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的確なアドバイスで迷いを払拭! プロショップで実行する「スピーカー交換」、その手順とコツと利点を完全伝授! Part9

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市販スピーカーの一例(モレル・イレイトチタニウム602)。全 4 枚写真をすべて見る

愛車のサウンドシステムのグレードアップを望むなら、まずは「スピーカー交換」にトライしよう。当特集ではそれをプロショップで行うことを推奨し、実行においてのコツを解説してきた。今回はその最終回として、プロショップだからこそのバリューについて解説していく。

プロショップなら、愛車に取り付けやすいモデルがどれなのかを教えてくれる!

これまでも、「スピーカー交換」をカーオーディオ・プロショップで行うからこその利点をさまざま紹介してきたが、今回は、「助言を得られる」ことについて説明していく。

というのも、「スピーカー交換」をするにあたっては実は、分かりづらいポイントがいくつかある。しかしカーオーディオ・プロショップでこれを実行する場合には、判断に迷う局面でも悩まずにゴールへと進んでいける。

どのような点が分かりづらいのかを具体的に解説していこう。まず挙げるべきは、「愛車に取り付けられる製品がどれなのか」、これが分かりづらい。で、この点が不明瞭なまま製品選びを行ってしまうと、時間とお金をムダにしかねない。なぜならせっかく欲しい製品が定まってもそれがドアパネルを加工しないと付かない製品だということが後から分かると、想定よりも多くの取り付け工賃がかかってしまう。また、インテリアの見た目を変えたくないと思っていたのなら、その製品は諦めざるを得なくなる。となると、また改めて製品選定をし直さなければならなくなる。

しかしカーオーディオ・プロショップにて「スピーカー交換」をする場合には、愛車に簡単に取り付けられるスピーカーがどれなのかをあらかじめ教えてもらえる。

ちなみに、スムーズに取り付けられるか否かのポイントとなるのは、ミッドウーファー(ドアに装着するスピーカー)の「取り付け奥行き寸法」だ。その数値がドアの内張りパネル内のクリアランスよりも長ければ、内張りパネルをカットしなければ取り付けられない。

で、専門店ならさまざまなクルマにスピーカーを取り付けた経験があるので、作業実績のあるクルマについてはパネル内のクリアランスがどのくらいなのかを大体把握している。また、触ったことがない車種であれば一旦内張りパネルを外してドア内部のクリアランスを測定してもらえる。そうすればどのスピーカーが取り付け可能なのかが明らかになるので、そうでないスピーカーを候補からあらかじめ外せる。製品選定において、遠回りをしなくてすむわけだ。

市販スピーカーの一例(フォーカル・ES 165 KX2)。

試聴機がない製品についても特徴を教えてもらえる!

そして分かりにくいポイントの2つ目は、「各製品の特徴」だ。ちなみに各プロショップでは試聴機を用意しているのでそれらについては聴いて選べる。しかし市場にはそれら以外にもさまざまな製品が存在している。そして気になるモデルが試聴ボードに装着されていない場合には、その特徴が分かりづらい。

しかしプロショップなら、試聴できないモデルについてもそれぞれがどのような音なのかをある程度は教えてくれる。取り付けたことのあるスピーカーならその音を分かっているし、取り付けたことがないモデルであってもプロならばブランドごとの特徴を把握しているので、参考となる情報を説明してもらえる。

またプロなら、知り得る情報からそれぞれの特性をある程度推測できる。例えば振動板の素材や磁気回路に採用されているマグネットの種類、さらにはカタログスペックから分かることもいくつかある。そして試聴ボードに入っていないスピーカーの音色傾向を、試聴ボードに入っている製品を物差しとして説明してもらえる。そのスピーカーの音はこのスピーカーの音に似ている、というようなアドバイスを得られるのだ。結果、スピーカー選びの選択肢が広がる。プロショップでなら、製品選びをより深く楽しめる。

また、組み合わせの妙についても助言を得られる。例えばスピーカーの中には、メインユニットに内蔵されているパワーアンプで鳴らしやすいものもあれば、外部パワーアンプを使った方が良さが出やすいものもある。また、音楽ジャンル的な向き不向きがある場合もある。そういったところまで助言が得られる。

ところで、クルマの純正システムの状況によってはスピーカー交換が向かない場合もある。純正システムが外部パワーアンプを使用している本格的な仕様になっているときシステム内で信号の帯域分割が行われていることがあり、そうであるとその設定が交換するスピーカーにそぐわないこともある。となると、スピーカー交換をしてもその製品の良さが出ない。そういったケースでは、スピーカー交換以外の作戦を取った方が良い結果が出やすくなる。プロならばそれについても確実にアドバイスしてくれる。

市販スピーカーの一例(DLS・RCS5.2)

スピーカーをより良く鳴らすための作戦からシステムアップ法まで、プランニングも相談できる!

分かりにくいポイントの3つめは「プランニング」だ。まず、スピーカー交換」を行う場合にはドア内部の音響的なコンディションを整える作業である「デッドニング」もすべきなのだが、これをどのように進めるべきかで迷いが出る。「スピーカー交換」と同時に手厚く行えたらそれがベストだが、後回しにするのもアリだ。逆に、「スピーカー交換」を後回しにして先に「デッドニング」だけを行うという手もある。このように、スピーカーの性能を一層引き出すための作業の進め方についても相談できる。

また、「スピーカー交換」をした後のシステムアップに関しても、次に何をすべきかが思案のしどころとなる。プロショップでなら、それについても相談に乗ってもらえる。

例えば次のステップとしては、コントロール機能を加えるというのも1つの手となるのだが、その具体的な方法は1つではない。メインユニットを交換するという手もあれば、パワーアンプ内蔵DSPを導入するという方法もある。または、愛用のメインユニットにある程度のサウンドチューニング機能が搭載されているのなら、スピーカーの配線方法を変えてコントロールできる項目を増やすというアプローチも選択肢となる。カーオーディオ・プロショップなら、どの手が愛車に向いているのかも的確にアドバイスしてくれる。

さて、「スピーカー交換」を自分で行う場合には、その作業自体を楽しめる。そこに重きを置くのならDIYで取り付けるのはもちろんアリだ。しかし、取り付けるスピーカーの性能を十二分に引き出したいと思うのなら、プロに頼った方が確実だ。好きな音楽をより良い音で聴きたいと思うのなら、プロショップでの「スピーカー交換」がお薦めだ。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《text:太田祥三》

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