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便利機能を搭載したモデルもある!? 「外部パワーアンプ・ワールド」第6回

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市販外部パワーアンプの一例(モレル・MPSシリーズ)。全 3 枚写真をすべて見る

カーオーディオシステムを本格化させたいと考えたときには、「外部パワーアンプ」が頼りになる。当特集では、その理由から選び方そして使い方までを全方位的に解説している。今回は、チョイスの際にチェックすべき“機能”について説明していく。

◆よりパワフルに鳴らせる繋ぎ方が可能なモデルがある!?

早速本題に入ろう。「外部パワーアンプ」選びをする際にチェックすべき機能として真っ先に挙げるべきは、「ブリッジ接続対応」だ。「ブリッジ接続」とは、1つのスピーカーに対して「外部パワーアンプ」の2ch分の出力を“橋渡し”して接続する繋ぎ方のことを指す。

具体的に説明しよう。例えば1発のサブウーファーを鳴らそうとするとき、「外部パワーアンプ」のAchのプラス端子とサブウーファーのプラス端子とを接続し、Bchのマイナス端子とサブウーファーのマイナス端子とを接続する。これが「ブリッジ接続」だ。

なぜにこのような接続方法がされるのかというと、答は単純明快だ。「より大きなパワーをかけられるから」だ。2ch分のパワーを1つのスピーカーに注入できるわけなので、それもそのはずだ。結果『ブリッジ接続」は、サブウーファーを鳴らそうとするときに特に役立つ。サブウーファーは磁気回路も振動板も大きいので、しっかりと鳴らすためには多くの電力を必要とする。なのでサブウーファーを鳴らすために作られたハイパワーな「外部パワーアンプ」もさまざまリリースされている。しかし「ブリッジ接続」が可能なモデルであれば、それ1台でフロントスピーカーとサブウーファーの両方を鳴らす、というような使い方も可能となるのだ。

◆「ブリッジ接続」に対応していないモデルで「ブリッジ接続」をするのはNG!

ただし、「ブリッジ接続」を行うと「外部パワーアンプ」自体にかかる負荷も大きくなる。なのでこれが可能とされていない「外部パワーアンプ」にて「ブリッジ接続」を行うのはNGだ。故障しかねない。というわけで、フルレンジタイプの「2chパワーアンプ」や「4chパワーアンプ」でサブウーファーも鳴らそうと考えるのであれば、購入候補に挙がるモデルが「ブリッジ接続」に対応しているか否かのチェックはマストだ。

続いては、もう1つの便利機能を紹介したい。それは「クロスオーバー機能」だ。当機能が搭載されていると、「外部パワーアンプ」から出力する音楽信号に対して「ハイパスフィルター」もしくは「ローパスフィルター」をかけられる。

「ハイパスフィルター」とは、直訳すると「高域信号を通す濾過(ろか)装置」ということになる。つまり「低音をカットする装置」とも言い換えられる。対して「ローパスフィルター」はその逆で、「高音をカットする装置」だ。

なおこのような機能は「デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)」にも搭載されていて、使いやすいのはむしろ「DSP」の方だ。というのも「外部パワーアンプ」に搭載されている「クロスオーバー機能」は各種設定をツマミを回して行うので、案外アバウトな設定となる場合が多いのだ。しかしシステムに「DSP」 が組み込まれていない場合には、「外部パワーアンプ」に搭載されている「クロスオーバー機能」が力を発揮する。

◆「クロスオーバー」機能は、サブウーファーを鳴らすときに特に活躍!

で、この「クロスオーバー」が活躍するのは主に、サブウーファーを鳴らす場合だ。その場合には以下のような使われ方がされることとなる。

例えば「4chパワーアンプ」にてフロントスピーカーとサブウーファーの両方を鳴らすとき、フロントスピーカーを接続したAchとBchには「ハイパスフィルター」をかけて低域の信号をカットし、サブウーファーを鳴らすCchとDchには「ローパスフィルター」をかけて高域の信号をカットする。こうすれば、フロントスピーカーとサブウーファーのそれぞれに対してきっちりと役割分担をさせられる。結果、フロントスピーカーとサブウーファーのサウンドをスムーズに繋げやすくなる。

ところで「外部パワーアンプ」に搭載されている「クロスオーバー機能」の多くはこのように、サブウーファーを鳴らすとき用である場合が多い。しかし中にはフロントスピーカーのツイーターとミッドウーファー間にかけられる仕様となっているものもある。そうであると、プロセッサーが導入されていないシステムでもフロントスピーカーの「マルチアンプ接続」が可能となる。なお「マルチアンプ接続」とは何かは、回を改めて解説する。

今回は以上だ。次回以降も「外部パワーアンプ」の魅力を明らかにしていく。お楽しみに。


《text:太田祥三》

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