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【カーオーディオ・プロショップへ行こう♪】プロの「サウンド・チューニング技術」の凄さとは? その4“左右独立31バンドイコライザー”後編

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ダイヤトーン・サウンドナビの“左右独立31バンドイコライザー”調整画面。全 1 枚写真をすべて見る

今月の当コーナーは、“カーオーディオ・プロショップ”の「サウンドチューニング技術」の凄さをご紹介している。今回は、先週に引き続き、“左右独立31バンドイコライザー”を、プロがどのように使いこなしているのかを解説していく。

先週は、“左右独立”の意味について解説した。今週は、“31バンド”の意味するところを考察していく。

ちなみに、人間の可聴帯域は、20Hzから20kHz、と言われている。であるので、カーオーディオの「イコライザー」も、その全範囲をカバーする。20Hzから20kHzとは、音階で言うと約10オクターブの広さだ。そして“31バンド”とは、その約10オクターブを1/3オクターブで刻んでいる、という次第なのである。

“プロショップ”では、測定機を用いたりあるいは聴感で特性の乱れを探っていき、1/3オクターブ刻みで、不正に盛り上がってしまっている箇所(ピーク)を下げ、不正に欠落してしまっているところ(ディップ)を上げて、特性をフラットに戻すべく、「イコライザー」を操作していく。

これを扱う上での具体的なテクニックを1つ、ご紹介してみよう。

楽器の音は、“基音”と呼ばれる音程を決める成分と、“倍音”と呼ばれる音色を決める成分とで成り立っている。“倍音”とは“基音”に対して整数倍の周波数の音である。例えば基音が440Hzだったとしたら、2倍の880Hz、3倍の1.32kHz…、というように幾重にも倍音は重なって乗っていく。

であるので、周波数特性の乱れも、倍音にまで影響を及ぼすという現象が、往々にして出現する。880Hz付近がピークになっていたとき、440Hz付近の乱れが原因となっていたり、ということが起こり得るのだ。なので“プロショップ”は、特性の乱れを見つけたら、その1/2、1/3の周波数帯もケアしていくのだ。

ということで“プロショップ”は、1/3オクターブ刻みで特性の乱れを検知し、さらには各音の“倍音”の影響も考慮しながら、乱れに対して補正をかけていく。それを“左右独立”で調整していくのである。

“プロショップ”の凄さを、なんとなくでも感じていただけただろうか。“左右独立31バンドイコライザー”ともなると、現実問題、一般人でこれを的確に運用することは、ほぼ不可能と言っていいだろう。しかしプロならば、これを的確に操作できるのだ。

さて次回は、その他の調整項目について、それをプロがどう扱っているのかを解説していく。来月も引き続き、“プロショップ”の「サウンドチューニング技術」の凄さについて掘り下げていく。

《text:太田祥三》

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