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リーズナブルで高性能!? 「グラウンドゼロ」のDSP、『GZDSP 6-8X』をテスト! Part 1「スペック解説編」

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グラウンドゼロ『GZDSP 6-8X』。全 7 枚写真をすべて見る

ドイツ発の総合カーオーディオブランド「グラウンドゼロ」。入門機からスーパーハイエンドモデルまで幅広いラインナップを誇り、それぞれが抜群のコスパを発揮する。ゆえに愛用者は、年々増加の一途だ。

そんな同社から実は、“DSP”もリリースされている。その名は『GZDSP 6-8X』。国内販売が開始されたのは2016年の5月だ。そこからじわじわと売り上げを伸ばし続けスマッシュヒットとなっているという当機。今改めて、これが支持を集めている理由を、2週にわたって検証していく。

■小型かつ低価格。インストール的にも予算的にも、“コンパクト”。

早速『GZDSP 6-8X』の特長を分析していこう。

最初に記しておきたいことは、筐体サイズ。なかなかにコンパクトなのだ。具体的な数字は、185mm×132mm×42mm。単体プロセッサーには大型のモデルは少ないが、その中にあって当機は特に小型化が達成されている。インストール性が高い。

次に注目したいのは、価格だ。税抜価格は7万5000円。ハイエンドモデルの多くは、この倍くらいの価格帯にあるので、当機は相当にリーズナブルだ。別売のリモコン(税抜価格は9000円)を併せて用意しても、合計の税抜価格は9万円を切る。

となると、スペックもそれなりなのかと思いきや、なかなかどうしてハイスペック。ほとんどの項目でハイエンド機と同等レベルが確保されているのだ。

1つ1つチェックしていこう。まず入力は、RCA、ハイレベルともに6ch備えられ、ハイレベル入力には「サミング機能(帯域分割された音楽信号を合成する機能)」も搭載されている。さらにはAUX(ミニピン)入力とオプティカル(TOSLINK)入力も装備されているので、スマホのヘッドフォン端子と当機をミニピンケーブルで接続するアナログ接続から、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)等から音楽信号をデジタル入力する高度なスタイルまで対応可能。そして出力は8ch。入出力に関して不足感は一切ない。

なお、RCA端子には金メッキがおごられている。そこからも当機が、高音質への意識が高い製品であることを伺い知れる。さて、サウンドチューニング機能はどうなのだろうか…。

■シーラス・ロジック製のシングルコアDSPは32bit/8ch/192kHz。

続いては、調整機能について1つ1つ検証していこう。まず「イコライザー」は、「ch独立31バンドパラメトリックEQ」。サブウーファーchを除く各chで、全帯域が31バンドに分けられ、各バンド内で調整する周波数ポイントとQを任意に選択できる。ハイエンド「DSP」として十二分なスペックが確保されている。なおサブウーファーchは、20Hzから200Hzの中で11バンドという設定であるが、これについても実用面において充実感は高い。

「クロスオーバー」については、クロスオーバータイプが“Butterworth”のみとなっていて、この点においてだけ、一般的なハイエンドモデルと比べ見劣りしている。ただしスロープは-6から-48dB/octまでがカバーされているので、基本能力はハイエンド機の水準にある。

「タイムディレイ」もハイエンド機としてトップレベルのスペックを持つ。ステップは0.02msec刻みで、調整幅も、0から15msec(0から510cm)と広い。車格の大きなクルマでサブウーファーを遠くに付けていても、問題なく対応可能だ。

なお、使用されているDSPは、シーラス・ロジック製の「32bitシングルコアDSP」。そして当機のオプティカル入力は、最大96kHz/24bitまでのフォーマットに対応している。つまり、“ハイレゾ音源”も聴けるのだ。音楽ソースの中の“ハイレゾ音源”率が高まってきたという方には、このスペックは心強い限りだ。

性能面全般を見渡して、死角はほぼない。

■便利機能も搭載し、かつ、オペレーション性能も高い。使い勝手は至って良好。

その上で、以下のような便利機能も備えられている。1つは「オートターンオン機能」。「ハイレベルインプット」のみではあるが、純正オーディオと連携させて使うときには有益性を発揮する。

そして便利機能がもう1つ。リモートコントローラーを使用する際に、リモコンに10件のプリセットデータを登録をでき、切替もリモコンで簡単に行えるのだ。パソコン(対応OS Windows7以上)を使って調整を行うので、パソコン内には何通りでもデータを保存可能だが、リモコンにも10パターン登録できるのであれば、シーンや気分に合わせたデータ変更を自在に行える。

調整ソフトの操作性も、なかなかに良好だ。調整画面写真を添付しているのでそちらも確認していただきたいのだが、まず「ゲイン」「タイムディレイ」「位相切替」については、すべてのchの数値が常に表示されていて、なかなかに便利。「クロスオーバー」や「イコライザー」を調整しながら、画面切換なしで任意のchの「ゲイン」「タイムディレイ」「位相切替」をダイレクトに操作できるのだ。

「タイムディレイ」に関しては、実測した距離を入力しその数値で調整を進められ、またはその調整状況を表示させたまま、時間で入力する欄も使用可能。好みの方法で煮詰めていける。

ちなみに、調整画面の左側に「chセッティング」という項目があるが、ここに表示されている鍵マークをロックさせると、「クロスオーバー」と「イコライザー」の値を左右共通にすることもできる。

機能、使い勝手ともにほぼほぼトップクラスの実力を有していながら、群を抜いてリーズナブルな当機。“買い”である要素を多々有している。人気を呼んでいるのも頷ける。

さて次週は、サウンドインプレッション・リポートをお贈りする。機能のみならず、音的にもコスパの高さの発揮できているのか、否か。その結果を詳細にお伝えする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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