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「DLS」の新たな旗艦パワーアンプ『Sシリーズ』の魅力に迫る![カーオーディオ 名機の系譜]第25回

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カーオーディオ愛好家に親しまれている、または羨望の眼差しを向けられている“名機”を1つ1つピックアップし、各機の“名機”たる理由やそれぞれの魅力を紐解いている当シリーズ。今回は「DLS」の旗艦パワーアンプにスポットを当てる。

◆ハイエンドスピーカーブランドというイメージの強い「DLS」。しかし実は…

スウェーデン発の実力カーオーディオブランドDLSは、どちらかというとスピーカーメーカーという印象が強い。その理由はズバリ、旗艦スピーカー『スカンジナビア』シリーズの誉れが高いがゆえだろう。このロングセラーを続けるトップエンドスピーカーのインパクトが強く、同社のことをハイエンドスピーカーブランドだとイメージしている愛好家は少なくない。

しかし同社は、リーズナブルなエントリースピーカーも用意していて、さらにはパワーアンプもラインナップする。しかも、パワーアンプも2ラインを持つ。フラッグシップグレードの『シグネチャー』シリーズと、レギュラーラインとなる『CCi』シリーズ、この2つだ。

ところで同社は実は、2019年に設立40周年を迎えた。つまり同社は、世界に数あるカーオーディオブランドの中でも長い社史を有するメーカーの1つだ。で、今回取り上げるこの『シグネチャー シリーズ』は、40周年を記念するモデルという側面も持つ。

なおこれが日本にて紹介されたのは、2022年の2月だ。DLSをディストリビュートしている「フェリースソニード」が大阪オートメッセ2022に出展し、そこで初めてお披露目され発売が発表されている。

◆パワーアンプの設計担当者、ゴードン・テイラー氏の渾身の一作!

ちなみに“シグネチャー”とは署名という意味の単語だが、当シグネチャー・シリーズにおいてはDLSにてパワーアンプの設計を手掛けているゴードン・テイラー氏の署名入りモデルという意味を持つ。つまり、氏の経験と技術が凝縮された渾身の新パワーアンプ、というわけだ。

では、シグネチャー・シリーズのラインナップを紹介しよう。本国ではモノラルモデルも存在するが、日本では以下の2機種展開となっている。

○4chAB級パワーアンプ『S-4』(税抜価格:20万円)
○2chAB級パワーアンプ『S-2』(税抜価格:16万円)

このように価格が上なのはS-4の方だが、1ch当たりのプライスはS-2の方が高い。ゆえに1chあたりのパワーもS-2の方が上回っている。というわけで、性能を重んじるならS-2に注目したい。しかし使いやすさを重視するならS-4が利を放つ。

なお4Ω接続時の定格出力は、S-4が90W×4で、S-2が110W×2だ。そして両機とも2Ω接続と、4Ωブリッジ接続にも対応する。なのでインピーダンスが2Ωのスピーカーも駆動でき、サブウーファー用のパワーアンプとしても活用可能だ。対応力が幅広い。

◆音にこだわる向きにはうれしい、「フィルターバイパス機能」も搭載!

ところで両機ともクロスオーバー機能を搭載しているので、サブウーファーとドアスピーカーに対しての再生範囲の割り振りを行える。しかしながらこのクラスの外部パワーアンプが使われる場合にはプロセッサーにて「クロスオーバー」がかけられることも多い。そんなケースも見越して、フィルター回路をバイパスできる機能も搭載済みだ。内部ジャンパーを切り替えることで、音楽信号をフィルター回路に通さずダイレクトに増幅回路に送り込める。

ところで、サイズはS-4の方が大きい。高さ(54mm)と幅(129mm)は同様だが、奥行きはS-4が320mmでS-2が260mmだ。とはいえともにAB級パワーアンプとしてはコンパクトなので、多くの車種でシート下への搭載も可能だろう。インストール性も高い。

ちなみにDLSのスタンダードパワーアンプ、CCi シリーズも、4chモデルと2chモデルの2機種展開だ。前者が「CCi44」(税抜価格:13万円)で、後者が「CCi2」(税抜価格:10万円)だ。これらもAB級でありながらサイズは大きくない。シグネチャー・シリーズの各機とそれぞれ同等サイズで仕上げられている(高さのみそれぞれ数mm異なる)。

使いやすい上級パワーアンプを探していたというのなら、DLSのシグネチャー・シリーズは候補となり得る。興味があればぜひともチェックを。

《text:太田祥三》

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