カーオーディオでは、サウンドチューニング機能を積んだメカである「プロセッサー」が活躍する。当連載では、その使い方をレクチャーしている。本命の設定はプロに任すべきだが、自分でやっても楽しめる。興味があればぜひともトライを。
さて現在は、「イコライザー」の使い方を紹介している。なお「イコライザー」はサウンドの風合いを好みどうりに変えるための機能でもあるが、本格的な仕様の「イコライザー」では「周波数特性の乱れ」も整えられる。ちなみにいうと「イコライズ」という単語には「等しくする」とか「同じにする」という意味があり、名称的にはむしろ「周波数特性の乱れ」を整えるための機能だ。
で、これまでは「周波数特性の乱れ」を把握する方法を紹介してきたが、実はプロは、精密な測定器を使ってそれを見つけ出すこともある。しかしそのような機械は当然ながら高額かつ使いこなすのが難しく、一般ドライバーはこれを活用できない。
でも簡易的な測定器はあり、最近ではスマートフォンアプリでも測定器機能を持つものがさまざまある。興味があれば「測定器」とか「RTA」や「リアル タイム アナライザー」等のワードで検索してみよう。無料のアプリもいくつか見つかるはずだ。
ただし、スマホにて測定することになるのでマイクの性能にも限界があり、厳密な結果は得難い。活用する場合にはそのことを頭の片隅におき、参考として使ってみよう。
測定の仕方は以下のとおりだ。まずはネット等で「ピンクノイズ」をゲットしよう。これは音響機器の測定で用いられることの多い「テスト信号」の1つだ。当信号には、可聴帯域のすべてにわたる“雑音”が含まれている。これをカーオーディオにて再生し、スマホを目の前にかざして測定器アプリにて測定する。
で、全帯域にわたりフラット(平ら)な状態になっているとベストだが、そうなることはまずない。音量が大きくなっている部分や小さくなっている部分がさまざま見つかる。それらを「イコライザー」にて下げたり上げたりしてみよう。そうして再び測定し、先ほどの結果と見比べて全体がフラットな特性に近づいていればOKだ。
とはいえ、その操作をした後に普段から聴きなれている楽曲をかけて、聴感でも確認してみよう。そしてもしもサウンドが不自然になっていたら、設定を見直そう。最終的には、聴感上の印象を大切にした方がより良い結果に近づけられる。
ところで測定は、近くをクルマが頻繁に通るような騒々しい場所で行うのはNGだ。このことはお忘れなきように。
今回は以上だ。次回は「周波数特性の乱れ」を見つけ出すその他の方法を紹介する。乞うご期待。
《text:太田祥三》