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外部出力のない純正メインユニットに「外部アンプ」を繋げるには…。 「外部パワーアンプ・ワールド」第7回

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「ハイレベルインプット」を備えた「外部パワーアンプ」の一例(グラウンドゼロ・GZHA MINI FOUR)。写真上の左側の端子が「ハイレベルインプット」の入力端子。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムを本格化させたいと思ったときには、「外部パワーアンプ」の力を借りよう。当特集では、そうするべき理由からこれの選び方や使い方までを幅広く解説している。今回は「外部パワーアンプ」に搭載されているとある機能の活用法を、詳しく解説する。

◆純正メインユニットは、「外部パワーアンプ」を接続できない!?

前回に引き続き、「外部パワーアンプ」に搭載されている機能について説明していく。当回は、「ハイレベルインプット」をクローズアップする。

まずは、これが何なのかを解説しよう。これは、メインユニットの内蔵パワーアンプにて増幅され終わった音楽信号を入力するための端子だ。さて、なぜにこのようなものが必要になるのかというと…。

その答は以下のとおりだ。「外部パワーアンプ」は、ソースユニットで読み取られた音楽信号をスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅するためのユニットだ。なので普通は、入力される音楽信号は微弱な状態のままだ。

ゆえに「外部パワーアンプ」を使うことも想定されているメインユニットには、ローレベルの音楽信号を出力する端子が装備されている。なおそのような端子のことは、「外部音声出力端子」とか「ラインアウト」と呼ばれている。

しかし、システムアップする前提に立っていない一部の市販メインユニットや純正メインユニットには、「外部音声出力端子」が備えられていない。となると、「外部パワーアンプ」を用いた本格的なカーオーディオシステムの構築は叶わない…。

◆「ハイレベルインプット」があれば、「スピーカー出力」を活用可能に!

しかし「外部パワーアンプ」に「ハイレベルインプット」が備わっていれば、話が変わる。これがあれば、純正メインユニット等の「スピーカー出力」、つまり内蔵パワーアンプで増幅が終わった後の音声出力を取り込める。結果、メインユニットと「外部パワーアンプ」との連携が可能となるのだ。

しかし「スピーカー出力」から流れてくる信号は、増幅された後の信号だ。それをどうやって取り扱うのだろうか…。

実は、「ハイレベルインプット」に繋がっている内部基板には、増幅が終わった後の信号を微弱な状態へと戻せる回路が仕込まれている。なので入力された信号はそれにて即、微弱な状態へと変換され、その上で今度は「外部パワーアンプ」内の増幅回路にて増幅し直される。そうすればその「外部パワーアンプ」だからこそのクオリティで信号のハイレベル化が行えるのだ。

ただし、配線作業には多少手間取る。愛用のメインユニットに「外部音声出力端子」が備わっていれば、それと「外部パワーアンプ」の「入力端子」とを「ラインケーブル(RCAケーブル)」で繋げば配線を終了できるが、「ハイレベルインプット」を活用する場合には、メインユニットと繋がっている「スピーカーケーブル」をどこかしらでカットして、そこに「外部パワーアンプ」まで繋ぐためのケーブルをギボシ端子等で接続するという加工が必要となる。

◆セッティングには、“作業技術”と“センス”が必要。なお、スペシャルなやり方も存在!

さらには、「音楽信号をどこから取り込むか」も思案のしどころとなる。なぜなら、取り込む信号はフルレンジの信号(低域から高域まで全帯域の信号)でなくてはならないからだ。例えば、ツイーターに繋がっている配線から信号を取り込むと、カットする場所によってはツイーターを鳴らすための高音信号しか流れていないことがある。で、それを「外部パワーアンプ」に入力しても、当然ながら高音だけしか聴こえてこない。

かくして「ハイレベルインプット」を活用する場合には、フルレンジの信号がどこに流れているのかを見極める眼力が必要となる。つまり、“作業技術”と“センス”の両方を駆使しなくてはならない。

ところで最近は、例えばトヨタ純正のディスプレイオーディオを搭載しているクルマのように、各スピーカーケーブルにはシステム内にて音楽信号の「帯域分割」が行われたあとの信号が流されているケースが増えつつある。そうであると「フルレンジ」の信号がどこにも流れていなかったりもする。

なのでそのようなケースでは、帯域分割されたあとの各信号をすべて入力しそれを合成してフルレンジの信号へと作り直すという工程も必要となり、それを行える機能を持った機器の用意もマストになる。

なおそんなケースではむしろ、そのような機能を持つユニットと併せて信号を制御するための機器である「プロセッサー」までを一緒に導入すると、システムを一気に高度化できる。純正システムが複雑化している場合にはいっそ、ここまでやってしまうのもアリだ。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回以降も、「外部パワーアンプ」の魅力を紐解く解説を続行する。お楽しみに。


《text:太田祥三》

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