カーAV環境を充実させることに興味を抱くドライバー諸氏に向けて、その参考となる情報を多角的に発信している当連載。現在は「メインユニット」をテーマに据えてお贈りしている。今回からは市販「ディスプレイオーディオ」について解説していく。
さて、「ディスプレイオーディオ」とは、モニターを備えた「メインユニット」のことを指す。ただしナビ機能は搭載されていない。なのでつまりは「AV一体型ナビ」からナビを抜いたようなタイプの「メインユニット」だ。なお実際は、地デジチューナーも省かれている場合がほとんどだ。
ところで「ディスプレイオーディオ」は、登場してから10年ほどしか経っていない。実をいうと、それ以前にもモニターを備えた「メインユニット」はあったのだが、「ディスプレイオーディオ」が登場する数年前に姿を消していた。ちなみにそれらは「AVメインユニット」とか「AVヘッド」と呼ばれていて、高級機である場合が多かった。映像を楽しむためのハイエンドAVメカだったのだ。しかし「カーシアター」のブームが去り、「AVメインユニット」は2000年代の後半に生産が終了されたのだ。
そんな中で「ディスプレイオーディオ」は、モニターも備えた手頃な「メインユニット」として登場を果たし、以来、非ナビ派ドライバーからの支持を集めた。
支持を集めた理由は以下のとおりだ。「ディスプレイオーディオ」がない時代には、「カーナビは要らない」という決断をすると同時にモニターも失うこととなっていた。となるとバックカメラが使えず、DVD等の映像系ソースも楽しめない。しかし「ディスプレイオーディオ」が登場したことにより、非ナビ派のドライバーたちはそういった不便を被らなくても済むようになったのだ。
では、最新の市販「ディスプレイオーディオ」のトレンドを解説していこう。現在は2極化が進んでいる。高機能な高級機と、低価格なベーシックモデル、大きくはこの2タイプに分類できる。
なお高機能モデルは、Apple CarPlayとandroidautoに対応している場合がほとんどだ。これらに対応していると、スマホの主要アプリを車載機の画面に映し出せてアプリの操作も車載機の画面上にて行える。なので、特にナビアプリを使う場合に重宝する。ただし、Apple CarPlayとandroidautoに対応する機種は価格がそこそこ高くなる。
なのでそのような機種は、「高いからナビは要らない」と考えているドライバーには向かなくなる。なのでリーズナブルなことを特長とする機種も用意されている、というわけなのだ。
今回はここまでとさせていただく。次回以降の記事では、どのような機種があるのかを具体的に紹介していく。お楽しみに。
《text:太田祥三》