以前乗っていたクルマでも使っていた大好きなブランドであるRSオーディオのスピーカーを今回もチョイスした宇野さん。濃厚サウンドを追求する中で3ウェイ化を果たした。福井県のcustom&car Audio PARADAがデザインしたコクピットまわりもセンス抜群だ。
◆ドアのアウターバッフルには
赤を差し色として使ってデザイン
これまでにも複数のシステムを体験してオーディオでの経験値はかなり高まっている宇野さん。今回の愛車のサウンドのテーマとして掲げたのは“音の濃厚さ”だった。そこで選んだスピーカーはRSオーディオのRS Stream 165-3。同社のスーパーハイエンドであるRS MasterのセカンドモデルであることからBaby Masterと呼ばれる同モデルのフロント3ウェイをチョイスした。
もともとRSオーディオのスピーカーに対して「濃厚サウンドがえげつない」といった良い印象を持っている宇野さんだけに、Baby Masterへの信頼感はもともと高いものだった。そのためボーカルの濃さが十分に発揮できるモデルだと確信しての導入となった。
取り付け面で見どころとなったのはドアのミッドバス。ラゲッジのフロアパネル全面に用いられてテーマカラーとなっている赤をスピーカーのグリル部に用いる印象的なデザインとしている。インテリアのカラーリングでは常にレッドを効果的に使うことから、ショップ出入りのオーディオ仲間からは“宇野レッド”と呼ばれているほど。ヴェゼルの純正ドアデザインをうまく使ったバッフル処理も美しく決まりドアインストールはオーナーも満足の仕上がりとなった。
◆大径のミッドレンジをピラーにビルトイン
巧みなデザイン処理は取り付けのセンスを感じさせる
さらにコクピットまわりのデザインで見どころとなったのがAピラーとドアミラー裏にインストールされるミッドレンジ&ツイーターだ。RS Stream 165-3のミッドレンジは取り付け部に96mm直径を持つ、かなりの大型ユニット。オーナーも最初に見たときには「ビビるほどでかい」との印象を持った大径サイズだ。
しかしインストールを担当したパラダではピラーの幅を調節する加工を施すなどして、違和感なく純正内装のデザインに融合させているところがさすが。Aピラーに元々あったプレスラインをさらに明確化してトップの位置にフラットな面を作っているのが特徴。この面にうまくミッドレンジを溶け込ませているのもアイデアだろう。
一方ツイーターはドアミラー裏に取り付けブラケットをワンオフして設置されている。Aピラーのミッドレンジと近接させることに成功して、中高域の音のまとまり感も引き出す。デザイン的にも2つのユニットが近接することで美しいコンビネーションが生まれているのも見どころとなった。
スピーカーケーブルにはハイレベルなケーブするとして評価も高いM&MデザインのSN-MS7500IIIをチョイス、徹底してRSオーディオのスピーカーサウンドを引き出すことに注力した。そのかいあって“ぞくっ”とする気持ちの良い音”に仕上がったという。低域~高域のバランスも良く異次元のサウンドが体感できるクルマになっているとオーナーも満足の様子。
◆ここいちばんの高音質を狙って
高音質DAPをオーディオソースにチョイス
プロセッサーとして用いるヘリックスのDSP PRO Mk2、ダイレクターはフロントウインドーの上部に取り付けて操作性と視認性を高めている。またオーディオソースとしてはDAPであるA&KのAK380に加えてパナソニックのカーナビ・ストラーダも並行して使っている。高音質DAPと使い勝手の良い車載ナビの両面使いで普段使いからここ一番の高音質までをワイドレンジにカバーする。
前のクルマで使っていてそのサウンドに惚れ込んだRSオーディオのスピーカー。今回は3ウェイ化することでその濃厚さを一歩も二歩も高みへと引き上げた。デザイン面ではシンプルにまとまったドアインストールに加えて、インパクト十分なAピラーへのミッドレンジのビルトインなど、想像以上の出来映えにオーナーの満足度も最高潮に達した。
経験を積んで自分の好きな傾向の音を確たるものとしてきた宇野さん。今回はベースカーまでをオーディオに似つかわしいクルマから選んでベストを尽くした。大好きなサウンドに包み込まれる空間で毎日至福の時を過ごしているという。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》