デッドニングとパワードサブウーファーによるサウンドの進化ぶりに気を良くした中西さんは次にスピーカーをK2パワーにシステムアップ。よりスピーカーのポテンシャルを引き出す作戦を製作ショップである福井県のcustom&car Audio PARADAを計画を始めた。
スピーカーのポテンシャルを引き出す
パワーアンプの追加で大幅な音質向上を実現
フロントスピーカーをフォーカルK2パワーにグレードアップして、一気に音質の向上を体感した中西さん。次に狙ったのは、K2パワーのポテンシャルをフルに発揮することだった。
「もっとこのスピーカーの高音質を引き出すにはどうすれば良いのか考えてパワーアンプの追加がもっとも効果があると考えました。選んだのはフォーカルブランドの4チャンネルアンプのFPX4.800です。スピーカーの音が気に入ったブランドだったので統一してみようと考えたんです」
取り付けはシート下にシンプルに取り付けることにした。狙い通りサウンドはかなり大きな進化を果たすことになる。
「パワーアンプを追加して聴いてみると音の明瞭度が一気にアップしました。また音の力強さもアップして、元々気に入っていたK2パワーのスピーカーですが、さらに良く鳴ってくれるようになりました」
システムアップすることによる音の進化をその都度体感してきた中西さん、オーディオの進化に楽しみを感じるようになっていた。そして次にターゲットに選んだのはDSPだった。
「調整の大切さは少しずつ理解し始めてた頃でした。そのため性能の良いDSPを追加したらどんな音になるんだろう? と考えていたんです。しかし“どうせ導入するなら評価の高いモデルが間違いないだろう”と思ってヘリックスのDSP-PRO mk2を選びました」
システムが進化して行く中で低域の
もの足りなさを感じサブウーファーを強化
DSPの追加を決定するとすぐさまパラダに向かい、ユニットをオーダー、加えてシート下への取り付けと調整をオーダー。間もなくして納車された愛車の音はまたも大きく進化していた。
「聴いてすぐ分かる変化は音像の位置でした。目の前に音がびしっと定位しているのがすごく新鮮でした。また各帯域のバランスも良くなってまとまりのあるサウンドに進化したのも感じました」
システムアップのペースが加速していくオーナー。DSPで定位に加えて帯域バランスが整ってくると低域にもの足りなさを感じ始める。迷わずサブウーファーの進化を計画することになった。
「これまで使っていたパワードサブウーファーではなく単体のサブウーファーユニットを用意してボックスに組んでみたいと思ったんです。ユニットは高音質で定評があるRSオーディオを選びました。このブランドはショップで紹介されるまであまり知らなかったんですが、説明内容などを聞いてすぐに興味を持ちました」
RSオーディオのサブウーファーに興味を持った中西さん、すぐにショップのデモカーにインストールされていた同モデルを試聴することにした。リアルなサウンドを体験したのが最終的な導入の決め手になっている。そんなサブウーファーをドライブするパワーアンプにはザプコのST-500MXIIをシステムした。
「サブウーファーの取り付けが完成すると低音の質が一気にアップしました。しかもフォーカルのフロントスピーカーの音とのマッチする感じも強くてバランスの良い音に仕上がったと思います」
使いやすい音楽再生環境にも注目して進化
車内で使いやすい車載メディアプレイヤーを導入
探究心の塊のようなオーナー。次にシステムアップを狙ったのは音楽プレイヤーだった。
「元々ウォークマンやFiioなどのDAPをメインのプレイヤーとして使っていたんですが、車内での操作性を考えると車載のプレイヤーが欲しいと思ったんです。そこで候補にあがったのがオーディオテクニカのメディアプレイヤーであるAT-HRP5でした.これは便利なユニットだと思いました、エンジンを掛ければそのまま再生されますし、曲の操作もナビ画面でできるのも便利です」
サウンド面でもオーナーは満足していることから、効果的なシステムアップになったと自負している。加えて動画の再生ができるのも思わぬ副産物だったという。
「音楽だけじゃ無く動画も再生できるのを知りました。それで家族がリアモニターで動画を楽しむ際にも使えると分かったんです。これは想像していませんでしたが良かったですね。今ではファミリー全員で楽しめる音楽/動画プレイヤーになっています」
今後はインストール面にも力を入れていきたいという中西さん。ラゲッジの作り込みなども計画している。ただし、その前にベース車の乗り換えも検討中だ。急ぎ足でシステムアップを繰り返してきたオーナー。ここからはしばし、じっくりとクルマ選びやオーディオ進化を楽しんでいく予定だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
《text:土田康弘》