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「イコライザーは低いバンドから操作」が鉄則!?[詳説 プロセッサー活用術]第2章「イコライザー編」その7

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純正スピーカーの取付位置の一例。全 1 枚写真をすべて見る

カーオーディオでは、「サウンドチューニング機能」を上手く扱えるか否かでも最終的な聴こえ方が変化する。なおその設定は簡単ではなく、プロに任せた方が安心だ。しかしそれと並行して自分でもやってみると楽しめる。当コーナーはそのコツを紹介している。

さて前回は、「周波数特性の乱れ」を見つけ出す方法を紹介したが、それに続いて当回では、それを修正する際のコツを解説する。

で、前回は「ピーク(音量が増幅すること)」が発生している周波数帯の見つけ方を紹介したわけだが、それが見つかればそのバンドのツマミを少し下げるとサウンドがすっきりする。ただし、この操作を行うにあたり1つ重要な注意点がある。

それは、「音程の低いバンドから操作する」というものだ。

そうである理由は以下のとおりだ。音は、音程を決定づける「基音」と呼ばれる成分と、音色を決定づける「倍音」と呼ばれる成分とで成り立っている。なお「倍音」の周波数は、「基音」の周波数の整数倍となる。例えば、ギターのチューニングを行う際に基準の音として使われる「ラ」の音の「基音」は440Hzで、その「倍音」は2倍の880Hz、3倍の1.32kHz…、というように440Hzに整数をかけた周波数となっている。そしてこの「倍音」が幾重にも重なり合い、そのギターならではの音色を醸し出す。

かくして音はこのように成り立っているがゆえに、「イコライザー」にて低い周波数帯の音をいじるとその周波数帯の音と「倍音」の関係にある音にも影響が出る。例えば、440Hzの音を「イコライザー」にて少し下げると、「倍音」成分もそれぞれ少しずつ音量が下がるのだ。

なので「イコライザー」調整を高い音からいじってしまうと、低い音域のバンドを触ったときに高いバンドの音の聴こえ方が変化する。そうなったらそのバンドの調整をやり直さなければならなくなる。それでは効率が悪い。

しかし、低い音域のバンドから設定していけば、2度手間になることはない。

なお、何かの理由で「イコライザー」の設定を変更することがあれば、設定を変更したバンドよりも高い音域のバンドの音にも影響が出るので、高い音域のバンドの音が不自然になっていないかを確認したい。覚えておこう。

今回は以上だ。次回以降も「イコライザー」設定のコツの解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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