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『ディフェンダー』が刺激する冒険心。ロードバイクを積んで房総半島へ。

自動車試乗記

ディフェンダー90と110の2台で房総半島へドライブ&サイクリングへ全 49 枚写真をすべて見る

約70年ぶりにフルモデルチェンジされ、先代モデルの魅力はそのままに、高剛性アルミモノコックボディを採用するなど堅牢性をさらに向上させた、21世紀のランドローバー・ディフェンダー。

すでにデリバリーされている5ドアの「110」に続き、今春には3ドアの「90」も日本上陸。早速、ランドローバーと同じ英国発のサイクリングウェアブランド「ラファ」のスタッフ、合田光宏さんと三井裕樹さんが二台のディフェンダーにロードバイクを載せ、房総半島へドライブ&ライドへ出かけてみた。

積載性はもちろん、ロングドライブの快適性も重要

ラファは2004年創業の新興でありながら、すでにこの分野では確固たるステイタスを築いているブランド。伝統をリスペクトしつつ、現代のライフスタイルに適応したイノベーティブなものづくりを行う姿勢はランドローバーと共通する部分も多く、以前より両ブランドの交流は盛んだ。最近では今年3月に開催されたラファ主催のツーリングイベント「ラファキャラバン」のサポートカーをディフェンダーが務めるなど、長年様々なコラボを重ねている。

首都圏からのアクセスが良好で、年を通じて気候が温暖な房総半島はサイクリストにとって人気のライドスポットだ。この日のライドは内房の富津海水浴場から君津市の鹿野山を目指す片道約28kmのルートである。

東京湾アクアラインを抜け、起点となる駐車場でディフェンダーを停める。

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「いかにもオフローダー然とした見た目とは裏腹に、高速道路での直進安定性や静粛性が高くて驚きました。この大柄な車体に2リッターガソリンエンジンと聞いていたので、もっと賑やかに走るものと思っていたらうんとスムーズで、追い越し加速なんか並みの車より瞬発力があるぐらい。まったくストレスを感じずにここまで来れました」


そう語る合田光宏さんはラファジャパンでマーケティングを担当する。もちろん自身も熱心なサイクリストだ。週4~5回の頻度でライドに出かけ、多いときはひと月で1500kmほども走るという。いかにロードバイクでも、コンスタントにこの距離を走行するのは相当なものである。

「自宅のある東京から往復100km圏内であれば基本的に自走しますが、今回のようにもっと遠くの郊外でライドしたいときには車にバイクを積んで出かけます。だから私が車を運転するケースって必然的に長距離・長時間のことが多いんです。サイクリスト目線で車を評価するときって積載性に目がいきがちですけど、個人的にはドライバーを『疲れさせない』ことも重要なファクターです。ライド後の帰路は体力を消耗しているので、快適性が高いことは安全にも直結すると思います」(合田さん)


ラファはイベントやツアーなどを開催することでサイクリングの「体験的価値」も積極的に提案している。2015年に誕生した会員制サイクリングクラブ「Rapha Cycling Club(RCC)」もそうした活動の一環。三井裕樹さんはラファジャパンにおけるRCCの運営やコーディネーターを担当している。たくさんのカスタマーとライドを楽しんだり、レース活動もするアスリート志向のサイクリストだが、実はサーキット走行も嗜む大の車好きでもある。


「ルーフサイドに設けられた窓や、ボンネットのプロテクターなど、先代のディテールを引き継ぎつつ、全体としてはモダンな雰囲気になっているのが魅力的ですね。インテリアもレンジローバーのラグジュアリーさとは少し方向性が違って、シンプルで機能的。個人的にはランドローバーの原点『シリーズ1』の面影を感じさせる90のルックスがとくに気に入りました。110に比べるとラゲッジルームは小さいですけど、後席を倒せば自転車は余裕で積載できました」

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ランドローバーとロードバイクの万能性

ライドの準備を済ませ、まずは平坦な海岸沿いの道を富津岬方面へ走って足慣らし。体が暖まったところでいざ内陸の山道へ。今日は友人も合流し一緒に鹿野山を目指していく。


三舟山にある郡ダムを過ぎると、道は厳しいヒルクライム区間に。皆、呼吸こそ荒くなるが、ペダルを踏む脚は一定のリズムをキープしたままスムーズに上下する。そこだけ見ているとまるで坂道などないかのようだ。


よく誤解されるが、ロードバイクというのは「速く」走ることに特化した自転車ではなく、どちらかといえば「早く」走るための自転車である。たしかに絶対的なスピードも出せる。しかし、その真価は、アップダウンやコーナー、向かい風、石畳など、刻々と状況が変化する「活きた道」を他のどの自転車よりもハイアベレージで駆け抜けられることにある。

握る場所を変えることで状況に応じた乗車姿勢をとれるドロップハンドルや、脚への負荷を任意でコントロールできる多段変速機といった装備はそのためのものだ。最近では舗装路だけでなくグラベル(未舗装路)も走るスタイルが世界的ブームとなり、意外にもロードバイクはディフェンダーと同様、オールラウンドな特性を持った乗り物なのである。

坂道はサイクリストを奮い立たせる

目的地である鹿野山九十九谷展望公園が近づくと坂道がまた一段と険しくなる。ロードバイク乗りの間ではこうした道を「激坂」という。サドルから腰を浮かせ、バイクを左右に激しく振りながら、まず三井さんが到着した。


「もちろん坂を登るのはしんどいんですけど、途中でバテることなく最後までしっかり走りきれたときの達成感は格別ですね。ロードバイクライディングおいて、登り坂というのは個々の能力差が出やすいシチュエーションなんです。だから仲間と走るとついアツくなりますね。でも決して仲間を置いて行ったりはしません(笑)」(三井さん)

程なくして他の二人もやってくる。苦しそうにうつむいてはいるがその表情は明るい。頂上からの絶景は全力を出し切った者に与えられたご褒美といったところだろう。


ライドを終え、ディフェンダーのステアリングを握りながら合田さんが話す。「房総半島に限らず日本の山道は道幅の狭いところが多いですけど、ディフェンダーは着座位置が高くて視界が広く、ボディ形状がスクエアなので見切りもいいですね。荷室に荷物がいっぱいでもClear Sightインテリアリアビューミラーで車両後方は良く見えるし、『3D サラウンドカメラ』のサポートもあって、車両間隔が把握しやすいです」

この日の締めは、海岸の目の前にあるカフェで浦賀水道を行き交う貨物船を眺めながらのランチだ。


「ステアリングを握るだけで冒険心を刺激されるのが、新型ディフェンダーにあって普通の車にはない大きな魅力ではないでしょうか。我々ラファが発信しているメッセージのひとつに『RIDING IS THE ANSWER』というのがあるんです。サイクリングによって今まで知らなかった世界と触れ、より人生が豊かになるという意味が込められています。それはこの新型ディフェンダーと過ごす時間も同じなんだと思います」(三井さん)

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《text:佐藤 旅宇》

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