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車内でスマホの音楽を聴くとき、音が良い接続方法は有線? Bluetooth? それとも…。 「ソースユニット学・入門」第5回

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メインユニットとスマートフォンの接続イメージ(ケンウッド・DDX5020S)。全 5 枚写真をすべて見る

当特集では、車内で使う音楽プレーヤー、つまりは「ソースユニット」について考えている。何を使うと便利なのか、そして音が良いのはどれなのか…。今回は、“本命”というべき“スマートフォン”について検証する。これの利点から音の良い接続法までを考察していく。

なお当特集は、毎回全国の実力カーオーディオ・プロショップに取材して記事を作成している。今回は東京都日の出町の人気店、“モービルサウンドテクノロジー”に話を訊いた。参考になる情報が多々得られた。さて、その中身とは…。

“スマホ”を使うと、車内のリスニング・コンディションが向上!?

“モービルサウンドテクノロジー”の代表を務める小川さんに、まずは“スマホ”が使われることが多いその理由から教えてもらった。

「確かに、ソースユニットとして“スマホ”を使っている方は相当に多いですね。その理由は改めて言うまでもなく、便利だからです。スマホに大量の楽曲データを格納されているのなら、これを使えばCDを持ち込む必要もなく他のメディアに楽曲データを移す作業も必要ありません。しかもプレイリストを活用して気分に合った曲だけをかけられたり、アルバムごとの再生やアーティストごとの再生、またはシャッフル再生等々、さまざまな聴き方ができますし。

そして昨今は、ストリーミングアプリを活用されている方も増えてきました。そうであれば車内でもこれを楽しみたいですから、自ずと“スマホ”が活用されます。ちなみにストリーミングアプリは今後、さらに普及が進みそうです。なぜならコストパフォーマンスが高いからです。毎月何枚かの新譜を購入されていたというのなら、ストリーミングサービスを利用した方がランニングコストが少なくてすみます。

そしてストリーミングサービスは、高音質化も進んでいます。結果、ハイエンドカーオーディオ愛好家の方にとっても、ストリーミングサービスは使えるサービスになってきました。

ただし、アーティストによってはストリーミングには高音質なデータを流していないケースもありますので、ダウンロードとストリーミングを併用するのがベストかもしれませんね。もちろん“スマホ”なら、その両方を車内で便利に楽しめます」

スマートフォンを車内で活用している一例。

ケーブル接続とBluetooth接続、お薦めはどっち?

続いては、“スマホ”をカーオーディオシステムのソースユニットとして使う場合の接続方法について教えてもらった。

「まず、お使いの“スマホ”がiPhoneの場合には、ライトニングケーブルでUSB接続すると使い勝手が良くしかも音質的にも有利です。

というのも、市販のメインユニットのほとんどがiPhon/iPod接続に対応していて、そうであればミュージックアプリ内の曲情報を車載機のディスプレイに映し出せて、選曲等の主要操作を車載機側で行えます。そして伝送時の音質劣化も少ないです。一般的なBluetooth接続と比べて高音質です。

なおiPhon/iPod接続は基本的にミュージックアプリにしか対応していませんが、繋げてみるとストリーミングアプリも同様に使えるケースも少なくないようです。なのでストリーミングサービスを楽しまれている場合にも、ライトニングケーブルでの接続を試してみましょう。使えたらラッキーです。充電ができることも利点ですし。

もちろんBluetooth接続も便利です。Bluetooth接続ではミュージックアプリ、ストリーミングアプリともに曲送り等の主要操作を車載機側で行えますし、1度ペアリングをしておけば車内に乗り込むと自動で接続されますから、都度ケーブルを抜き差しする必要もありません。利便性を優先させるのなら、Bluetooth接続がお薦めです。

一方、お使いの“スマホ”がAndroid端末の場合には、USBケーブルにて接続しても端末が認識されない場合も少なくなく、認識できた場合もAndroid端末をディスクドライブ的に使うような形になるので、使い勝手的にはベストではないと思います。なので、Android端末の場合には、Bluetooth接続が良いと思います。音質的にも、実用上で不満に感じられることはないはずです。

またお使いのメインユニットがApple CarPlayとandroidautoに対応していて、いつも使うアプリがこれに対応していたら、Apple CarPlayもしくはandroidautoで接続すると、アプリの操作性はアップします。ほぼすべての操作を車載機の画面上で行えるからです」

iPhon/iPod接続時の表示例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。

より良い音で楽しむためのウラ技も公開!

音にこだわろうと思ったときの、スペシャルな接続方法についても教えてもらった。

「ハイレゾ音源をネイティブ再生できるアプリや、より高音質で楽しめるストリーミングサービスに契約されている場合には、“スマホ”のヘッドフォン端子と車載機のAUX端子とをピンケーブルで繋ぐと、一般的なBluetooth接続よりも良い音で楽しめます。この場合、アプリの操作は“スマホ”側で行うしかないので使い勝手は落ちますが、音的にはアドバンテージを発揮します。

なおケンウッドのメインユニットの中には、“LDAC(エルダック)”というハイレゾクオリティで伝送できるBluetoothコーデックに対応した機種があり、そうであると“スマホ”が対応機種であればこれを活用するのがベストです。

あとは、車載機にHDMI入力端子が備わっているのなら、これにて接続すると楽曲データがデジタル伝送されますので、特にハイレゾ音源の再生時に強みを発揮します。ある程度ダウンコンパートされるケースも少なくなく、そしてこの場合もアプリの操作は“スマホ”側でしか行えませんが、音的に有利であることは確かです。

他では、家庭用の高音質伝送が可能なBluetoothレシーバーを使うという手も有り得ています。USBで給電を行うタイプであれば車内でも使いやすいです。特に、“aptX HD”という高音質コーデックに対応しているものがお薦めです。多くの“スマホ”が“aptX HD”に対応していますから。なおBluetoothレシーバーと車載機との接続は、レシーバーのアナログ出力を車載機のAUX端子に接続すればOKです。これにて、使い勝手も高く高音質なシステムを完成できます。ただし家庭用の機器ですので、高温にさらされないようにご注意ください。車載設計にはなっていませんから。

ところでBluetoothレシーバーを導入する場合、デジタル出力を持っている機種を選ばれると発展性が高まります。“DSP”を導入したときにそれとのデジタル接続が可能になるからです。“DSP”を用いた、詳細なサウンドチューニングが行える本格システムを構築する際に、この作戦は力を発揮します。

お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。より詳しくご説明いたします。また、スピーカー交換等、その他のご提案もさまざまできると思います。お待ちしています」

《text:太田祥三》

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