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タイトな低音が欲しいなら… サウンドユニットの「セッティング法」を大研究! 第3章「サブウーファー編」その10

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「密閉型」の「サブウーファーボックス」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドウェーブ<茨城県>)。全 4 枚写真をすべて見る

カーオーディオユニットの性能を十分に引き出すためには、取り付け作業を正しく、そして手間をかけて行う必要がある。当連載では、それらを1つ1つ説明しながらカーオーディオならではの奥深さを明らかにしようと試みている。

現在は、「サブウーファー」の取り付けに関するあれこれを説明している。今回は「単体サブウーファー」を鳴らすために必要となる「サブウーファーボックス」について説明していく。

ところで、「サブウーファーボックス」にはタイプ違いがさまざまある。で、構造的な違いでもいくつかに分類できるのだが、カーオーディオで使われるのは、「シールドボックス」か「バスレフボックス」、この2つのうちのいずれかである場合がほとんどだ。

そうである理由は以下のとおりだ。これら以外のタイプは作りが複雑になり、結果、ボックスが大型化する。で、超低音の再生を担当する「サブウーファー」はそもそも大きく、ゆえに「サブウーファーボックス」も大きくなりがちだ。というわけで、ただでさえ大きいのにさらに大型化しやすい他のタイプは現実的ではないのだ。

なおこの2つの中では、「シールドボックス」の方がコンパクトに仕上げやすい。構造がよりシンプルだからだ。

ところで「シールドボックス」は、日本語では「密閉型」と言い換えられる。つまり、中の空気が外部とは完全に遮断される構造となる。ちなみに前回の記事にて、ボックスが必要となる理由を以下のように説明した。「スピーカーの裏側から放たれる音を閉じ込める必要があるから」なのだが、「シールドボックス」はその役割を愚直に果たす。すき間なく、気密性高く造り上げられることで、「単体サブウーファー」の裏側から放たれる音を箱の中に完全に封じ込める。

結果、ボックス内の空気は逃げ場がなくなり、「単体サブウーファー」に対してサスペンションの役割を果たすこととなる。

で、ボックスの容量を変えることで、このエアサスペンションの効き方を変えられる。大きめに作るとエアサスペンションは緩くなり、小さめに作るとエアサスペンションは硬くなる。そしてエアサスペンションを緩くすればするほど音は伸びやかになり、限度はあるもののローエンドまで再生しやすくなる(再生レンジが広がる)。逆に硬くすればするほど、振動板をしっかり止められるようになるのでサウンドがタイトになっていく。つまり、リズム感がシャープになっていく。

ただし、エアサスペンションを硬くし過ぎると「単体サブウーファー」に大きなストレスがかかり、場合によっては故障の原因にもなる。そして、再生レンジは狭くなる。

「シールドボックス」で鳴らす場合には、このようにして超低音の質がコントロールされることとなる。

今回は以上だ。次回は「バスレフボックス」の特長について解説していく。お楽しみに。


《text:太田祥三》

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