選びの“傾向と対策”を紹介している当コーナー。現在は「DSP」編をお贈りしている。今回は前回に引き続き、“個性派”モデルを紹介する。
今回取り上げるのは、「DSP内蔵パワーアンプ」だ。ちなみに先週までは、「パワーアンプ内蔵DSP」のトレンドを分析してきた。さて、この2者間での違いは何なのかというと…。
違いがないと言えばないのだが、あると言えばある。機能としては概ね同様ながら、コンセプトが異なっているのだ。言ってしまえば、「パワーアンプ内蔵DSP」では主体はDSPでパワーアンプがオマケ、しかしながら「DSP内蔵パワーアンプ」では主体がパワーアンプでDSPがオマケ、という成り立ちとなっているのだ(実際は、オマケ部分も高性能なモデルがほとんど)。
具体的に例を挙げて紹介しよう。“JLオーディオ”の『VXiシリーズ』がその好例だ。当シリーズは、同ブランドの最新フラッグシップパワーアンプだ。同ブランドがこれまで培ってきたパワーアンプに関する技術&ノウハウをフルに注入して完成させた最上級ラインである。従って当シリーズは、あくまでも「DSP内蔵パワーアンプ」なのである。
ちなみに“JLオーディオ”はパワーアンプの多くのシリーズにおいて、“ch数違い”のモデルを豊富にラインナップさせている。この『VXiシリーズ』でもそれは同様だ。モノラルchモデルから、2chモデル、4chモデル、5chモデル、6chモデル、8chモデルとバリエーション豊富に取り揃えられている。パワーアンプシリーズであるからこそ、ラインナップが充実しているわけだ。
なお当シリーズには、『VXi-HUB』という名の“VXi用マルチネットワークアダプタ”も用意されている。これを使うことで、複数のモデルを連結させて制御することも可能となる。1台の多chモデルで合理的にシステム構築することも、物量作戦的に複数を用いて大がかりなシステムを構成させることも可能なのだ。
また当シリーズは、サウンドチューニングをパソコンでもタブレットでも行えることも利点。多くの「DSP」は、パソコン、もしくはタブレット、どちらかでしかコントロールできない場合がほとんどだが、当シリーズならば時と場合に応じて操作しやすい方を選べるのだ。
さて次週からは、「単体DSP」のトレンド分析を行っていく。お楽しみに。
《text:太田祥三》