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トルクレンチが無いならタイヤ交換はNG!?トルク管理はタイヤ交換の基本!~カスタムHOW TO~

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スタッドレスタイヤの付け替えなど、タイヤを締める際に必要となるのがトルクレンチ。なくてもタイヤ交換は可能だが、それによってタイヤが外れる危険もある。絶対に使ってもらいたいトルクレンチとは!?

締め付ける力をコントロールできるのがトルクレンチ

トルクレンチにはデジタルの製品とダイヤル式の製品がある

スタッドレスタイヤとノーマルタイヤを付け替えるのは降雪地域では恒例イベント。そんなときに必要となるのがトルクレンチだ。そもそもトルクレンチとは、締め付ける力(トルク)を管理するためのもの。設定したトルクになるとカチカチと、物理的に音と手応えがするものが一般的。デジタルトルクレンチだとアラームが鳴るものもある。また、トルクの強さを目盛りで見ながら締めるタイプのトルクレンチもある。

いずれにしても締め付ける力が、弱すぎず強すぎないかがわかるためものだ。締め付ける弱さが足りないと当然緩む可能性がある。逆に強く締めすぎるのもよくない。

強くナットを締めると、それだけボルトを引っ張る力が掛かる。引っ張ることでボルトが元の長さに戻ろうとしてホイールが締め付けられているのだが、あまり強く引っ張るとボルトが負けて伸びてしまい、ホイールが緩んできてしまうことがある。

また、最悪の場合には引っ張られすぎてボルトが伸びて、折れてしまうこともあるのだ。一般的に十字レンチでセルフタイヤ交換をする場合、「外れてはいけない」と、グイグイ締め込み、時には十字レンチを足で踏んだりして、もうこれ以上は締まらない!! なんてところまで締めていたら完全にオーバートルク。

その時は大丈夫でも、何度も繰り返すうちにボルトが徐々に伸びてきて、最後は走行中に折れてしまう。そうなれば、クルマはスピンしてしまうし、外れたタイヤは歩道に向けて飛んでいってしまうかもしれない。

クルマはあらゆるネジに適正トルクが決められている

規定トルクに設定することでオーバートルクになることはない

ホイールナットはもちろんだが、クルマは様々な部分で「規定トルク」が決められている。正しい力で締め付けているからこそ、きちんとした動きになり、耐久性が保たれている。「クルマはネジでできている」とは、昔から言われているが、それをいかに適正に締め付けるかは重要なファクターなのだ。

レースではピットインして素早いタイヤ交換でピットアウトしていく。このときには素早くホイールナットを外すためにエアレンチが使われている。圧縮空気で駆動する工具で、瞬時にホイールナットを緩めて、瞬時に締めることができる。

しかし、エア駆動なので意外と押し込む力(トルク)は強くない。素早く締め付けているが、じつはそれほど馬鹿力で締めているわけではないのだ。しかも、レース中のタイヤ交換時は急いでいるのでエアレンチで行なっているが、レース前とか予選前にピット内で時間があるときは、トルクレンチを使って手動で「カチカチッ」と締め付けているのだ。

使ったら目盛りを元に戻さないと、トルクが狂ってしまう

保管時は設定を最小にすることを忘れずに行おう

トルクレンチは工具店やホームセンター、インターネットなどで購入できる。精度の高いエンジン組み立て用などのトルクレンチは2~3万円ほどするが、ホイールナット用はリーズナブルなものが多く、3000円ほどから購入できる。

ホイールナットに使う分には十分な精度があり、手で勘で締める通称「手ルクレンチ」に比べれば遥かに安心できる。

そんなリーズナブルなものでも高価なものでも保管時に気をつけたいのが目盛りを戻すこと。トルクレンチは規定トルクをハンドルを回して設定する。使うときはこれでいいが、保管時はもっともトルクが弱い位置に戻さないと内部のバネが伸びてしまい、締め付けトルクが狂ってしまうのだ。

高価なトルクレンチは、その内部のバネが伸びていないか、規定トルク値から狂っていないか確認&校正するサービスがある。プロ整備士は定期的にトルクレンチを校正に出して使用している。

カチカチと鳴ったところが規定トルクに達したということになる

だが、1本3000円ほどのトルクレンチだとそもそもそういったサービスが用意されていない。なので、最近妙に締めてもカチカチ言わないとか思ったら買い換えるしか無いが、保管時に目盛りを戻していれば、そう大幅に狂うことはない。気になったら、買い替えてしまうか、ちゃんとしたトルクレンチで締めたボルトを締めてみて、すぐにカチカチなるかを確認してみるといい。

《text:加茂 新》

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