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“取り付け性”を取るか“音質性能”を取るか…。 システムアップのための、カーオーディオユニット“AtoZ”! lesson 01「スピーカー編」その8

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取り付け性の高い「パッシブ」が付属されたミドルグレードスピーカーの一例(ビーウィズ・Reference AM Duo165S)。全 3 枚写真をすべて見る

クルマの中で好きな音楽をより良い音で楽しみたいと考えているドライバー諸氏に、カーオーディオシステムのバージョンアップをお薦めしている当連載。まずは「スピーカー」をテーマに据えて、タイプ違いがあることや選び方を解説している。

今回は、「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」について考察していく。

最初に、「パッシブ」とは何なのかを説明しよう。これは、セパレートスピーカーを普通に鳴らす場合に必要となるパーツで、大抵のセパレートスピーカーに付属されている。ちなみにいうと、高度なシステムを組む際には他のパーツが使われることとなるので不要になる。ゆえに、高級スピーカーには付属されていないこともある。

で、これの役割は以下のとおりだ。例えばスピーカーが「セパレート2ウェイ」の場合には、高音をツイーターで中低音をミッドウーファーで再生することとなるので、音楽信号を高音と中低音とに2分割する必要性が生じる。「パッシブ」は、その作業を担う。メインユニットから出力されるフルレンジの音楽信号を受けてそれを高音と中低音とに2分割したのち、高音をツイーターへと、中低音をミッドウーファーへと送り込む。

なお廉価なスピーカーでは、「パッシブ」は簡素化されている場合が多い。そうすることで製品価格を下げられ、取り付け性も高められるからだ。なのでもっとも簡易的なものになると、ツイーター用の「パッシブ」だけがツイーターの配線上に組み込まれ、ミッドウーファーには「パッシブ」が用意されない。そうすれば「パッシブ」を小型化でき取り付けしやすくなり、配線作業も合理化できる。

また、ミドルグレードのモデルの中にも取り付け性が重視された小型の「パッシブ」が付属されたものもある。コストをかけて性能はキープしつつ、取り付け性にも重きを置いたモデルもあるのだ。写真で紹介しているビーウィズの『Reference AM Duo165S』がその代表格と言って良い。

なお一般的には、高級モデルになればなるほど「パッシブ」は大型化していく。音楽信号の帯域分割をより高品位に行うことが目指されて、高級なパーツが使われかつ回路設計にもこだわりが注がれるからだ。そのかわり、取り付け性は落ちていく。

なお、「パッシブ」がある程度小さければ、取り付け場所の選択肢が増える。メインユニット裏やダッシュボード内の空きスペースに取り付けても良いし、ドア内部に取り付けても良い。固定や配線のしやすさを優先させて取り付け場所を決められる。

逆に大型であると、シート下に取り付けざるをえないケースも出てくる。そうであると配線が少々面倒になる。スピーカーケーブルも長さが必要となり、その分コストもかさんでくる。

というわけなので、取り付け性のことも考えるのであれば「パッシブ」はある程度小型化されている方が良く、または音にこだわりたいと考える場合には「パッシブ」にも十分にコストがかけられたモデルの方が良い。スピーカー選びをする際には、「パッシブ」のチェックもお忘れなく。

今回は以上だ。次回も「パッシブ」に関する解説を続行する。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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