クルマの中で良い音を聴きたいと思ったら、“カーオーディオ・プロショップ”へ行こう。というわけで、“カーオーディオ・プロショップ”がどんなところなのかを、あれこれとご紹介している。今週は“プロショップ”に設置されている、「デモボード」の活用術をお伝えする。
先週の当コーナーで、“カーオーディオ・プロショップ”には「デモボード」(スピーカーを試聴できる設備)なるものがあることをご紹介した。今週は、これをどう利用すべきかについて、お伝えしていこうと思う。
大切なことを、順番にご紹介していく。まず1つ目は「好きなCDを持っていくこと」。
やはり普段聴きなれた曲でないと、スピーカーの良し悪しや傾向がつかみにくい。どんなジャンルの音楽でも構わない。好きな曲がどう聴こえるのか。ボーカルの声質や、各楽器の音色、高音、中音、低音のバランス、質感、それらもろもろが、いつもと同じに聴こえるのか、違って聴こえるのか。違っていた場合、それを心地良いと思えるか、違和感と感じるのか。そのあたりをじっくりと聴き込んでいただきたい。
できるならば、試聴用の「マイベスト」盤を作って持っていくと良いと思う。曲を変えるごとにCDを入れ替えてもいいのだが、その間に印象が薄まってしまうし、単純に時間がもったいない。特に好きな曲を数曲、できれば楽器編成が異なった曲を集めておこう。そんなCDを作る作業もまた楽しい。ぜひぜひ「マイベスト」盤を作っておこう。
あと、お店によっては、USBや、iPhone等の音源が聴けるようになっている場合もあるはずだ。CDが聴けないケースはほとんどないと思うのだが、念のため、メディアは複数用意しておくと安心だ。せっかく足を運ぶのだから、その時間を目一杯、有効活用したいところだ。「あー、あれを持ってくればよかった…」と思うことがあるともったいない。音源は多めに持っていくことをお薦めしたい。
そして大切なことをもう1つ。「スピーカーを切り替えたら、自分が動く」。できるだけ、同条件でそれぞれを聴き比べるべきだ。その観点で考えると、聴いているスピーカーと自分との位置関係が、常に同じになるようにしたいところだ。切り替えたら都度、立つ(座る)位置を変えながら試聴していこう。
さて、今週はここまでとさせていただく。次週以降も、“カーオーディオ・プロショップ”の賢い利用方法について話を進めていく。
《text:太田祥三》